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イケメン!ねこ!都電荒川線!

みなさんこんにちは。今日は穏やかな日ですね。うちの近所の公園にムクドリが飛んできて、朝から元気いっぱいにさえずってます。風はそよそよ、雲はのんびり。んー、休日っぽい!

この間『チビチャレンジ』をしてから、気残りなことをパッとやっつける快感に目覚めてしまいました。で、昨日の土曜日に、東京来てからもうずっとしたかったことをしに行ってきました。それは都電荒川線に乗ること!

この路面電車、路線を地図で見ると、うねうねグネグネ、なんとも変わった走り方をしているのです。走る地域も僕には馴染みのないあたり。うん、なんかローカルな冒険ができそうじゃない? 期待まんまん、乗ってきました。今日はその報告です!

土曜の仕事をそそくさとやっつけると(僕は土曜も仕事なのです)、サンドイッチを急ぎ呑み込んでから、テクテク、始発の早稲田駅まで歩きました。んー、学生の町だー! 食い物屋ばっかり! どんだけお腹空かせてんだ早稲田生!

お、ちょうど青い電車が止まってます。ラッキー! いそいそと乗り込みます。料金は先払いで一律170円。安い! そして見渡す車内は、せ、狭い…。路線バス並みの車幅。片側は内向きの長い椅子で、もう一方は一人がけの椅子が進行方向に向いて並んでます。一両編成の車内に歩き入ると、僕の顔の高さくらいのところにつり革がズラリ。うおお、歩き辛え、なんだこりゃあ。一番奥には運転席がもう一つ。なるほど、終点で先頭が入れ替わるんですね。

チンチン!と鋭いベルがなりました。空いている車内、急いで進行方向を眺められる席に座ります。窓は広告がびっしり貼られていて、眺めはあまり良くないです。そうこうしている間に路面電車は走り出しました。お、結構軽快。運転手さんがガチンガチンとギヤを上げると、グン!グン!と加速します。結構早い。

ここらの印象は、広島の路面電車に近いです。車道の真ん中、石畳に敷かれた専用レール。ビルの間を路面電車は走ります。そして池袋駅方向に曲がり、急な坂をグングンと登ります。ちょっと路面電車のイメージが変わりました。なんか力強い。

それにしてもびっくりしたのは、駅々で結構お客さんが乗ってくること。シニアの方と親子連れが多い。あ、だからつり革が低いんだ。そうこうしているうちに、みるみる車内は混雑してきました。なんか座ってるのが居心地悪くなってきました。

池袋あたりを過ぎると、アップダウンの少ない市街地になりました。いつの間にか道路とはお別れです。普通の電車のような線路風景。住宅を両サイドに眺めながら、路面電車は軽快に走ります。あ、ここら辺はちょっと叡山電鉄に似てる(僕は広島にも京都にもちょっとだけいたことがあります)。

いつの間にか、また道路と一緒に走っています。それからすんごい下り坂。あ、ずっと向こう、遮断機もない踏切をおばあちゃんがゆっくり渡ってる。路面電車は徐行します。おばあちゃんはこちらを見もせずに渡り終わりました。すごい、この路面電車、生活に近過ぎる。どっかの南の国みたい。

JR大塚駅を過ぎます。おあっ、なんかカーブが続き出した。普通の電車にはありえない急カーブ。路面電車は最徐行で曲がっていきます。踏切も増えてきた。あ、運転手さんがどこかに手を振った。僕が相手を見つける前に、路面電車は先に進みます。

線路は再び、道路と分かれて住宅の間を。んん、なんとも変化の多い旅。乗客がどんどん乗って降ります。高校生のグループ、赤ちゃん連れのママさんたち、ゆっくり歩くシニアの一団。僕の普段使う地下鉄と客層が全然違う。なんだかワクワクしてきた。

そうして路面電車は、この路線で一番のドラマを迎えたのです。それはJR王子駅。えぇっ?ちょっと何これ? 車線と路線が兼用になってる?! 道路の一車線の中に線路が敷かれています。普通に車と一緒に走ります。なんちゅうカオス! どこまでゆるいんだ都電荒川線!

そしてコーフン冷めやらぬ中で、いよいよ路面電車は雰囲気を醸し出してきたのです。

王子駅を過ぎると、街の様子は一変します。高いビルが消えて、街は一気に昭和の雰囲気をまといます。簡単な段差で車道と区切られただけの線路を、路面電車はゆったり走ります。シンプルな電線、ちょっと高くなって簡単な屋根があるだけの駅。レトロな街並み。生活。

区画整理の更地。ベランダのない古い二階建てのアパート。町工場の煙突。煤けた壁にたくさん並べられた植木鉢。シャッターの降りたお店。色褪せた金融業の看板。

面白いのは、町は決して寂れているわけじゃないところ。歩道を歩く人の姿が多い。家族づれ、学生も目立つ。そして新築の住宅や低層マンションもある。チェーンのドラッグストア、スーパー、コンビニ。色々な時間が混じり合って、一緒に動いている感じ。

公園のそばを過ぎます。コスモスが咲いてる。写真を撮ってるおじいさんがいます。あ、向こうにでかい観覧車を発見!

工場の間を行きます。高い壁にへばりつくように何本も立つセイタカアワダチソウの黄色。路地を歩いてる女子高生。いつの間にか車内の音が消えています。僕はずっと風景を見ています。ツル草に侵食された古い家。エアコンの室外機の上の鉢植え。洗濯物。錆びた鉄の螺旋階段。どんどん通り過ぎていきます。

あ、今、スカイツリーが見えた!

そうして路面電車はゆっくりと終点の三ノ輪橋駅に到着しました。正味50分ちょっとの旅。小さな駅はレトロな雰囲気に整備されて、電車を降りた道は自然と古いアーケードに続きます。ああ、ちょっと心惹かれる。けれど僕は同じ電車で来た道を戻らないといけません。夕方に歯医者を予約しているから。

後ろ髪を引かれつつ、先頭が入れ替わった同じ青い車両に乗ります。今度は窓際に立って、来た時と反対側の景色を楽しむつもり。

そうして路面電車は次第に乗客を増やしながら、たくさんの生活の間を走っていきます。遠くの空に同じ雲がもうずっと見えています。向かいのホーム、サングラスの老人がベンチに座り電車を待ってます。踏切で学生っぽいカップルが楽しそうに笑ってる。古い家と新しい家。とびとびの街路樹。アコムの赤い看板。いくつも電車の高架を潜ります。車道と並走して、住宅地を抜けて、再びビルの間の深い谷を進みます。

帰りは大塚駅で降りて、山手線に乗りました。

山手線はすごく広くて、つり革が高くて、シニアが全然いませんでした。映像広告をぼんやり見ながら僕は、何だかこの小さな冒険が本当だったのか信じられないような気持ちになりました。

ああ、すごかった。ちょっと、一回だけでは味わい切れない興奮。予想と全然違ったけど、またこの路面電車に乗ってみたいと思いました。ふう、大満足。

・・・

このドキドキを4コマにしようと思ったけど、絵にするにはまだ全然消化できていないのでした。なのでコンビニロボにも再登場願って、先週いただきました『イケメンかネコ』のリクエストに応えてみました! もちろんフィクションです笑。でもこんなドキドキもいつか味わってみたいよ。

・・・って、ごめんなさい。ご覧の通りイケメン見事に挫折しました。次は頑張りますね。ヨヨヨ。

(イケメン描くのってすんごい難しい。泣けてきます)

こんな具合でした。それではまた来週!

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