第二十一話『睡眠』
「それは心強い。次がボスだよ!」
妖精くんはそう言った。
そう、私達は戸惑いながらもボスの所まで来たのだった。
ここは砦の二階。
妖精くんの友達に危害を加えて、妖精さんたちが、今までの生活ができなくなる元凶となったボスが次の階にいる。
私達はボスがいるという砦に入って、1階のヒョウ、2階の虎を苦労しつつも倒してきた。
「次で最後なのか」
と、ライオンが妖精くんに聞く。
「うん!そうだよ!次がボスの『アーマードゴリラ』だよ!」
と妖精くんが元気良く言った。
「「アーマードゴリラ」」
私とヘビくんがハモった。
「それは随分愉快な奴がボスだな」
とライオンが言った。
それを聞いて、ぶはっと笑ってしまった。
確かにかなり愉快な響きだった。
「鎧を着てウホウホ言ってる姿を想像すると確かにかなり面白いね!」
と、さらにへびくんが膨らませてきた!
「あはははは!」
確かに!
私も聞いて笑ってしまった。
ゴリラさんには失礼だけど。
ゴリラさんの野性味あふれる姿と、鎧を着る騎士の紳士なイメージが全く交じり合わない。
動いている姿を想像すればするほどおかしくなってしまう。
「ちょっと!!笑うようなとこじゃないでしょ!!」
と妖精くんが、プンプン怒っている!
そう、妖精くんたちに取ってはシリアスな問題なのだ。
このボスを倒せるか倒せないかというのは、今後の楽しい暮らしができるかできないかが変わってしまう、一大事なのだ。
「笑ってるけどめちゃくちゃ強いんだよ!!『アーマードゴリラ』が来てから、この森はめちゃくちゃなんだから!!」
と猛抗議する妖精くん。
その姿は、熱がこもっており、大変な思いをしたんだな、ということが伝わってくる。
「ごめんごめん!」
と私は笑うのをやめて、妖精くんに謝った。
「そうだったな。」
と、ライオンが言う。
少しシリアスモードに戻った。
この三人で話していると、どんどんふざけてしまうのだ。何故か。
「次の戦いに備えてちょっと寝かせてくれ」
とライオンが言った。
そう、彼の遠隔攻撃「獄炎 - ファイヤーブレス」は、すでに1階の敵ヒョウに使ってしまっていて、今は使えない状態だったのだ。
「わかったわ!ライオンは寝てていいわよ!少し休憩にしましょう!」
と私は言って、寄りかかれるところまで行って腰を下ろした。
ライオンの負担を少しでも減らすためだった。
なんだかんだで頑張ってくれているライオンだった。
「僕もちょっと休ませてもらっていい?」
と、へびくんも言った。
「もちろん!私もすこし眠ろうかしら」と言う。
「のんびりしてるなぁ!」
と、妖精くんが笑う。
「連続で戦うのはかなり疲れるからね!」
と私が妖精くんにいう。
「そうだね、2回連続だもんね。しばらく寝てていいよ!僕が見張ってるから!」
と、妖精君が言ってくれたので少し寝た。
少し寝て、起きたら、二人はもう起きていた。
「起きたか?」とライオンが聞く。
「うん」と私が答える。
「みんな起きたね、次はいよいよボス戦だよ!」
妖精くんはそう言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます