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完成度

プロのアーティストのひとと話をすると、完成度ということをよく語ってくる。
完成度。
これがどういう概念であるか、理解するのはむずかしい気がする。
それはある意味余剰なものを削ぎ落とし、技術的なものを剥き出しにすることのようにも思う。

でも、小説に完成度なんてあるのかと思う。

笠井潔は論文を舞踏、小説を散歩になぞらえている。
完成度をもとめると、すべての動作を意識的にコントロールする舞踏になっていく。
しかし小説は、夢をみるように語る必要がある。
無意識の層にアクセスして無意識のなにものかをひきだし語る必要がある。
だから小説に完成度を求めるのは、危険な行為だと思えるのだ。

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