青月クロエ

【2024年5月15日富士見L文庫より刊行】 　明治時代の吉原。娼妓見習いである千早は、ある日、売り飛ばされかけてそれまで育った見世を逃げ出す。とはいえ世間知らずの身に行く宛も…

※自主企画 『筆致は物語を超えるか【葉桜の君に】』参加作品です。 自主企画内容を確認してからお読みいただくことをお勧めします。 中学校教師の秋田葉太は、かつて恋人と死別していた…

人も神も穢れを嫌うと言いますが、生まれて間もない儚き赤子を、お産で力を尽くした母を、穢れを恐れず悪しきモノから守る唯一の女神様がおりました。 時は江戸時代末期。とある村で相次ぐ…

　吉原遊郭の振袖新造、さらさは姉貴分の唐織（からおり）花魁とその情人の清兵衛に憧れていた。唐織が身請けされた後、姉に代わって清兵衛に通われるのがさらさの夢だった。 　遊女が囁く愛…

　今は昔のそのむかし。河内の国に生まれたとある若君は、姫君として育てられました。やがて若君は数奇な運命の下、大きな鉢を被ったまま彷徨うこととなり——。 　何故鉢をかぶせられたの…

社会人三年目の春を迎えた俺は、通勤の電車で乗り合わせる女性が、Web小説家・水無月杏理だと知ってしまう。彼女の大ファンの俺は、奇跡のような巡り合わせを喜んだが、彼女は次第に小説を…

不真面目に生きたかった男の話。 第五回こむら川朗読小説大賞参加作です。 お題：「男性の一人称」 関西弁エアプなので気になる箇所がありましたらご指摘ください。

小さな頃から幽霊が視えるボクは、ある日、不思議なお兄さんに出会った。

父王の崩御にともない戴冠した若き女王・クローディア。 彼女は異国の外交官であるギルランドと逢瀬を重ねていたが、即位にともない別れを告げる。 誰に知られることもなく終わりを迎えるは…

『眼球図鑑』は、不可思議な瞳について書かれていた。 私はページを手繰りながら、美しい瞳を箱に並べる青年に、その秘密を問うた。 ※自主企画「第一回 こんな小説を書いてみよう」の参加…

【因仍（いんじょう）】相つぐ。従来のしきたりによる、の意。 よって(因って・仍って) 件の如し 「そこで前記記載の通りである」「前に(右に)述べたとおりである」の意。書状、証…

風化した建物の一室。 机の上に、開かれて置かれた一枚の手紙。 KAC2020。あんまり怖くないホラー風味の短編。1600文字ほど。 お題【拡散する種】 とりいとうか様より、…

陸奥（みちのく）の国のとある山奥。 年老いた一人の樵が、或る雪の降る夜に不思議な少女「たるひ」の住む小屋を訪ねてきたという。 【公式自主企画】怪談・都市伝説・昔話の二次創作大…

『旧校舎三階の一年一組には、幽霊が棲んでいる。幽霊に気に入られると黄泉の国へ連れていかれるという噂があり、中学生達が肝試しを行った……』 夏休みの夜。中学一年生の千秋は、クラスメ…

魔王を討った勇者の息子は、ある夜、父に連れられて城の外に出る。 第五回こむら川朗読小説大賞参加作です。 お題：「男性の一人称」

竜を狩る事を生業とする竜追いの八神は、独りきりになったイサナを連れていくことになる。 取り返しのつかない行いと、失くしてしまったそれまでの生き方。多くのものを背負い、抱える二人の…

ゲリラ豪雨。 なかなか帰れずに私たちは困っている。 あいむ様　私以外の人の三題噺を読みたい【読み専さんもぜひ！】 https://kakuyomu.jp/user_events…

※夫にナイショコンテスト 最終選考まで残りました！ありがとうございます 主人公は高校時代の友人が死んだと一報を受ける。 しかしただの死ではなかった。 夫と子供がいる彼女は知らな…

三つ編みが似合うあの子に、私は憧れていた。 あの子の気持ちも知らぬまま。 ※この作品は板野かもさま主催の企画『#新匿名短編コンテスト・再会編』参加作品です。 https://k…

　門宮茉莉は綾南高校に通う二年生。吸血鬼による怪事件が起こり続ける日常の中、彼女の目の前に突然一人の男子生徒が現れた。多彩性豊かに輝く青い瞳を持つ彼の名は神宮寺静藍。病弱で一見ひ…

初夏——。 心踊る恋がしたい、と希望を胸にこの町にやって来た一羽のツバメ。 だけど、どんなに綺麗なものに声をかけても、一向に上手くいきません。 そんなある夜、ツバメはひとつの慎…

子だくさんな農家の三番目に産まれたエルチェは体が大きくて目つきが悪い。弟妹や近所の子供たちに頼られて、家業にバイトにといそしんでいるけれど、祭りの日に出会った少年と関わるようにな…

　僕の住むＮ村には、十年前から十七歳の女の子の幽霊が、村人たちと住んでいる。 　彼女は村で行われる『いまわさん』という風習で幽霊になった女の子だ。 　美少女だけど怠け者の性悪で、…

無色透明の世界を創った神さまは、ある日絵の具を持った「色の子どもたち」に絵ふでとえんぴつを渡してこう云いました。 「せかいを描き、あなたの色をつけてあげなさい」と。 KAC…

