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 こんばんは。

「世界は骰子と遊戯盤」番外編
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883191567
 第三話の、かくどんで掲載した一部抜粋のまとめです。
 予告編ですが、もしご興味が湧きましたら是非本編もお読みになって下さいませ。

 ちなみに、第三話のタイトルですが
「刃と弾丸は愛に溺れる」
 に決定いたしました。
 らぶとばいおれんす。


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「ふん。あやつめ、助かったのかや」

 露骨に嘲るように、その鮮やかな金髪の女性が吐き捨てた。

「わらわがいるべき場所に、いい気になって収まり返っておるあの出来損ないめが。下らぬ命を長らえたの。しかし、例のあれは、対抗手段が極めて限られているのではなかったかえ? 何故失敗なぞ?」

 青と白、金色の壁紙で飾られた上品な部屋《サロン》は、午後の濃い光で満たされている。
 明らかに貴族の邸宅の一室であるその部屋には、四人の男女の姿がある。

 一人は、赤みがかった豪奢な金髪を結い上げた貴婦人だ。
 鮮やかな緑の絹地に、金色のモールとフリルを飾り付けたドレス、五連の真珠のチョーカーが、グラマラスな長身を引き立てる。
 何より驚くべきはその目鼻だろう。
 見た者のうち、十人中九人は、この国の女帝アンネリーゼとの血縁を指摘するはずだ。
 そのくらいに似ていた。

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 ――ねえ、聞いた? シャイリーン様とエンシェンラーゼン様のこと?
 ――ああ、聞いたどころか見たわよ!! 廊下でキスしてるの!!
 ――私は、宮殿の中庭で抱き合ってるのを……。
 ――夜のお部屋の前を通りかかると、その、声が……。
 ――全く、この大事な時に、上級メイドと女帝付き護衛士が、何をやってるんだ?
 ――ほんとよねえ。呆けすぎよ。
 ――エンシェンラーゼンって人はまだしも、まさかシャイリーン様が……。
 ――あの人も女だったってことなんだろう。あれだけの美男には逆らえねえのさ。

 ルフィーニル宮殿に、そんな噂が流れているのを、シャイリーンはわずかに忸怩たる気持ちと、それに数倍するしてやったりの気分で聞いていた。

 これでいい。
 これでいいのだ。

 それは分かっている、のだが。

「よう!! シャイリーン!!」

 唐突に廊下で声をかけられて、ついでに腰の後ろというか尻というか……を、ぽんと叩かれた。
 よっぽど鈍い人でも、見ればその両者がどういう関係か気付きそうな、人前でやるには「親しすぎる」仕草。

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「我が王錫よ!!」

 立ち上がったアンネリーゼの手の中には、輝く真紅の宝玉を戴いた王錫があった。

「我が戦人《いくさびと》に力と護りを与えたまえ!!」

 《《それ》》が何を意味するのか、恐らく蠢く影のように執務室内に侵入してきた悪夢《ナイトメア》型魔法生物には判断できなかったに違いない。

 よほど万全を期したのか、五体ほどもいる。
 いずれも、ごく普通の従僕型魔法生物《サーヴァント》に偽装したものだが、今回は前回の反省を踏まえたようだ。
 手に手に、射出型の武器、つまり銃器を備えている。

 アンネリーゼは知っていた。
 例えある魔法の対抗型魔法を展開していたところで、武器に魔法を乗せてその武器で肉体を傷付ければ、対抗魔法を突き破って効力を発揮する可能性がある。

 無論、アンネリーゼが人間族ということを考えれば、武器で肉体を傷付けた時点で、魔法を無効化するまでもなく、彼女の生命は終わりである。
 どんなに強大な権威も権力も、肉体そのものを強化してくれる訳ではない。

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 落ち着いた客間に入ってきたのは、杖をつき、足をひきずった年配の男性だった。
 元々から大柄で、鍛えてもいたのだろう。
 だが、その体つきは、長年の障害でバランスの悪いものになっている。
 最近導入したのであろう、若者の姿の従僕型魔法生物《サーヴァント》に手を引かれ、彼はゆっくり、シャイリーンとエンシェンラーゼンの座っているテーブルへと近付いてきた。
 青みがかった緑の目が、シャイリーンとの血縁を感じさせる要素だ。

「かようにお見苦しくて申し訳ない」

 メイドの引いた椅子に座りながら、その男性は改めてシャイリーンとエンシェンラーゼンに向き合った。
 エンシェンラーゼンが、痛ましそうな目で自分を見ているのを、むしろ面白がっているようだ。

「女帝陛下からも、医療費及び旅費は全額国が負担するから、メイダルで最新鋭の医療を受けて健康体になるように仰せつかったのだが。その前に、君と娘に会うのが先だと思ったのだよ、エンシェンラーゼンくん」

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 以上で全エピソードからの抜粋終了。
 全体的にらぶらぶな話です。
 宮廷陰謀撃もらぶで撃沈!?
 どういうことかは今後公開される第三話でお楽しみ下さい!!