第二十二話『アーマードゴリラ』

「みんな起きたね、次はいよいよボス戦だよ!」

妖精くんはそう言った。

ずっと見張っていてくれたみたい。

優しい妖精くん。


「よし、行くか」

ライオンがそう言った。

ライオンは先に起きていた。

彼の準備は整っているようだった。


「ライオンっちよく眠れた?」

へびくんがライオンに聞く。

へびくんも私より先に起きていた。

私一人でどのくらい寝ていたのかしら、いびきかいてなかったかしら・・・?と、こっそり思った。


「まあまあ、だな。炎は打てるんじゃねえかな」

と答えるライオン。

それは有り難い!!

大分楽な展開になる。


「お、それは期待大」

と、へびくんが言う。

私と同意見だった。

ライオンが大事なところでちゃんと炎を出してくれればだけど・・・。


「次は、『アーマードゴリラ』なんだよね?」

と私が聞く。

「そう、『アーマードゴリラ』」

と言って、へびくんはぷっと笑い出した。


「『アーマードゴリラ』ってすでに名前が面白いんだよなぁ」

と、へびくんがクスクス笑う。

アーマードだよ!アーマード!!ゴリラなのに!!と強調した。

その言い方でまた笑ってしまった。


ほんと失礼だから良くないよ!


そうこうしていると、砦三階につく。


「遅いぞ!!」

しっかりと待ち構えていた『アーマードゴリラ』さんがそう言った。

そう、まさに『アーマードゴリラ』だった。

予想したもの、そのままの鎧を来たゴリラさんだった。


「喋った!!」

と、へびくんが驚く。

「ウホウホ言ってないな」

と、ライオンが言う。

「あはははは」とヘビくんが笑う。


もう、やりたい放題、言いたい放題の二人である。

一応ボスなんだから、馬鹿にしてると、倍以上になって返って来ちゃうから!


「ちょっと、やめなよ!悪いよ!!」

と私が言う。


二人はかなりふざけ過ぎているように思う。

なぜなら、目の前の『アーマードゴリラ』さんはカンカンにお怒りだからだ・・・。


「あくまで、侮辱する気のようだな!」

と『アーマードゴリラ』が構えた。


「そりゃ怒るよ・・・」と私はつぶやいた。


「ようこそ、私の砦へ!」

と紳士的な礼をしつつ、そう言いながら『アーマードゴリラ』は走ってきた。


「めちゃくちゃ速っ!!」

と私が言う。

とても避けきれない!

だからしゃがんだ。


「ぬぉ!!」

ライオンもその屈伸に合わせて、頭を下げた。

なにげに反射神経がいいのかも。

『アーマードゴリラ』のパンチが、たてがみをギリギリかすめる。


私達を狙った『アーマードゴリラ』のパンチがはずれ。

体ごと、壁に向かっていく。

その腕が、壁に当たる。


ドカカカカァァァァァァン。


私達の後ろにある壁に大きな穴が空いた。


「マジっすか!」

私はその穴を見て言った。


パワータイプなのは体を見ればわかるのだが

思いの外、動きも速い。

鎧を着ているのに。


「ただのゴリラじゃないようだな」

とライオンが笑った。

そして戦闘を開始する。

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