第31章の舞台となりますトリス街市場の図になります。
オーヴァンの時代に市場の区画整理があり、扱う商品ごとにエリア分けをした経緯があります。
元々は早い者勝ち的な場所取り合戦だったけれど、争いが絶えないのでオーヴァンが市場改革に乗り出した感じです。
その当時はウリヤ人の区画が無いワケですが、ウリヤ人に商売の機会と場所を提供したのはロナルドの父である国商アーノルド・ウォルター。
市場の管理運営は商業ギルドとトリス街政庁が共同出資して設立した市場ギルドが行う。
市場ギルドの主な仕事は、場所代の請求、区画整理、市場内の治安及び衛生状況の維持など。
月に一度、各区画長、市場ギルド、政庁、商人ギルドから一名ずつ参集し市場会議が開催される。
以下は区画ごとの特徴。
・大森林近郊の集落……大森林区画
大森林とその近郊で生産された農作物や手工芸品など。
狩猟による獣肉や魚介類、採取や栽培された薬草など多種多様な商品がある。
季節ごとに扱う商品が激変するので、トリス街市場の中でも高い人気を誇る。
トリス街で使われる歯木は100%この区画で販売されたもの。
・トリス街近郊の集落……農作物区画
トリス街近郊で収穫された農作物が主な商品。
農閑期は手工芸品などを売る店もあるが、大森林区画の物より品質が劣るため人気薄。
乾物、香辛料、茶や灰汁などもこの区画で販売。
大森林区画に対抗して年々多種多様傾向にある。
・トリス街近郊の集落……畜肉区画
トリス街近郊の畜産物および魚介類が主な商品。
イセリア文明圏では古くから養鶏が盛んで、トリス街近郊でも養鶏を営む集落が多い。
イリース川で魚を釣りそのまま市場に売りに来る子供らもちらほら。
畜肉区画は人気があるため市場通りの大混雑の原因となり、それが芙蓉大通りの大混雑に繋がっている。
・トリス街近郊の集落……手工芸品区画
名目はトリス街近郊となっているが、殆どがトリス街で造られた製品を扱っている。
主に、鍛冶区と職人区で生産されたもので、その殆どが日用品。
包丁、布製の袋、衣服類など。
・ウリヤ人由来の商品……ウリヤ区画
ウリヤ文化圏からの交易品や、ウリヤ人集落なので生産したものを扱う。
香辛料やアラックが主力。
ウリヤ人特有の一枚布の巻きスカートなども売れ筋。
大体こんな感じです。
詳細は本編でココルが説明します。
