平安ファンタジー小説「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「四十八 円偉、憤る(一)」を投稿しました!
https://kakuyomu.jp/works/16816927860647624393/episodes/16816927861102422063円偉のアイデンティティは「学業優秀」なところです。
そして、佳卓に惚れこんでいるのも「自分と同じくらい優秀」だからです。
平安時代の大学寮については、「図書館の日本史 (ライブラリーぶっくす)」
(新藤透 2019)にも記述があります。
書籍がどういう風に保管され、誰にどう閲覧されていたかが書かれています。
なぜ学問を学ぶのかについて。
「科挙」について面白い解説を見かけました。
なんと、それは「アニオタwiki」。
この「科挙」の項目がやたら読み易いのです。
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/47515.htmlこのサイトによれば、科挙はなんのためにあるのかは以下の通り。
”「倫理を身につけ、それを行動や文書、裁判などによって模範として国民に示せるかどうか」、つまり「人間としての理想像」の「君子であるか否か」を問う。”
そして「君子」とは以下の条件を備えた人です。
”・高い倫理学(主に儒教の教え)を身につけている
・歴史を学んでおり、そこから教訓を得ている
・文章力がある
・人格円満で、正義感が強い”
これらの条件を備えているかどうかを測るために「経書」「韻文」「散文」が試験科目となっています。
初期にはそれ以外にも「法」(法律)、「算」(数学・計算力)「書」(書道)の試験もあったそうです。
しかし、これらは「管理職専門に現場実務力は必須ではない」とのことであまり重視されなかったとか(科挙は高級官吏を選ぶためのもので、実務は胥吏というノンキャリが回していたので)。
なお。
私は現在、これから中華後宮モノを書こうかと資料をあたっているのですが。
商売人を登場させようとしたところ、儒教国家では本当に地位が低かったそうですね
(今、タイトルもズバリ「中国商人」という本を読んでいます。曹 天生 著、 尾鷲 卓彦訳)。
封建制度では額に汗して生産活動をする農民が貴いのであって、品物を右から左へ動かす商人というのは全然評価されなかったそうです。
拙作でも、円偉と姫宮は反りが合いません。
円偉が追い求めている学識は「科挙」で高く評価されそうな項目ですが、商売人の街・錦濤で育った姫宮の思考はあくまで実務的です。
儒教的な徳に入れ込んでいる円偉にとっては、姫君の考え方は「つまらない」「くだらない」「低劣」だと感じられるのです。
今回の円偉は姫宮が口答えしたことを、平たく言えば「あのクソガキ!」と怒りまくっています。
憤怒にかられた円偉がどのような結論に至るのか。
それは、姫宮、翠令、竹の宮の姫君の生活をどう変えてしまうのか。
円偉の憤怒(一)(二)が終われば、第三部(最終です)となります。
どうか最後までご愛読たまわりますよう。
今回の写真……実は京都の有名大学として、京大か同志社大学の写真を掲載しようと思ったのですが……。
暑くて暑くて外出できません(泣)。
暫くの間、ウチにある大学入試問題集の画像を載せておきますw
涼しくなったら大学の写真を撮りに行きます。
秋頃から投稿予定の現代ものが京都の大学生たちを描くものですので、そのための画像が欲しいので……。
画像が手に入ったら差し替える予定です。
錦濤宮物語は8月1日現在、全89話中、第70話まで投稿しております。
もうしばらくの間、翠令達の物語にお付き合いいただければ幸いです。
どうか最後までご愛読くださいますよう。