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アンデルセン『雪の女王』

『人魚姫』や『マッチ売りの少女』などで有名なアンデルセンさんです。
『雪の女王』は、子供の頃に子供用の本で読んだことがあったのですが、最近になってようやく『アナと雪の女王』(一作目の方です)を観る機会があり、
「アンデルセンのが原作なの? 全然違う話じゃない?」
と思って、大人用のやつを読みました。
ちなみに、昭和42年初版発行、矢崎源九郎訳の新潮文庫『マッチ売りの少女』に収録されていたものです。

さて、子供のときに読んだ本を想定してると、そこそこ長く感じます。
そしてやっぱり、『アナ雪』とは全然違いました。自分の記憶があてにならないわけではなかったようです。
原作を踏襲しているのは、「氷のかけらが胸に入ったらやばい」「氷を溶かせるのは愛だけ」という設定くらいでしょうか? とにかくアナもエルサもオラフも出てこないし、ストーリーも全然違います。
原作はさすがアンデルセン、詩情豊かで情景が美しいです。
そしてたまにドライです。主人公のゲルダが王女様たちにもらった馬車の御者や従者なんか、あっという間に山賊に殺されちゃうし、色々助けてくれたカラスは知らないうちに死んでるし。
お花とおしゃべりしたりしてたのに、突然こういうの挟んできます。そういうところも、子供用の本やディズニー映画では味わえない魅力だと思いますが。
そんなわけで、本書も『アナ雪』も、それぞれに魅力的な作品で、どちらも一見の価値があると思います。

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