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寝殿造によじ登る――平安ファンタジー小説「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「三十七」を投稿しました!

平安ファンタジー小説「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「三十七 白狼、姫君の苦境を知る」を投稿しました。

https://kakuyomu.jp/works/16816927860647624393/episodes/16816927860960781798 

今回は白狼が透渡廊から室内に飛び込みます。

この場面を書きながら「で。それって具体的にどんな感じ?」を知りたかった私。
ちょうど風俗博物館の展示に行ったので、その点からも写真を撮りました。
↓こちらに掲載しておきます。

風俗博物館(すごく時代考証が行き届いたドールハウス)の展示は優美な王朝文化を伝えるものですが。
私はこの展示を見ながら、こういう場所で、身長180センチくらいの、白人の血を引く筋肉マッチョな白狼がどう動くのかを考えておりました。

この風俗博物館の展示に加え、寝殿造の雰囲気を伝える京都の大覚寺や仁和寺の様子も加味してみますと。

高欄の最上部は、白狼の肩より少し高いくらいに来るかな、と。
反動をつけて片脚を振り上げて、床に片脚をつき、そしてそこからぐいっとよじ登ることができると想像しています。
なにせ元が盗賊ですので運動神経もいいはずです(という設定です)。

竹の宮の姫君は、﨟󠄀たけた=「洗練されていて美しい」「美しくて気品がある」美女です。
愛らしいというより、恐ろしいほど顔が整っており、男性が吸い込まれてしまうような不思議な磁力のような力がある高貴な女性……という感じです。

もっとも本人はそんな容貌に望んで生まれてきたわけではありません。
その美しさゆえに襲われた心の傷は癒えていないのです。

過去の忌まわしい記憶がフラッシュバックして激しい反応を示してしまう……今でいうPTSDですね。
姫君がこの心の傷を乗り越えていくのも拙作のテーマです。
(現実では、そう簡単にPTSDは癒えはしないものでしょう。「回復」の描写が楽観的だとお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、私としては現在お辛い方の何かを傷つけるつもりは全くありません。ただ、ファンタジーとして楽しんで頂ければと願っております)。

これから書いてまいりますが、「白狼が姫君を救う」という単純な構図ではありません。
白狼との出会いが大きなきっかけですが、姫君が自分自身で己の運命と闘い勝利する展開となります。そして、その場面が拙作のクライマックスシーンとなります。

どうか最後までご愛読くださいますよう。

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