おろかなにんげんどもの皆さん、ごきげんよう。
ときてっとですわ。
「虫屋ときつね」も物語が進んで、ゲンマ様、イヨちゃん、そしてうずちゃんのファミリーにスオウ、ウイキョウ、ヒスイの妖怪(怪獣?)娘達が仲間に加わり賑やかになってきましたわね!
蜘蛛だけに手先が器用なスオウに、蛇の癖にお喋り大好きな双子姉妹と言うキャラ付け、なかなか面白いんじゃないかしらってわたくし思っておりますのよ。
そして物語の定型も見えてきましたわね!
そう、「虫屋ときつね」はゲンマ様とうずちゃんコンビが虫捕りの冒険に赴き、イヨちゃんサイドはお留守番でドラマが進行してゆくのが基本ですわ!
勿論、この役割分担はしばしば崩れ、変化球となる回もあるワケですけれど……それはあんまり話しちゃうとつまらないですものねっ。
更新中の本編と先行公開の形となるゲーム版をご覧になってくださいまし。
さて、第4話のお留守番ではイヨちゃんが蝶の人工交配で遊びながら、お兄様との睦言を夢見てロマンチックですわね!
玉匣兄妹が番う事は呪いによって宿命づけられており、彼らを取り巻く妖異達はこれを肯定する応援団と言ったところ。
イヨちゃんはこの運命を受け入れつつお兄様にぞっこんラブな一方、ゲンマ様は妹に自由な恋をさせたいと言ってやや抵抗がありながらも妹大好きと言うのがこの物語における「恋愛」と言う事が此処までで示されていますわ。
兄妹の背景が昆虫や標本箱、様々なモチーフと重なる事で物語に面白味と奥行きが生まれる訳ですけれど……
4話でイヨちゃんは、人間が近親恋愛を忌諱するのは社会性に重きを置いている為で、動物達は別に問題にしていない、と言うような事を考えて、自分とお兄様との恋愛を肯定していますわね!
けど、これって本当の事でしょうか?
そもそも動物は別に人間のように「恋愛」して番うワケでは無いので、合っていると言えば合っていますわね。
でも、勿論動物にだって近親交配を避ける仕組みがございます。
例えばおろかなにんげんどもの皆さんも大好きなライオンさん!
ライオンさんはネコ科動物の中でも唯一群れで暮らす事で知られる社会性を持った動物ですわ。
この群れはプライドと呼ばれ、ほぼ血縁関係にあるメスとその子供達で構成された母系社会ですの。
オスは群れに顔を出したり出ていったりと、一か所に留まらないのは、近親間の交尾を避け、遺伝的多様性を保つ仕組みでもあるのかもしれませんわね。
おろかなにんげんどもの皆さんに近い動物では、同じ霊長類のチンパンジーは、逆にオスを主体とした群れを形成します。
オスが放浪するライオンとは逆に、性成熟したメスの方が群れを離れて別の群れに移る事があり、やはり結果的に近親交配を避けていると見る事も出来る。
どうしてそうするのか、動物さんに尋ねてみたわけでは無いので真相は不明ですけれど、そうした方が生存に有利だったために、脈々とこうした仕組みが受け継がれてきた。
こういう事じゃないかしら。
「虫屋ときつね」において兄妹の恋愛に肯定的なのは、それが彼らの主観だからですわ。
もし、兄妹に敵対する勢力が現れたなら……その敵は兄妹の恋を否定し、引き裂こうとする相手かもしれませんわね。
わたくし、一応先の事も考えておりますのよ!
尤も、現在公開しているゲーム版「2」までのストーリーでは、まだ敵対勢力らしきものは影も形もなく、兄妹の仲は深まってゆくばかりですけれど……。
続く第5話はゲーム版第一作「たかひひる妖異伝」収録話数のうち、ハイライト的一話。
少年漫画的な熱い回となっておりますわ!
この作品、ゲンマ様とうずちゃんのカラっとした潔い関係と振る舞いも見所ですのね!
第5話で生れた因縁は、ゲーム版第二作「薄明に刃燃ゆ」にも繋がっていきますわよ!
と言う事でゲーム版もよろしくですわ~っ!
参考リンク
https://tokiteto.chu.jp/musiya_to_kitune_top.htm