Picrewのテイク式女キャラメーカーとはりねず版男子メーカーで作りました、『妖しいアイツが見えなくなるまで』の志保と木葉です。
絵が下手でもこうして自作のキャラの画像を作れるなんて嬉しいです。
作ったついでに、二人のショートストーリーも書いてみました。
よろしければご覧ください。
今日は浴衣を着て、木葉と待ち合わせ。二人で縁日に行くことになって、そしたら木葉が、「志保の浴衣姿が見たい」と言い出したからだ。
「気軽に言うけどさ、浴衣って着付けるのけっこう面倒なのよ」
「ごめんごめん。でも、面倒なのにちゃんと着てくれたんだ、ありがとう。可愛いよ」
「き、気安く可愛いとか言わないでよね!」
時々木葉はサラッとそういうことを言うけど、その度になんだかむず痒くなってくる。
「そんなことより、早く縁日行くよ」
妖怪である木葉は、縁日の開かれる神社の敷地そのものに入るのは難しいけれど、私達の目当てはその沿道にある屋台だから問題ない。
木葉は人間のお金を持たないから、こういう時は私がお金を出すのが定番なんだけど、今日はこんなことを言ってきた。
「今日は俺が全部奢るから、何でも好きなもの言ってよ」
「奢るって、あんたお金なんて持ってないんじゃ……えぇっ?」
見ると、木葉は懐から財布を取り出し、お札をヒラヒラとさせている。
「俺だって、いつまでもヒモや穀潰しみたいなことばかりやっとられないからね」
「それ、どうしたのよ。普通の人間には見えないのをいいことに猫ババしたの? それとも、妖術で葉っぱを変えた?」
「……志保、俺のことなんだと思ってるの」
ジトッとした目で見てくる木葉。い、嫌ね。本当にそんなこと思ってるわけないじゃない。
私は、ちゃんと木葉のこと信じてるわよ。
「祓い屋っていう、悪霊や人に悪さをする妖怪を退治の人達のところでバイトしたんだよ。幽霊も妖怪も同じオカルト属性だから、俺の力が役立つことも多くてね。続けていけば、ゆくゆくは正社員にだってなれるってさ」
「オカルト業界って、そういうシステムになってるの?」
常識で考えると、なんとも不思議な世界の話だ。まあ、私も妖怪が見える時点で常識がどうこう言う気はないけどね。
「というわけで、お金のことなら心配しないで。何か食べたいものある?」
「そうね。それじゃ、綿菓子とかき氷とリンゴ飴とイカ焼きとチョコバナナ」
「わあ、容赦ない。いいけど、そんなに食べてキツくならない?」
「いざとなったら浴衣の帯を緩めれば大丈夫よ。それとも、太るとでもいいたいの?」
もしそんなこと言ったら一発パンチをお見舞いしてやろう。そう思ったけど、木葉はあっさりと首を横にふった。
「別に太るとかはどうだっていいよ。俺なら、いつでも志保を抱きかかえられる自信があるからね」
「──っ!?」
力強く腕を見せる木葉。
このバカ、なに言ってるのよ!
カッと頬が熱くなって、何か言ってやろうかと思ったけど、それよりも先に木葉が私を抱え上げる。
「ほら、余裕だよ。それじゃ、このまま縁日会場までひとっ飛びしようか」
「ちょっ──ちょっとまちなさいよ!」
私が声をあげるのも聞かずに、木葉は背中に出現させた白い羽を羽ばたかせ、私ごと大空へと舞い上がる。
相変わらず、人の話を聞かないやつだ。奢らせるものにクレープも追加してやる。
そんなことを思いながらも、木葉に抱きかかえてもらいながら感じる風は、どこか心地よかった。
安定のバカップルです( ̄▽ ̄;)