大切な誰かをなくして 何年経っても その人を想う気持ちは変わらない。 詩集「Paradise lost」の「喪えないもの」 https://kakuyomu.jp/works…

　その骨董屋に飼ってある猫は願い事を何でも叶えてくれるらしい。その詳細は、誰も知らない。 　三千文字未満なのでサラリと読めます。 ※　こちらは 「まじない猫の恋模様」 htt…

あたしは黒猫。 骨董屋さんのお家に住んでいるの。 飼い主である店主の柳都が大好き。 でも、彼はそんなあたしの心を知らない。 全6,000文字以下の短編小説なのでお気楽にどうぞ。 …

『あけをうばうむらさき』 → 紫之奪朱也(紫の朱を奪う) 　古代中国で、正色とされていた五色の朱色にかわり、中間色である紫が好まれるようになった事から、邪道なものが正しいもの…

幼い頃、俺のヒーローは、父さんだった。 高校生になった俺は今、その父さんの介護をしてる。

部活をさぼった上、門限を過ぎても帰らない妹の聖奈を探していた俺。 協力してくれる七尾さんは、顔半分を覆ったマスクをそっと緩めた。 どうやら七尾さんには、特別な力があるようで……。

　過酷な戦場を巡り、命の残り火を回収することを生業としている死神、煉（レン）。彼の他には立っている者とていないその場所で、彼は一人の青年医師と出会う。危機も顧みず戦地での活動に身…

ある朝忽然と彼女が消えてしまった。交差点の信号機の横に浮いていた彼女。付き纏われて、つき合わされて、迷惑だと思っていたのに、俺の心に小さな隙間ができた。 ＊＊＊＊＊ 小説家に…

リラの１３の誕生日にやってきた執事兼家庭教師のレフィは、花嫁修業よりも勉学と護身術に力を入れる変わり者。見目麗しい姿とたまに見せる甘い顔に、商家からの成り上がり令嬢のリラは、彼は…

ウイルスパンデミックで不要不急の外出が制限された街。元大学生の俺は、フードデリバリーのバイトをしていた。 運ぶのは注文のあった弁当類。そして秘密の『ドリンク』だ。 非日常だった…

親戚の葬儀の場で出会い、毎回顔を合わせる明晴叔父と私。 身内との付き合いが少なく、周囲の事が何も分からなかった私は、年を重ねるごとに叔父の思いや事情を知り、そして大人になっていく…

これは恋愛作家の先生と私の、密かな恋のはじまりの物語。 第二回　銀縁眼鏡文学大賞、参加作品。 文体診断/1・森鴎外　2・芥川龍之介　3・井上ひさし 2022/06/09　大…

保管室に安置したはずのミイラ男が突然起き上がって現れた。 男が要求してきたのは眼鏡だった。 第二回銀縁眼鏡文学大賞でちょっと思い付いてしまったものです。 文体診断ロゴーンの上位…

父母を失い、村から追い出されたアンは森へと入る。 “こどもは森へ入ってはいけないよ。恐ろしい魔物がお前を石にして食べてしまうからね” 第二回銀縁眼鏡文学賞、参加用。 (眼…

小説家である俺の妻は悩んでいた。 執筆中の子ども向け小説での、キャラクター造形に。 真摯に作品に向き合う妻を愛おしく思いながら、俺は仕事に向かう。 ※この作品は、自主企画『第二…

ドブ川に張り出して建つ、オンボロ古着屋。 転居を考える中、店を訪れた少女が持ち込んだのは、赤黒い染みのある虎柄のシャツだった。 ※このお話は、カクヨムユーザーである竹神チエ様が…

竜を狩り、食し、生活に利用する者たち、竜追い。 一方で竜を信仰する者たちがいた。 竜追いの八神は、竜を信仰する少女、イサナと出逢う。

「寧くん、約束しよっか。苑華ちゃんの死を止められたら、私は復讐をやめる。でも、死が覆らないときは……分かるよね？」 クラスメイトの宮原苑華が、学校の屋上から転落した事故の翌月。…

第四回性癖小説選手権参加作品です。 性癖： 中華後宮での骨肉の争い 横恋慕 勘違い男へのざまあ 毒殺・暗殺 権力者に翻弄される美女 か弱い女の復讐 年の差 台詞の意味が変わる 歴…

真夜中のビルの谷間に集う、十代の少年少女たち。 彼らの任務は“さまよう霧”という怪物の討伐。 けれど集まったチームメンバーは、一人欠けていた。

自分が受けたいじめの内容を日記につけていた中二のころ。私の目の前で、いじめの首謀者が交通事故死した。

数百年前の貴族の日記が発見された。文を軽んじる風潮のあった時代のこと、貴重な史料になると期待される。 長編「雪の女王は戦馬と駆ける」（https://kakuyomu.jp/wo…

江戸時代。大店の跡取り娘の綾乃お嬢様は、花見に猫の小夜を連れて行きたいと言い出すが── KAC2022参加作品です。 第9回目お題：猫の手を借りた結果

あたしは夜中にこっそり家を抜け出して、SNSで知り合った男の人に会いに行った。

結婚したのはスキャンダルまみれのいい歳をしたおじさん。世間はそりゃあうるさいわけですよ。 KAC20228　お題「私だけのヒーロー」 ※「移り気の庭」（https://kaku…

鬼憑きの藤に思い人を奪われた男のその後。 今宵、あの藤の下にて君を待つ。（https://kakuyomu.jp/works/1177354054895456220）の番外編にな…