「永訣の冬」を読んでいただけましたか?
こちらの作品は、「本当の孤独」をテーマに書いた作品です。
主人公と、その妹、静はふたりぼっちでした。私は、ふたりぼっちから、ひとりぼっちになることが孤独ではなく、「人とのつながりを知り、別れる」ということが孤独だと考えています。
これは、坂口安吾さんの「桜の森の満開の下」という作品から得た私の考えです。
「桜の森の満開の下」の主人公と、「永訣の冬」の主人公はほぼ同じにしています。
「桜の森の満開の下」の主人公は山賊で、山を通る人を襲った。「永訣の冬」の登場人物たちも、同じようなことをして生活していました。
「桜の森の満開の下」の主人公は襲った人の妻を娶り、最後の最後ではその女を殺し、本当の孤独を知ります。確かに、女と出会うまでは、彼は孤独だったという人もいるかもしれない。しかし、私は「人とつながって、別れる」ということが本当の孤独だと思います。
坂口安吾さんが「孤独を、恐れるな」と言っているような気がしました。