第五十七話『4人』

「分身の術ケロ」

ドロンとなってニンジャフロッグさんは消えた。


「あああああ、ケロケロさんが4人になったぁぁぁぁ」

私は叫ぶ。

そう、ケロケロさんとはニンジャフロッグさんのことだ、だんだんちゃんと呼ぶのめんどくさくなってきたの。

ニンチャンでもいいと思うけど、ケロケロさんの方がかわいいよね。


「ケロケロさん!そのネーミングいいね!」

へびくんがわらう。

実際、四天王らしいけど、かなりかわいいフォルムをしている。

女子高生はなにげにカエルのデザイン好きな子多いから、女子に媚びているデザインなんだわ!


「笑ってる場合じゃないよぉぉぉ、四人になっちゃったよどうするの?」

私が叫ぶ。

そう、イッツパニック。

この二人は余裕かましてますけど、実は大ピンチだよ!

なんせ四天王が4人(?)に増えちゃった。四天王足したら7人になっちゃう!


「左から二番目だ」

ライオンが言う。

結構自信がありそうだ。

こういう時のライオンはだいたい当たっている。つきあいが増えるにつれてだんだんわかってきた。


「え?なんでわかるの?」

私が聞く。

自信があるのはわかったけど、理由はわからない。

できれば知りたいなと思う。


「何か特徴があったの?」

へびくんもライオンに聞く。

さっき、確かにライオンは仕組みがわかったと言っていた。

つまりなにか特徴があった可能性があるんだわ。


「説明は後だ!左から二番目のケロケロに突っ込め!」

ライオンは指示を出した。

くわしくききたいところだけれども今は緊急事態!

ここはなりふり構わずいくしかない!


「ケロケロ!」

へびくんは引き続き笑っている。

ツボに入ったようだった。

こういうのが好きなのね!


「左から二番目ね!ラジャー!おりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」

私は女子高生らしくない雄叫びをあげながら、左から二番目のケロケロさんに向かって突進した。


ドン


と、大きな音がして、私にも何かにぶつかった衝撃が走る。


「当たった!」

私は歓喜の声を上げる。

ライオンにしたがって突進攻撃をしたら、ケロケロさんに当たったのだ!

四天王の!


「な、なんでわかった・・・」

ケロケロさんは私に吹き飛ばされた上、壁にとばされて、壁を破壊していた。

さっきやられたことをやり返した形になった。

パラパラと壁の一部が落ちてきているのを体にあびながら、そう言った。


「内緒だ!」

ライオンはケロケロさんにそう言った。

私たちには後で教えてくれたと言っていた。

そんなライオンが意地悪をしている!


「え、なんで?教えてくれないの?」

私も抗議する。

そう、私にもすぐに教えて欲しい!


「いや、ケロケロは単純だから、教えなかったらもう一回やってきくるからさらにダメージが稼げそうだ」

ライオンは涼しげに言った。腹黒かった。

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