書き込まれる

 手帳の紙面が尽きかけていたので、手近の店に立ち寄って日付入りの補充紙を購入した。

 家に帰ってからリングに通し、綴じ抜けがないかぱらぱらとめくって確認をする。

 すると9月22日の項に、既に書き込みがなされていた。


「この日付から先は、貴方には意味がありません」


 朱筆による、ひどく流麗な筆跡だった。

 何が起こるとも、どうなるのとも、具体的な事は記されていない。

 どうせ出鱈目、出任せの類であるのだとは思う。

 ただただとても、嫌な気分になった。

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