祥之るう子

水上道哉《みずがみみちや》は岸絵里《きしえり》のことがずっと好きだった。 いくつもの不幸が重なって、彼女は福井の実家に引きこもった。 だから彼は心を決めて彼女に会いに行く。 その…

西宮杏耶《にしのみやあや》は社会人一年生。今日は合コンの日。 腐れ縁の巽陽介《たつみようすけ》は妹の杏耶《麻耶》の恋人。 二人で幹事の合コンがある。そんな朝におでこにニキビを見つ…

帰り道に降り出した梅雨の大雨、雨宿りに立ち寄ったビルで僕は、三年前に別れた君と遭遇する。 ☆エブリスタ妄想コン「やまない雨」参加作品。

　アンドロイドを製造するAIC株式会社の若きエリート、石黒聡（いしぐろ　さとし）。ある朝のこと、彼は世話役の女性型アンドロイドから、突然襲撃される。 　やがて、自らをバグと名乗る…

　高圧電線の鉄塔が景色を横切っていく。そんな光景の意味を考え、この情緒を感じることは、人類の敗北でもあり、また希望でもある。一匹の白猫が、ガードレールを器用に飛び越え、そして視界…

この夏はもうコロナ無しでは語れないのだ。 休校期間が伸びた高校生二人のほんの短い青春ワンカット小説。

三条京阪駅前の自動販売機でカフェラテを買おうとしたら、隣には白銀の甲冑を身につけた姫騎士が居たんですが！？ ちょっぴり変わった、青春ワンページお仕事観短編 クラフトボス　ライ…

男が喋るのはある宗教勧誘の話。

水瀬郁人は鮎川舞のことが好きだ。ある夏の日、鮎川が生徒会長の夏目彰久と交際しだしたという噂を耳にする。河原で凹む郁人の前に『時と運命』の女神ウルドが現れる。ウルドは言う、彼女にか…

遥かな未来。生存圏を太陽系の様々な惑星や衛星に広げた人類。その一つ、木星の衛星エウロパに一人の少女が住んでいた。彼女は市民センターにやってきては語る。僕らの未来は夢に溢れ、華やい…

男の生活は荒んでいた。パチンコ、子どもへ恐喝、アルコール中毒。気づけばUターンできない場所に立っていた。

美波（みなみ）と智樹（ともき）の付き合いはもう五年以上になる。今日は就職して東京で暮らす智樹が一日だけ戻って来る日。ストーブで暖められた仁沢駅の待合室で美波は彼のことを待っている…

エッセイです。令和元年、あむごろーの妹ちゃんが生まれました。 KAC終了後には、もともと連載しているエッセイの方に組み込み、こちらの小説自体は抹消する予定です。

いつも通り、ただただ書きたいものを書いた、甘くて楽しい会話劇です。 ※カクヨム四周年記念　短編企画　テーマ【最高のお祭り】

その部屋にいる子どもは｢家族｣を築いていた。誰も知らない部屋で愛を知らない子ども達は花火を見る。

花祭りの四月八日。私は、このお釈迦様の誕生日を誰より待ち遠しく思っている。

大学四年生の幹大（みきひろ）は彼女の加奈（かな）と街のお祭り「垂木祭（たるきまつり）」に繰り出す。 高校時代の想い出が蘇り、二人はやがて一歩を踏み出す。 青春大学生小説。短編。…

イェリエルの街を統治するイェール公爵邸を訪れた、放浪の賢者レイン。 四年に一度の宗教儀式『イェリエルの空』が始まる。 そこで、持ちかけられた相談は、その生贄となる娘アリシアの命を…

四年に一度、あたしはパパとデートする。

女子高生殺人事件。容疑者として浮上したのは情報工学の教授だった。 五〇代の巡査部長・梶原輝行と、二〇代の巡査・岸幾人は大学の教授室を訪問する。 容疑者は北峰譲太郎教授。梶原は証拠…

ボーカルグループの夏合宿。「VOX FESTA」出演を掛けたオーディションが始まる。 光岡俊之は恋人でバンドのメインボーカルの藤井夕貴と共に、山間の音楽堂に夏合宿でやってきてい…

結城美也《ゆうきみや》と僕――山崎陸《やまざきりく》は親しい友達。幼馴染でも腐れ縁でもなくて、ましてや恋人同士なんかじゃないけれど。 陸は中学生の時から美也のことが好きだった。二…

月面都市ネオジャパンが舞台。研究開発機構アナルハイル社の上級研究員ユキト・スメラギは恋人のエリカ・ディードライトに結婚を迫られていた。月面都市のカフェテラスでユキトは自らの思い…

「あのね、大事なビジネ……大事な話があるの」 片思いの相手、高宮 朱莉(たかみや あかり)に放課後呼び出された高校2年生の知尾井 暁(ちおい あきら)。 告白されるかと思って期待…

転勤する父親とともに、長崎を訪れる引きこもり気味の主人公、大輝。 後ろめたさのなか学校をさぼっていると、地方の名士、とき子の孫娘である芽衣と出会う。 長崎を彼女に連れまわされなが…

新年早々、三条尊道《さんじょうたかみち》はプロポーズをする。相手は、御池《おいけ》ゆうき。三ヶ月前に出会った同い年の女性だ。自分の、決して清らかではなかった女性関係を振り返り、尊…

無差別テロや怪物が横行する現代日本、東京。 その中に独り悲しくも戦う一人の戦士がいた。 その名は「０３(ゼロサン)」・・・

竹井結衣《たけいゆい》は高校２年生。修学旅行の途中に立ち寄った鍾乳洞で、班のメンバーとはぐれてしまう。その時突然鍾乳洞の中で停電が起きて、真っ暗な洞窟のなかで取り残されてしまう。…

《凪乃組リレー小説　第二弾》今からきっかり１００年後の未来――西暦２１１９年。世界は「陸」と「海」に二分され、争いは続いていた。高度な科学技術の文明社会を維持するものの、資源の枯…

「ごめん、菜子。他に、好きな人ができた。別れてほしい」 　二年間付き合っていた彼氏に、あっけなく振られた。 「そっか。私なら大丈夫だから、気負わないで。一真、二年間すごく楽し…

『このライトノベルがすごい！2019』（宝島社 刊）で、史上初のダブル１位を獲得！　※文庫部門【新作・総合】 第24回電撃小説大賞でもっとも「ぶっ飛んでる」と言われた傑作冒険ファ…

彼女は俺に言った。 このすき焼きを食べることで、私はヒクソンにも勝てるようになると。 俺は彼女の言葉を信じ、彼女が犯してしまった罪を共に背負い、その他人には理解されない心の全てを…

ＡＩ関係の研究所に勤める三津井さんは美貌の若手研究者。でも、後輩の水沢くんが絶好調な中、この一年間、伸び悩んでいる。そんな中、著名学会《トップカンファレンス》の論文採択結果が発表…

「ねえ、咲。あたし、間嶋くんのこと、好きになっちゃったかも」 　全ては、親友の橋本　美月による突然のカミングアウトから始まった。 　カクヨム甲子園「きのう、失恋した」応募作。

夏期休暇中のプール開放日。生徒会長の僕は副会長の水沢くんとクーラーの効いた生徒会室で待機中。そこに届けられた女性物と男性物の水着。誰かの忘れ物。 僕は無性にその『女性物の水着』を…

　主人公の和樹は大学生時代に香奈子に一目惚れして、付き合い始めた。 　仲の良い二人だったが、就職活動や卒業研究の忙しさの中ですれ違い、別れてしまう。 　「婚約指輪は青いサファイア…

　豪農の家系に産まれた川上弥兵衛（かわかみ　やへえ）は、幼くして父を亡くし僅か齢七歳で家督を継ぐ。その身の上から母は縁談をしきりに立てていたが、本人はあまり気が進まなかった。やが…

私（美帆子）が彼（幹生）とスタバで結婚式について打ち合わせて居た時に、彼が言い出した言葉は「ごめん。俺、もう、タピオカしか愛せないみたいなんだ……」で、意味がわかんない。 結婚秒…

よく晴れた日に、少女は隣の家の屋根に傘をさして立っていて、僕はそれをベランダから眺める。 ☆エブリスタにも掲載　三行から参加できる 超・妄想コンテスト 第103回「傘」参加作品

暁（あきら）に買い物をおねだりする朱莉（あかり）　さて、買ってあげるのかな……？

ある平日、ロジャー・ブライトが三時のおやつとして食べた娼婦は、思いの外、豊かな味わいを彼に与えた。その娼婦を抱いている間、灰色だった男の日常は七色に輝いていた。 舞台は停滞感が…

やったー！　KACマラソン、終わったァァァ！！！！ めっちゃ疲れた。社会人が働きながらこのスケジュールで短編書き続けるとか、マジ、大変だから。 マジ、お仕事関係各位にご迷惑かけな…

村瀬楓子はカフェでタブレットに向き合っていた。剣崎新を待たせながら。 出会った二人はまだ恋人同士じゃなくて。 不意に訪れる三周年を――あなたと。 ☆カクヨム3周年記念選手権【8…

自首する旨の電話をかけた。 三分で来てくれるらしい。 その最後の三分間で何をしようか。 ぬるみきった空気に押され口をついて出てきたのは、ある一言だった。 「なあ、俺さ、聞こうと…

里井幸哉は大学生時代の仲良しグループで、オフシーズンのリゾートホテルにやってきていた。 昔話に花を咲かせた一夜を終えて、プールサイドで一人座る幸哉。心の中に青春の思い出が去来する…

僕らの間にはルールが横たわる。それは神様が作ったルール。それは人が作ったルール。それは僕が作ったルール。ルールはどこにでもある。ルールはいくらでもある。だから――アンチ・ルール。…

二一〇〇年の春。大和タケルは、一年振りに会ったアーレンス遥に恋文《ラブレター》を手渡す。 彼女の瞳から流れる涙。これは、その恋文《ラブレター》までにたどり着くまでに人類が要した、…

もうじき夜になる。 少女は明日を見つめ悲しむ。 そこへ一匹の馬がやってきた。

都心に立つ分譲マンション『アーバンハイツ日吉ヶ丘』の一階にある集会所。 大規模修繕委員会は業者選定の重要なフェーズを迎えていた。 しかし、委員の大半が欠席し、何故か、僕と水前寺京…