ホスピタルクラウン
ホスピタルクラウンというものをご存知でしょうか。
簡単に言ってしまえばその名の通り、病院にやって来る
実は私も高校生の頃、怪我で数ヶ月の入院を
その時たまたまやって来たホスピタルクラウンに、病室での
私が今、医療関係の仕事に従事しているのは、その時の思い出があるからかもしれません。
そんな私の勤める病院にも、ホスピタルクラウンがやって来る事になりました。
年甲斐もなくドキドキして、様子を覗きに行きました。
するとそこに居たのは、あの時のクラウンだったのです。
頬に紅をさして、鼻をつけただけ。殆どノーメイクのままの顔ですから、見間違えるはずはありません。
でも不思議でした。私と会ったのは十数年も前の事なのに、彼はその頃と変わらないまま、少しも歳を取っていないのです。
視線に気がついたのか、ふっと彼が目を上げました。私と目が合いました。
彼の顔には一瞬で理解が広がって、それから道化師は悪戯っぽく、片目を
驚きが通り過ぎた後の私はそれだけでなんだか楽しくなってしまって。
ひとつ頷いてから、笑顔でウィンクを返しました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます