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葉二と呼ばれる笛

平安時代中期の公卿、源博雅といえば、ちょっと平安時代好きの人であればピンとくるはずな人物である。
醍醐天皇の孫であり、臣籍降下して源氏となった男で雅楽の名手。それが源博雅だった。

源博雅についての話というのは、それほど残されてはいない。
藤原実資の小右記では「博雅の如きは文筆・管絃者なり。ただし、天下懈怠の白物(しれもの)なり」と書かれており、文筆と管弦については達者であるが、それ以外は全然ダメな男的な評価をされている。あとは酒豪だったとか……。
博雅、いいところなしじゃん。ただのボンボンじゃん。

他には、博雅については能の「蝉丸」に登場するくらいだ。
蝉丸は醍醐天皇の息子であるので、博雅からすると叔父に当たる人物だった。

そんな源博雅を現代で有名にしたのは、紛れもなく夢枕獏先生だろう。
小説「陰陽師」で安倍晴明のパートナーとして源博雅を登用し、頼れる公卿みたいな感じで描かれている。
「ゆこう」
「ゆこう」
それだけで表現できる二人の関係。もう素晴らしいですよね。

そんな源博雅が愛用していたとされる伝説の笛が「葉二(はふたつ)」なのです。
なぜ伝説なのかといえば、この笛は朱雀門の鬼から譲り受けたものとされているためであり、実在していたかどうかすらも怪しい代物だったり……。
博雅が手放してからは、藤原道長が所有していたということになっております。

さて、ここまで平安時代解説をしてきましたが、なぜこんなことを書いているのかといえば、小説の宣伝のためです。
もう、私のことをよくご存知の皆様はわかっておられますよね。
私が近況ノートを書くという時は、大抵宣伝なのです。

はい。平安時代中期に活躍した陰陽師の安倍晴明を主人公に、リアルな安倍晴明像に迫った小説「SEIMEI ~星を詠みし者~」の第三章第一話が完結しました。
その後報告です。
今回は「葉二」を巡る物語なのです。実は、第一章第一話(はじまりの話)でも「葉二」に関する物語を書いていて、そこの伏線回収というわけではありませんが、その後の「葉二」といった感じの物語を書いております。
もしご興味があれば、お読みいただけると嬉しいです。

SEIMEI ~星を詠みし者~
https://kakuyomu.jp/works/16818093076400623453

気づいたら144,660文字の長編小説となっておりました。

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