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ぐらんぶる(実写映画版)のはなし

今日は久しぶりに映画を観に行って来ました。人が密集している所に行くのを嫌っていたため、なかなか行く気になれなかったのですが、どうしても観たい作品があったので行きました。

「ぐらんぶる」という作品をご存知でしょうか。飲み会で飲み過ぎて全裸になりまくる大学生の話です。あとちょこっとだけダイビング要素もあります。

今回はそのぐらんぶるが実写映画になったというので観に行きました。公開から1週間も経っていない作品のネタバレが多分に含まれますので、そういうのがダメな人はブラウザバックをお願いします。

ただの実写映画だったらブルーレイがレンタルされるまでスルーしているんですが、今回の主演が竜星涼さんと犬飼貴丈さんと聞いて、観に行くことを決意しました。

ニチアサ見てる人に分かりやすく言うとキョウリュウジャーのキングと仮面ライダービルドの桐生戦兎ですね。これは観に行くしかない、と決意したのがつい昨日の事です。異修羅買うために有給取ってたのでちょうど良かったです。

ぐらんぶるはその性質上、男性がほぼ全裸です。つまり、キングと桐生戦兎の全裸が拝めるのです。男の裸が好きな人は絶対に観に行くべきです。

まず、その全裸要素ですが、これは完璧でした。むしろやり過ぎなんじゃないかってぐらい全裸でした。男性キャストは9割全裸もしくは半裸になっていました。

話の流れですが、最初がめちゃくちゃしつこかったです。北原(主人公)が校内で全裸にされている描写が開幕30分ぐらい延々と続きます。

原作では一度で済んでいて、しかも全裸になった原因が明確になっています。それが映画版では伯父さんの店に入った瞬間、何らかの怪異に襲われて気がついたら校内で全裸で寝ているという展開が延々と続くのです。

原作を読んでいないとタイムリープ物と勘違いするのではないかと思うぐらいにはしつこく繰り返されます。実際北原のセリフがそうだったので、それを意識したのだと思います。

ようやくその怪異の正体がダイビングサークルの連中だと判明した直後、いきなりインド映画が始まります。突然みんな踊り出すのです。飲み会の悪ノリを表現したかったのでしょうが、ちょっとやり過ぎた感があります。

後は割と原作通りに話が進むのですが、ここから原作の相違点をキャラ別に洗い出して行こうと思います。

まず主人公の北原。こいつは割と原作通りです。ただ、まともに服を着て授業に出るのが5月からになるのですが、これは展開の弊害で後は原作ファンの知る通りのクズです。

次に相方の今村。こいつも割と原作通りですが、アニメTシャツを羽織っていないのに違和感を覚えます。その代わり、アニメTシャツをパンツにする原作以上の変態オタクと化しました。

お次にヒロインの千紗。まあ概ね原作通りです。割と女優さんも寄せようと頑張っていました。ただ、ミスコンでキレてバットを振り回すシーンは何を考えてやったんでしょうかね。

もう一人のヒロインのケバ子。ケバさは流石に2割減でしたが、真の姿が原作より100億倍美人です。もっと田舎っぽい顔立ちにしても良かったと思います。

あとダイビングサークルの先輩方。基本的に裸で酒を呑んで呑ませて酔い潰れた北原と今村を全裸のまま校内に放置する怪異です。クトゥルフのシナリオのボスかってぐらいの怪異です。

奈々子さんと梓さんは割と原作寄りだったかなあ。奈々子さんが妹に手を出す奴をチョークスリーパーで落としてロッカーにブチ込む怪異と化していた以外は。

あとキャラとして特筆すべきは山本ですね。実写版ゆるキャンの大垣千明が100%とするならこいつは1000%です。あ、こいつは絶対モテないな。と初見で思わせるのを容易とするブサメンをどこで捕まえて来たのか。と思うぐらい山本でした。

そして、大事な原作からの変更点があります。舞台が伊豆から離島に変更されています。これこそが最も重要なファクターです。

ダイビングサークルなどの怪異から逃げ出すため、北原と今村は島からの脱出を図ります。しかし、漁師のオッサンはそれを拒否します。

漁師のオッサンも、ダイビングサークルのOBだったからです。新入部員を逃さまいと、ダイビングサークルの先輩方と結託していたのです。

そして、そこに伯父さんも現れ、パンツ一丁で踊り出します。下宿先兼サークルの集会所の管理人もグルだったのです。

北原と今村は観念してダイビングを真面目にやります。まあこの辺は原作通りで、泳げなかった北原は海の世界に惹かれていきます。細かい所だとダイビング機材は自前で揃えたぐらいがオリジナル要素ですかね。

しかし、しかし。最終局面になって実写映画特有のオリジナル要素が挟まって来ます。映画という短い時間の中で原作を回収するのは無理ですからね。当然どこかで締める必要があります。

この最後の展開に関して、私は「これ原作者が本書いたのか!?」と思うぐらい気に入っています。

原作通りライセンスを取得し、北原と今村は二人で海に繰り出します。ウエットスーツを着て、ダイビング機材も背負って。

それこそが、このクズ二人の真の狙いでした。ダイビング技能を得て「島から脱出する」ことこそが彼らの策略だったのです。

何故舞台が島に変更されたのか。何故ダイビングサークル及び島民が揃って怪異ばかりなのか。何故ヒロインの暴力性が増しているのか。何故ダイビング機材を自前で買ったのか。

全てのオリジナル要素が、このオチに繋がっていたのです。まあ結局ヒロインの介入で脱出は失敗に終わり、ダイビングサークル全員で踊るというインド映画オチで話は閉じるんですけどね。千紗も踊るという原作ファンからしたらあり得ない展開が起こるぐらいインドでした。

大体主題を纏めきれず変な感じで終わる実写版オリジナル展開ですが、このぐらんぶるに関してはそれを原作要素を交えながらも懇切丁寧に回収して来たので頭が下がりました。

総合点としては100点中50点でした。私は好きなタイプの映画でしたが、人には勧めづらいかなあ。これを見た後は原作漫画5巻までかアニメ1クールを見て差異を探すと楽しいでしょう。割と丁寧に原作を拾っているのが分かります。分かりました。

以上で実写版ぐらんぶるの話を終わります。近況ノートは映画の感想を書く所じゃない?だったら食レポとかはどうなんですか。これも立派な近況です。

最後に、主演の竜星さんと犬飼さんについて。竜星さんは途中からノリが完全にキングでした。全裸になってクズになったキングでした。キョウリュウジャーでしか竜星さんを知らないのですが、とにかくキングでした。

犬飼さんについても仮面ライダービルドでしか知らないのですが、彼に今村耕平をキャスティングしたのは大正解でした。

黙ってればイケメン、でも服装と中身が残念というキャラクターをやらせたら犬飼さんは完璧だと思います。ビルドでの「PTSDを患った人の演技」が最高に上手かったのできっと完璧にこなしてくれるだろうな、と思っていましたがマジで完璧でした。

むしろ犬飼さんの演技力はこういったキャラで生かされるのでは?と思いました。「今夜は焼き肉っしょーーー!」のテンションがずっと続くとこうなるんでしょうね。これを見れただけで満足です。

私のネタバレ感想を最後まで見たということは、きっと観に行く気の無い人だと思うのですが、まあ参考になればこれ幸いです。それでは、また。


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