忍者と刀、そんな題名を見て、時代劇風のファンタジーを真っ先に想像する方は多いのではないでしょうか。
そんな読者の先入観をしょっぱなから打ち砕く、深奥な近未来設定!
地球は荒廃し、裕福層は地表を捨ててコロニーへ退避…残された一般庶民は血で血を洗う日々を送る…。
しびれます、ゾクゾクします。
そんな世界で「ニンジャ」ですよ。なんで? ニンジャなんで? もうアイエエエエエエどころじゃないですよ。
しかも、ニンジャカタナの世界が、これまたオリジナリティに溢れた魅力的な用語ばかり!
ミドリムシ。
多元連結理論。
架空のエネルギーや空想科学を練り込んで、フィクションに厚みを持たせるのはSFの常套手段です。現実との差異をムラなく補完しているのです。
決して、おざなりにただ何となく未来でアクションさせました〜という凡百の素人作品とは一線を画すのです。
艦隊戦などは、そこらの架空戦記よりシンプルかつ明快な描写で、大変読みやすく、白熱できます。
カタナとリーゼの、どつき漫才めいたやり取りも個人的に好きですね。こいつら所帯じみてる…!
あ、僕はサツキちゃんが好きです。
目次を見ると、最新話が序盤に載っている、という変則的な構成ですが、ラストチャプターへと至る過程を読めば納得。
「使徒」だの「超越者」だの、中二心をくすぐる名称もワクワクさせてくれますね。
また、後半は飛空挺のレース大会が始まったりと、単なるアクションだけではない趣向も凝らしています。
読者をとことん楽しませることに腐心した、おもてなしの心。
変幻自在な、魅了の術。
これぞまさにジャパニーズの精神。
ジャパニーズ・ニンジャ、ここのえ九護!
飛び込むか、飛び込まないか。
あるいは、読んでいてふと懐かしく感じる方もいることかと思います。
こんな冒険をいつか読んだのかもしれない。
こんな冒険をいつか、してみたかったのかもしれない。
そんな夢の続きを、かつて見たかもしれない冒険そのものを覗けるのがこの痛快SF冒険アクション「ニンジャカタナ!」です。
覗くといっても、作者のカメラはどこまでも心を刺激してくれる世界を余すことなく映し出してくれます。どこまでもどこまでも、カタナを読めば、いつかの冒険に飛び込むことができるでしょう。
そして、もしあなたがすでに飛び込んでいるのなら。ようこそ。この駆け抜けていくカタナの世界へ。
悪になりきれない、敵。
Location #225.読み終わりました。
とても優しい物語だったように思います。
悪になりきれないモローやベリル。
みんなどこかに純粋さを抱えているように思いました。
今住んでいる地球の大切さを再確認させてくれる物語だと思います^^
更新したところまで追いついてからと思っていましたが、読むのが遅い私が追いつくにはまだまだかかりそうなので Location#93. の分を^ ^
メダリオンとの戦いに手に汗握り、根拠のないカタナの大丈夫に不安を感じる反面、確かに大丈夫と思えてしまうリーゼとのやり取りが微笑ましく。
メダリオンの持つ哀しみの解放では、カタナの持つ役割を感じました。
ただ、戦ってるんじゃない。
カタナは、自分でもはっきりと認識することなく、その役目を果たそうと必死なんだろうなと。
リーゼという心強い相棒を得て、カタナの強さは更にます気がしました。
続きも、楽しみに読ませていただきます。