Miroir de la nuit

月も出ない夜に自転車を漕いだ


もう桜は咲いているはずなのに

川沿いには街頭もなく

静けさだけが世界に響いている


橋に通した線路には

その足元を照らす光

それといくつもの踏切が

黒い水辺を鏡にしているから


またひとつ

僕しか知らないものを

見つけてしまったようだ



いつか浜渡りをしたあの世界と

わたしが生きるこの世界とは

たしかにつながっているのかもしれないと

そうおもった

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