構想は固まっているのに、腕は動かない。そんなことがままありまして。
この作品もそうなるかと思いきや、一夜にしてあっという間に終わってしまった。
つくづく、腰が重いというかなんというか…
そんなこんなありまして、これが私の処女作になりました。
(今までは作品を終わらせたことが無かったので…)
以下、作品内には書ききれなかった設定なんかを書き連ねていこうと思います。
キャラクター設定
主人公:イル・クライシス
ill(病気) + cry(泣く) + sis(死す) という不幸にまみれた名前をしております。
名前に意味を込めるのは私の癖みたいなものですね。正直、悪癖だと思います。
彼女は愛に執着してしまいました。仕事を見つめすぎて世界に疑念を抱きました。
彼女は真面目すぎたんだと思います。
それまでの妖精達とのつながりや、関係性すらも疑ってしまった。
結果、彼女は満足しているので十分ハッピーだったとは思います。
真実を知って、それでもなお悠久の時を生きるというのは辛いでしょうから。
裏主人公:豊裏幸人
幸せの人と書いてますが、その裏を描きたかった。誰にも醜い面はあるんです。
そういう意味ではイルちゃんは人よりも人だったのかもしれません。
彼が妻に逃げられたのは彼が原因か、イルちゃんが原因なのか、それとも別の物によるものか…。
いずれにしろ、時に愛はすれ違う物なのです。
彼もまた真面目すぎたんでしょう。
愛に理想を抱いていた彼は、裏切られたような気持ちだったのでしょうね。
ヒール役:フーロ
下の名前は考えてません。ただ、最初はイルちゃん大好きっ子として登場させる予定でしたが、最終的に中々エグイ性格になってしまいました。
ですが、これはイルちゃんに出会っていないが故のもの。本当は良い子なんです。
実は彼女はカミサマにイルちゃんと同じ願いをしたことがあります。
人間が好きになってしまったんです。ですが、彼女には対価が払えなかった。
仮に払えたとしても彼女は今の世界を捨てきれなかった、そう思います。
彼女はイルちゃんと違ってこの世界のことも諦めていなかったんです。
超常的な存在:カミサマ
神様は心を持っていました。それはもう子供っぽい幼い心です。
それでも、神という立場があるから取り繕っていたんです。
けれど、自分が作ったセカイもイルちゃんによって壊れてしまったからもうどうだってよかった。それに、イルちゃんが世界に留まっていると他にも悪影響を及ぼすんじゃないかと不安になった。
結果として、邪魔者は排除したいというカミサマの意思とイルちゃんの願いが嚙み合っていたので、ああいう提案を持ちかけました。
つくづく怖いですね。
サブ1:イルのお母さん
特に語る所もないのですが、話しておくと妖精に血縁の関係はありません。
ただ、望み通りの物が手に入ってしまう世界ですから、イルのお母さんはイルちゃんのような子供が欲しくて願ったのかもしれません…そりゃ薄っぺらいわな
サブ2:飯田小杉
イイだ + コスギ で 良い子すぎ という意味を持っています。
彼女はその名に恥じぬいい子っぷりを見せました。
人間世界にやって来たイルちゃんの言動にも優しくツッコんだり、諭したり…
最初のシーンはほぼ初対面だったらしいです。
突然、目の前の美少女の様子がおかしい場面に遭遇した時、あなたは飯田ちゃんと同じ振る舞いが出来るでしょうか?私は無理です。
彼女はそれはもういい子なので、色々事件が起きた後、会社にいるのが辛くて転職しちゃったそうです。
何気に彼女は作中で一番愛を知る者かもしれません。
最期に、少し私の伝えきれなかった想いを書いておきます。
愛を皮肉って色々書きましたが、結論から言うとどれも素敵だと思います。
イルちゃんのように貫き続ける愛も。
コロコロ変わる愛も等しく愛だと思います。
ただ、報われない物も多くある。
つまりは、幸せの裏には等しく不幸せがあるということ。
けれど、そんなアンバランスな世界はどこも同じなんです。
妖精の世界だってそうです。
だから、セカイと世界を私は分けて書きたかった。
セカイは自分の想像のセカイ。
アンバランスさも許容できる、好き放題に塗り替えられる絶対的な領域。
けれど、世界の方が現実です。
幸人はセカイを取りました。一方でイルは世界を取りました。
塗り替えられない相手の感情をも受け入れて、ただ愛を伝えました。
どちらにせよバランスを取る事が上手いか下手かの違いでしかなくて下手な人はきっと損をする。それは変わらない。
私が最終的に出した持論は選択肢を多く持ってあげることでした。
自分の中の好き。自分の外にある好き。それらを出来るだけ多く見つけてあげる。
当然、応えられる好きには限界はあるから、捨てざるを得ないんです。
そうするとバランスはとりやすい。
言うなれば世界を見つめやすいと私は思うんです。
のめり込んでいる時って、主観と客観がいつも以上に乖離してしまう気がするから。特に自分のセカイに入り込んでしまう事が多い私はそうやって自己認識を深めることで、時折世界を見つめられるようにしています。
その度にギャップに苦しめられもしますが、その感情は大事にしています。
あぁ、本当に私のセカイが好きなんだなって。
迷って、悩んで、あがいて選び取った好きは中々手放せるものじゃありません。
でも、だからこそ厳しく辛い現実にも立ち向かえる。
そんな気がします。
改めて、深いですね愛って。
論じるには少々イタいテーマかもしれないと、身も震える想いですが意を決して書き連ねてみました。
皆さんも自分の愛する何かを見つけて頂ければこれ幸いでございます。
以上、恋愛経験ゼロ作家による制作裏話でした。