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20「昭和14年11月、止まらぬ戦争、変わりゆく生活」補足


1.徴兵事務

 参考にしたのは次の書籍です。

 岡村安久さん『ふるさとの役場―戦前の体験記』(筑波書林)
 小沢真人・NHK取材班『赤紙 男たちはこうして戦場へ送られた』(創元社)

 臨時召集令状と充員召集令状が赤い紙だったことから、通称赤紙と呼ばれました。
 さらに俗に「一銭五厘」と呼ばれましたが、これは当時の郵便はがきの値段です。しかし、実際には郵便物ではなく、兵事係などが直接本人か、家族に手渡して交付したのです。

 充員召集令状の場合は、年度初めにすでに作られて警察署に保管されていたようです。
 動員する人を選ぶのは軍の方でしたが、その際に参考にしたのは村役場にある『在郷軍人名簿』でした。
 これには健康、技術、技能までが書いてあったためです。

 なお軍の機密事項で召集延期制度があり、国内のインフラ関係技術者などについて、連隊区司令部の方で工場ごとに延期者の人数枠を決め、工場にリストを提出させて、その人の在郷軍人名簿には「召延」のハンコを押したそうです。
 しかし、こういう人は都市部に多く、結果、農村に赤紙が集中したとか。

 また渡された時に、涙を流す者、不満を兵事係にぶつける者もいましたが、本人に不都合が無いように『動員日誌』には一様に「士気旺盛」と書いていたようです。

 
2.壮行会

 これの参考は、映画の『一枚のはがき』です。
 歌については『愛国行進曲』の方が良かったかもしれませんが、そっちは既に紹介しているので『海行かば』にしました。

 なお婦人団体には複数在り、性格も違います。
 それについては次の書籍を読みました。

 きく谷美規子さん『戦争を生きた女たち―証言・国防婦人会』

 探してみると岩波新書で藤井忠俊さん『国防婦人会―日の丸とカッポウ着』もあるようですが、そちらは見ていません。

 寄せ書き日章旗は、哀しいことに、西洋の認識として敵の旗を奪うのは英雄的行為というものがあり、書かれている文字の意味も分からなかったためと思われますが、戦利品として戦勝国に持ち去られてしまいました。

 近年、その返還運動をしてくださっている方がいらっしゃいます。
 それがオレゴン州アストリアで活動をしているOBON SOCIETYです。

 詳しくはこちらを。
「寄せ書き日の丸(日章旗)変換に込められた思いを知っていますか?」
http://noren3.com/column/obon-society1/

「米ネットオークションで「寄せ書き日の丸」が流通 戦後69年のなぜ」
https://dot.asahi.com/wa/2014081300038.html?page=1




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