聲すら届かぬ「君」を求め、喪失と記憶の闇をさ迷う十首の連作短歌。 現と幽、愛と怖れが静かに交錯する、幽玄なるホラーの詩篇。

面影さえ霞む淵にて、忘却の哀しみを彷徨う、返歌。 記憶の彼方、静かに消えゆく想いを描く、孤絶のホラー短歌。

連載中の『よみかえり』をテーマに、 ひらがな140字小説に挑戦したものです。 140字って多そうで少ないですね。

蓄音機の針が奏でる、微かに滲む幽かな調べ。 氷のように冷たい肌、沈黙の香り、揺れる衣の裾。 夢と現のあわいは、舞踏の中で静かに溶けていく。 月影と深海が交わる場所で結ばれた、ただ…

月が裂け、灰が降り積もる死の森。 そこに、ひとりの魔女と、拾われた赤子がいた。 灰の中で育った子は命の「芽（バド）」と名づけられ、やがて少年となる。 けれどその成長は、世界の再生…