立ち寄らなくてもいいのに、立ち寄ってみたダムのほとり III

「そもそも、なんで凛を集中的に疑うんです」


 顔を上げた晶生が堀田に訊いていた。


「似た人間が集まるというだろ。

 犯罪者の友達は犯罪者かもしれんだろ」


「なんですか、そのザックリ感……」

と晶生は文句を言っていたが、


「刑事の勘だ」

としれっとした顔で堀田は言う。


 だが、あながち間違ってはいない。


 犯罪者の友達が必ず犯罪者というのは成り立たないと思うが。


 自分が罪を犯した人間は、他人の罪にも寛容だから。


 私に、晶生に、沐生。


 既に三人ね、と思う。


「その殺された人の婚約者って、犯人っぽくはないんですか?

 どんな人なんです?」


「なんでお前に情報をやらにゃならんのだ」

と堀田は渋い顔をする。


「私、会ったことあるわ」

と凛が言い出した。


「前、スイーツの店でたまたま出会ったの。

 顔は知ってたから」


 ふうん、と言う晶生に、

「ほら、先々週言ってた店でよ」

と凛が言っている。


「ああ、あんたお気に入りの」

と言った晶生は小首を傾げ


「好きな人が同じだけあって、スイーツの好みも合うのかしらね」


 話が合うかもよ、と阿呆なことを言い出した。


「じゃあ、あんた、長谷川沐生のファンと話が合うの?」

と凛が沐生を指差す。

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