第32話

○風音の趣味

「一度聞きたかったんだが」

 僕は風音に問う。

「おまえ、マンガ好きらしいが具体的にはどういうのが好きなんだ?」

 風音はじとりと僕を見て言う。

「うわあ……」

「なんだよ。マンガの趣味聞いただけだろ」

「いや、『うわあ』って言いたかっただけ」

「おまえは僕を責めることに慣れ過ぎている」

 風音は僕のつっこみを無視して答える。

「基本、なんでも読むけど、少年漫画が多いかな」

「少年漫画か」

 少年漫画は僕も好きである。

「それは純粋に楽しんでいるのか?」

「『純粋』とは?」

「いや、おまえBL好きとか言ってたじゃん。少年漫画のキャラでBLを書くなんていうのは、よく聞く話だろ」

 僕の言葉を受けて、風音は言う。

「……あさはかなり」

「何がどうした」

「幸助、おまえはこう言うんだな。『少年漫画をBLとして読むものは不純』だと」

「いやあ、そこまでは」

「しかし、先程おまえは『純粋』という言葉を使った。つまり、裏を返せばBLとして読むのは『不純』だという事になる」

 そう言われてしまうとそうなのかもしれない。深い考えがあったわけではなかったが、BLは不純だと見なす意識が根底には存在したのかもしれない。

「いいか。大事なのは作品を楽しむ心なんだ。その作品の読みとり方は読者に委ねられるべきなのだ。もちろん、BLと捉えられることや二次創作を嫌がる作者がいるのもまた事実。それはわかる。そこは自重もしよう。だが、少なくとも作品を愛する心はたとえ腐った目線で見ていたとしても変わらない。それは理解してくれたまえ」

「なるほどな」

 確かに腐女子であろうがなんであろうが、作品を愛する気持ちは変わらないのだ。そこに貴賎をつけるべきではないだろう。

「だから、高校野球をバッテリーのカップリングという目線で見ていたとしても、それも野球好きと言えるのよ」

「うーん、それはどうだろう」

 ちなみに基本ピッチャー責めのキャッチャー受けですが、リバもありだそうです。

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