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『さとりのしょ』を書くに当たって・・・・

新型コロナの大流行で、日本全体が大きな影響を受けている。
例えば、給付金などは、直ぐに支給されないと意味を成さないのに、どうして遅々として進まないのか・・・・。
実は、今、その渦中にいます。
そして、進まない原因も分かっています。

それは、緊急事態という状況の意味が理解できない人が多いからです。
行政には、手続きがあります。
民主主義は、その手続きによって担保されていると言っても、過言ではありません。
そしてその手続きは、『巧遅』が基本です。
巧いけど遅いんです。

しかし緊急時は、『拙速』で動かなければなりません。
これが孫子の教えです。
だから、平常時の手続きは無視して事を進めなければならないのです。
その為に、国会からは莫大な予算が降りていました。
無駄になっても良いから、少しでも早くしろと・・・。

が、それを無視する人たちがいます。
それぞれの現場の管理職たちです。
平常時の手続きを無視して事を進めた場合、後で自分たちが責任をとわれること嫌だということで、平常時と同じように事を進める訳です。
やれ、相見積もりが要る、やれ入札をしなければならない、みたいな・・・・。
結果、迅速に動くべきだというのに、動けないという結果になり、国民に被害が及ぶのです。

これに意見をすれば、袋叩きに遭います。
なぜなら、手続き等は法律で定められていることなので、道理で言えば彼らの方が正しいからです。
でも、規則通りにやって、誰も救えなかったら意味がない・・・・。
今の日本は、このジレンマで蔓延している訳です。

ならば、これを回避するには、どうすべきか・・・・。
当然、緊急時の対応を学習し、普段から実践しておくべきなのです。
そして、投資をしていれば、緊急時というものに良く遭遇します。
遭いたくないですけど・・・・。
対応に失敗すれば経験として積みあがります。
だから、このことを伝えたくて『さとりのしょ』を書くことにしました。

正直、書くと決めてからは、何から書けば良いのか分からない。
余りにも伝えたいことが多過ぎるからです。
私みたいなつまらない者の文章を読もうと思ってもらえるだけでも有難い。
だからこそ、私が半生をかけて考え続けていたことを、正確に伝えたい。
そして、伝えられた人たちの今後の人生に対して、有意義に役立ててもらいたい。
だからこそ、伝え方が問題なのだと考える訳です。

基本的なこと、つまり学問じみたことを理解して貰わなければ、その知識は薄っぺらいものになってしまう。
しかしこれは、はっきり言って、理解しにくいし、面白くない。
だから、読んで貰えない。

これに対して実務的なところは、多くの人にとって思い当たる節があるので、面白い。
だから、読んで貰えると思う。
が、基本が無視されているので、考えに深みが出ない。

つまりだ、基本を忠実に伝えようとしたら読んで貰えなくなり、読んで貰えるようにしようとしたら、大事な基本部分が伝わらないということになる。
矛盾だ・・・・・・。

そこで、両方を入り混じったものを書くという方法も考えました。
が、これをやると、体系立てた伝え方が出来ず、知識が端切《はぎ》れとなり、読者自身で再構成して貰わなければならなくなる。
・・・・・・・・・・・・・・・・。

と、暫く悩んでいたのですが、悩んでいるだけ無駄だと思うようになりました。
どうしようもないことなのですから。
だから、まずは書くことにしようと決めました。
必要なら、後から再構成したら良いのだと思うことにしました。

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