フォロー機能を活用しよう

カクヨムに登録して、お気に入り作者の活動を追いかけよう!

アカウントをお持ちの方はログイン

 こんばんは。

 本日、日常幻想譚「スキマノイカイ」完結いたしました!!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883945854

 ご声援ありがとうございました!!m(_ _"m)

 さて、あとがきというか、総括的なものを。

 この物語の主人公、宇留間和可菜(うるまわかな)さんは、28歳という設定。
 マニアック路線で一部では有名な出版社の編集者さんですが、いかんせんこの出版不況、会社の経営は苦しく、彼女は今後の身の振り方に悩んでいる……という状況です。

 割と疲れた大人というか、都内にいそうな感じ……だと思います。

 そんな彼女が、夜も遅い帰り道、頭上から降ってきた羽を拾うところから物語は始まります。
 きれいな羽拾っちゃったーとちょっとだけテンションが上がったと思いきや、いきなり目の前に空間の亀裂が。
 そして向こう側に異界がのぞき、そこから不気味な怪物が這い出してきます。
 襲い掛かられて驚いた表紙に、和可菜の持っている羽は、なぜか異世界的な銃にと変じます。
 それであっという間にバケモノどもを片付ける和可菜。
 その遺骸は空気に溶けて消えます。
 まあ、呆然としますよね。
 問答無用の巻き込まれ型オープニングです。

 さて、和可菜を救った羽は、なぜかアクセサリー(ペンダント)にもなるという不思議な高性能さを発揮します。
 和可菜は、それを身に着けて――また、ああいうバケモノに襲われたらどうしよう……というまっとうな心配ですね――職場に出勤します。
 なんでもない一日かと思いきや、いきなり、彼女に来客が。

 今を時めく人気作家、兼西零(かねにしれい)が、なぜか突然和可菜を訪ねてきます。

 若いとはいえ作品は映画化、海外で封切り、というノリにノッてる大先生が、弱小出版社の、特に有名でもない一介の編集者にアポなしで会いに来るとは、なんとも奇怪な事態です。
 何事かと思った和可菜に、零は正体を現します。
 上半身は美男、下半身は大蛇、そして背中に翼、という、キメラ的人外である彼は、自分を「妖魔(ようま)」だと名乗ります。
 そして、和可菜に、その羽、霊羽(れいう)が変じた霊器(れいき)、つまりあのきらめく銃を使って、異界から侵入してくる「ケガレ」……つまり、異界の害虫的存在を倒す使命を告げます。

 その霊羽を彼女に授けたのは、零の属する妖魔の系統の祖に当たる波重姫(なみかさねひめ)という偉大な妖魔で、彼女は今封印されている。
 和可菜にその封印を解いてほしいのだ、と。

 ここで、ちょっと裏設定の公開です。
 我々が唯一の現実の世界だと思っているこの「現世」と、零たち妖魔や、ケガレが元々属していた「異界」は、一定周期で近くなったり遠くなったりします。
 互いを重力でとらえ合って、互いの周囲を回り合う、「連星」なんかを連想してもらうとイメージしやすいかと思います。
 一定の軌道があって、近づく場合と遠ざかる場合があるのですね。
 で、今まで遠ざかっていたものが、近年になって近づく周期に入り、妖魔やケガレばかりか「異界」そのものも、「現世」に入りこみやすくなっているのです。

 遠い昔に封印された波重姫は、この機に封印を解いてもらおうというのですね。
 なぜ、わざわざ現世と異界が近づく時期を待ったかと申しますと、
「波重姫の封印は、人間でなければ解けない」
 という制約があるからです。

 和可菜がその霊羽を使いこなしていき、波重姫や「異界」そのものとシンクロを深くしていけば、そのうちに波重姫を封印してある「異界」の領域に到達できる。
 そういう理由がありました。

 かくして、和可菜は妖魔である零をパートナーに、夜な夜な「異界」に出かけてはケガレ退治をするヒーローぽい日々をおくることになる訳です。
 RPGの序盤みたいですね、これ。
 そういうイメージで執筆してましたけど。

 しかし、ヒーローに妨害はつきもので。

 あるとき、和可菜と零は、夜道でいきなり警官に職務質問を受けます。
 異界が口を開いているのに、普通の人間が……やばい、と思いきや、いきなりその警官は、霊器と思しい刀型の武器を構えて襲い掛かってきます。
 零が和可菜に代わってその一太刀を受け止めますが、その目を離した一瞬の隙を突かれて、和可菜は妖精ぽい見た目――蝶の翅と触角のある――美少女妖魔に殺されてしまいます。

 どうも、その二人を差し向けたのは「亜血殻王(あちがらおう)」という大妖魔らしいのです。
 この人こそ、波重姫を封印した張本人です。
 宿敵の封印解除を妨げるべく、和可菜を殺したのですね。

 いや、主人公は死んでますけど、そこはそれ、仕掛けがある訳で。
 数か月もすると、書店に兼西零の新刊が並びます。
 和可菜を葬った霊器使いである度会修哉(わたらいしゅうや)は
「ははは、あんなことがあったのに、人気作家はつらいなぁ~~~……ん???」
 となります。
 なんとなれば、本の奥付に「編集 宇留間和可菜」の名前が!!

 そんな馬鹿な。
 死んだはず!?

 慌てて相棒の美少女妖魔、「天虫(あまむし)」と共に異界に出向く修哉ですが、そこで驚きの事実が。

 ええと、修哉くんとしては、警察官な訳です。
 それなりに、正義感は強いわけですね。
 そんな彼が亜血殻王に与して、人殺しにまで手を染めた理由は、
「波重姫が異界も現世も支配しようとしている、貪欲で残忍な妖魔だからだ」
 と、かつて彼女と戦った亜血殻王に聞いていたからです。
 そこはまあ、止めますよね。

 しかし、すでに和可菜の手によって復活していた波重姫さんは、ごくまともな穏健派妖魔でした。
 特に支配とか考えてなくて、異界と現世のバランスを考えているといいます。

 なんであんたは生きてるのと詰め寄る美少女妖魔、天虫ちゃんに、和可菜は
「私の霊器は、余分の命を供給する機能があるんだ!! ゴメンネ!!」
 と種明かし。

 自分たちがやってきたことってぇ~~~と頭を抱える両名を横目に、和可菜は、約束されていた通り、波重姫にある願い事を。

 それは
「このままずっと、二つの世界に関われるようにして!!」
 というものでした。
「ヒーローって、やってみたかったんだよねえ~なにかとオトクだし」
 と。
 かくして、和可菜は今後も二つの世界を股にかけて冒険することになったのです!?

 ええと、最後ですが。
 和可菜がモデルの小説が零の手によって書かれ、それを敵対関係を解消した修哉に献本したりしてますぞ。
 ちなみに和可菜の出版社、某大手出版社に吸収されて存続、というめでたしめでたしの形に。
 この大手出版社さんってK〇DOKAWAさんでは……というのは、想像にお任せしますw
 そして、修哉の口から
「零とおめえが交際してるの、週刊誌にすっぱ抜かれてたろ?」
 と指摘などされ。
 冒険心も経済的基盤も、そして恋愛も手に入れて、充実した生活の和可菜の一言で、ENDでした。

 なかなか現代人の夢を詰め込んだ感じで書いてみましたが、ここまでの筋がお気にめしましたら、是非とも本編もお読みいただけたら幸いです!!

スキマノイカイ
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883945854