それが目当てじゃありません IV




「……堺さん、殺しますよ」

と晶生は言った。


 余計なことをペラペラ喋って、私の平穏な……


 いや、然程、平穏でもないが、学校生活を揺るがすな、と思ったのだ。


「あんたが言うと、洒落にならないのよ」

と言った堺は、少し考え、


「そうね。

 あんたが私を殺すなら、私、あんたと刺し違えて死ぬわ。

 それはそれで幸せな結末かもね」

と言い出す。


 なんで道連れ……と呟く晶生に、堺は言った。


「私が居なくなって、あんたと沐生がハッピーエンドとか死んでもごめんだから。

 とりあえず、祟って出るわよ、あんたに」


「まあ、それもいいかもしれませんね」

と晶生が言うと、


「なんでよ?」

と自分で言っておいて、堺が言う。


「内緒です」

 そう晶生が笑ったとき、

「ちょっと、あんた。

 秋村凛」

と声がした。


 振り返ると、いまどき珍しい巻き髪の派手な女が立っていた。


「凛、友達よ」

と言って、また晶生が食べ始めると、凛が顔をしかめ、


「あんた、なにしに来たのよ……」

と言う。


 え?

 もしかして、これが? と晶生は振り返った。


 女をじっと見ていると、女は、なによ、という顔をする。


「……ハズレです、林田さん」

と言い、晶生は続きを食べ始めた。


「ええっ?

 そうなのっ?」


「だから、なんなのよっ、あんたたちっ」

と女がキレる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

応援した人

応援すると応援コメントも書けます

ビューワー設定

文字サイズ

背景色

フォント

一部のAndroid端末では
フォント設定が反映されません。

応援の気持ちを届けよう

カクヨムに登録すると作者に思いを届けられます。ぜひ応援してください。

アカウントをお持ちの方はログイン

フォロー機能を活用しよう

カクヨムに登録して、気になる小説の更新を逃さずチェック!

アカウントをお持ちの方はログイン

フォロー機能を活用しよう

カクヨムに登録して、お気に入り作者の活動を追いかけよう!