現在『ときめき☆ハルマゲドン』を連載中です。
本日の公開は第113話「賭場の遊び人」。クエストため、賭場へ行く死織たちのお話。
さて、ここまで出てきたネタについて、簡単に解説します。
まず冒頭に出てきた新宿の「十二社温泉」という温泉旅館。
旅館ではありませんが、「十二社温泉」という名前の入浴施設は実在していました。もうありませんけど。
実際に温泉ではなかったと思うのですが、新宿のビル街から中央公園を越えた辺りにある有名な場所で、ぼくも何回か行ったことがあります。
いま現在も十二社道路(じゅうにそうどうろ)はあるので、十二社は地名だと思います。
そして、そのつぎに出てくる「古着屋総兵衛」。これは佐伯泰英先生の時代小説から丸パクリなので、怒られたら書き変えます。
そして、お江戸専用のジョブとして出現した「遊び人」。
これはもちろん時代劇『遠山の金さん』の職業からとってます。金さんは自分のことを「遊び人の金さん」と自称し、この名前は北町奉行所のお白洲でもたびたび出てくるので、江戸の公文書にも載っていると思います。
ぼくは子供のころはなんの疑問もなく、江戸時代には遊び人という職業、もしくは身分があるものだと信じていたのですが、大人になって首を傾げています。
遊び人ってなんだ?
さて、お次は、今回のポンコツ・ゲスト、土方真冬さんの佩刀『胴田貫』。
正式名称は『同田貫』です。これはもともとは九州の地名です。その土地の刀工の打った刀という意味から、その刀工もさすみたいですね。
作中では、アギトが作った偽武器ということで、同の字が胴になっているという設定です。が、真冬さんいわく、本物より出来がいいと。
ちょっとややこしいんですが、時代劇&コミックの『子連れ狼』では、フィクションであるということで「胴田貫」を使っています。
ちなみに、水鴎流という流派は実在します。
『子連れ狼』では「胴田貫」ですが、他の時代劇『荒野の素浪人』や『三匹が斬る!』などでは同田貫かもしれません。しれませんというのは、セリフでしか出てこないからわからんのです。
まあ、あの当時の時代劇は、なんの脈絡もなく主人公たちが「同田貫」を使ってました。
で、これが映画『魔界転生』で「村正」が有名になると、今度は村正ブームがきます。
同田貫は飾り気のない実用一点張りの刀剣であるとして有名ですが、明治時代の展覧兜割りにおいて、直心影流の榊原健吉が同田貫を使って、見事兜を斬った話は有名です。
といっても、ぼくは津本陽先生の小説で読んだだけですが。
そして、死織たちが住むことになる「お化け長屋」。もちろん時代劇『桃太郎侍』からとってきています。そこに住む浪人の金太郎も、桃太郎にひっかけてあります。
本編に登場の金太郎を、高橋英樹さんのイメージで読んで頂いても構いませんが、できれば『ぶらり新兵衛 道場破り』のころの若い高橋さんのイメージで読んでもらいたいです。
いえ、もちろん、『桃太郎侍』後期の、顔が大きくなって般若のお面からはみ出しちゃってる高橋英樹さんでも構わんのですが。
そして、後年つくられた『桃太郎侍』スペシャルでは、
……般若のお面が大きく作り直されていた!
元ネタ解説は、暇があればまたやります。