持ち寄る

 夢を見た。

 場所は近所の辻である。

 そこにある大きな柿の下に、形のない子供が居る。滲んだ影のように不定形なのに、どうしてかそれは子供だとわかるのだ。

 子供は只管ひたすらに泣いている。

 足が欲しい、足が欲しい、と泣いている。


 一度だけならまだしも、同じ夢が毎晩、それから繰り返して続いた。

 流石に無視も笑い飛ばしもできなくなって、対応を考えた。

 仕事帰りに人形を買い、若干の後ろめたさを覚えながらその足をもぐ。そうして、辻の柿の下へと急いだ。これで我慢してもらおうという腹である。

 すると。

 頭、胸、腹、手、胴。

 到着した木の下には、既にいくつもの人形の部位が散乱していた。

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