この作品の面白さや世界観などは一先ず置いておく。それは異世界コンサルの本質ではないからだ。昨今商業化される作品だもの、面白いのは当たり前。異世界コンサルが他のどんな作品より違うのは、そのやり方!
書籍版の異世界コンサルを読んだことがあるだろうか?あるとしたら分かりやすいのだけれど…この本はライトノベルながら、ビジネス書として出ている。びっくりするよね、うん。
それで、カクヨムやなろうでは出来なかった手法…それが太字、図解、フローチャートなど!
作中でも使っていたこのテクニック、実際に書籍版になって出てみると分かりやすいことこの上なし!読者に歩み寄って一緒に理解しようって、微笑みかけてくれる優しさ…。
書籍化決定したら広報する(苦手な作家さんも多い。こっちは応援したいんだからガンガン宣伝してくれ)
リンクを貼る(わざわざ検索しなくて済んで便利!)
投票とか感想送ってくれたら連載につながるよ!などと分かりやすく教えてくれる(よっしゃ応援するよ!)
…ね?気が回るでしょ?工夫してくれてるでしょう?分かりやすいでしょう?こんな人とお仕事したら滅茶苦茶捗りそうでしょう?
そんな人が書いた主人公のコンサル受けてみたいと思いません?
一個一個は簡単なことだけど、それを徹底しているからこそのクオリティ。そしてそれが作品にも活かされている。そりゃ一味違う作品になるわ。
ところで、昨今の異世界チートは凄い。現代技術も凄い。
でも、俺TUEE俺SUGEEの奴って大概は投げっぱなしで再現性がなかったり、その世界観からするとこれ浸透しないんじゃない?って言うのが多くない?そんな都合よく世界を自分の思うまま作り替えられるか?ついてくるのか世界!
いや、まあそこら辺をぐだぐだ言うのも野暮って言うのは分かってる。でもそういうのがありふれて食傷気味なのも分かってもらえると思う。
で、この異世界コンサルは主人公も異世界とのギャップに惑いながらも「じゃあ、これだったらどうだろう?」って一緒に問題解決を図ってくれる!
その手法に無理がない!現実でも使える!
主人公が自覚してる通り、カリスマ性のない凡人の泥臭い努力なんだけれども、カリスマなんて再現不可のものよりもこっちのスキルを持ってた方が絶対生きやすくなるし役に立つよ!
それにカリスマは人を高みに置いて孤独にさせるけれど…この主人公の地面を踏みしめた一歩一歩は、ヒロインのサラちゃんを筆頭に革通りの職人や駆け出し冒険者など、路傍の人々と共に歩む一歩。そのための靴。
カリスマ性が無くとも輝く為に何が出来るか?
大言壮語を実現する為に、先ずは何が出来るのか?
大きな事ほど、実は簡単なことの集まり!
それを面白おかしく教えてくれる作品です。
とにかく今のタイミングの自分にはありがたい作品でした。
[自分の状況]
4月からは新しく立ち上がるプロジェクトチームでの新しい役割。
プロジェクトは横串でいろいろな領域から人が集まるが、もともとが縦割りが強いのでコミュニケーションの課題は多そう。
扱う内容も社内では数が少ない、いろいろと実験的なチームです。
その中で自分は前もって準備から入る、運営側のメンバーでした。
新しいことだらけ、しかも自分一人で済むことではない、そんな状況で奔走している。まさにそのタイミングで出会いました。
[役に立ったところ]
特に中盤以降の様々な出身のメンバーでチームを作って物事に取り組むあたりからは、グッとくることが多かったです。
メンバーのモチベーションをどうするのか。
どうやって伝えるのか。
どこから始めるのか。などなど。
もちろんストーリー仕立てなので、設定に甘い点などはあるのかもしれません。
しかし自分には、主人公が用いる策が「どういった理由でなぜ今用いられているのか」、「どういった効果があるのか」、それらを知るだけでも入門として十分有用でした。
また、途中でうまくいかない・想定外のアクシデント、それらについてもどう接するべきかも心構えとして知ることができました。
正直なところ今までは、プロジェクトを運用することと、コンサルということは結びついていませんでした。コンサルというのはもっとなんか違うものかと笑
これをきっかけにきちんと実用書に取り組んでみよう。そんな風に思えました。
そう思えることができるようになっただけでも、とてもありがたかったです。
また余談ですが、途中途中で関係者の日常や生活背景を語る回は、まるでターゲットのペルソナをみているようで、というかこれぐらいのイメージが湧くペルソナを書いてみたいなと思ってしました。がんばります笑
ーーー
図版などがあればより理解ができそうだとは思いましたが、それは書籍版でやられているようなので早速購入をしました。
届いて読むのが楽しみです。
こちらの連載も引き続き楽しみにしています。
異世界で現代人のコンサルさんが商売やるとどうなる、をここまで真面目に考えるとこうなるんですね。作者の知識と想像力、発想力に脱帽しました。そして、睡眠不足にさせていただきました笑 うっかり面白くて、気がついたら夜3時、を数日。。
コンサルに進む人は一回読んでみてもいいかもしれませんね。異業種(メーカーの品質管理)の人間なのですがわかりやすかったので、気軽に勉強するには良いのかもかしれません。また、異世界の初心者でも、ちゃんと理解させて、教育して広めていき、ものにさせようという姿勢は異世界ものには珍しい。(それもあってついていけます。)
続きを楽しみにしてます!!…書籍版買おうかな。レビューの評判いいな。
追伸: 買いました笑 まだ届いてないのですが、楽しみです!!
ほぼ裸一貫、カネもコネもない、おまけに怪我で冒険者としては引退。
そんな状態からどうやって「ビジネス」を始めたらいいのか?
ありがちなようで切り口が新しく、読み手を飽きさせません。
ご都合主義に頼らない、方法論と実践による課題の解決は普遍的な説得力をもって読者に迫ってきます。
異世界で冒険者や貴族、商人、有象無象相手にどうやってビジネスで生き抜くか、地に足のついた丁寧な描写が心地よい。
過程を省いて都合のいい結果だけ持ってくるような作品とは一線を画しているので、安心して読み進めることができます。
主人公も冒険者としては普通レベルですが、頭脳の冴えは抜群で、好感が持てる主人公だと思います。
自分の限界をよく知っている点もいいし、何より商売の前に動機や信条があるのがいい。
周囲を取り巻くキャラクターも利害が必ずしも一致していないため、せめぎあいがあるところも面白さです。
まだ途中までしか読み進めていないのですが、「異世界で経営革命を」とでもサブタイ付けたくなるような作品だと思います。
お勧めです。