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「情熱乃風R」について。

 はじめまして、もしくは、こんにちは。
 郷倉四季です。

 お盆だったので帰省していました。
 僕の実家は広島なので、台風が西日本に近付いている頃でした。
 空を見上げると厚い灰色の雲が空を隙なく埋め尽くしていることが多かったです。

 今年の一月の終わりに婆ちゃんが亡くなり、誰も住まなくなった家でおこなわれる初のお盆が今回でした。
 僕は親戚の子たちとトランプなどのカードゲームに興じたり、
 叔父さんたちに混ざって酒を飲んだりして慌ただしく過ごしていました。
 まるで、子供と大人の間を常に反復横跳びしているような時間で、疲れるものの僕はそういう立ち位置を割と気に入っていました。

 傍から見ると「全力で気を使いまくっている」ように見えるらしいですが、僕は両親にも弟にも同様に全力で気を使っています。
 年に二回しか僕は帰らないのですから、少しでも楽しい時間だと思って欲しいじゃないですか?


 その結果、実家から帰って来ると心身共に疲れてきっています。
 そんな今年なのですが、帰りのバスの中で学生時代の友人からLINEが届きました。

「突然だけど、今日ナイトプールに行かない?」

 男二人で、ナイトプール?
 しかも広島から帰ってきて、その足で?
 映画とか、あるいはお酒を飲みに行くとかなら全然、行くと即答できたのですが、アクティブ過ぎて断りました。

 そんなアクティブな遊びに誘ってくる友人は高校を卒業して進んだ学校で知り合った人でした。
 僕は早生まれで今年二十八歳になりました。
 単純計算で僕は実家を出て十年が経っており、高校卒業して進んだ学校で知り合った友人とも同様に十年が経過しています。

 にしては未だに遊びの誘いが唐突なのは如何なものか?と思います。
 友人からすると僕は都合の良い女扱いなのでしょう。呼べばくる、みたいな。
 まぁ間違っていませんが。


 ちなみに、その友人と同じ教室には最近よく話題に出ている、倉木さとしもいました。
 倉木さとしと知り合っても十年が経過しているのは感慨深いものがあります。


 すみません。
 やや遠回りな始まり方をしましたが、今回は新作の「情熱乃風R」についてです。

 さきほども名前が出ましたが、倉木さとしが著者です。
 僕が掲載してきた作品群の舞台は常に「岩田屋町」という町なのですが、その町を作ったのは倉木さとしです。

 詳しく書くと今回の話ができなくなってしまうので、
 さっくり理解していただく説明として、まず元祖「倉木さとし」店というラーメン屋があるとします。
 その元祖「倉木さとし」店のラーメン屋が提供するラーメンのオススメが「とんこつ」なら、
「しお」をオススメで提供する第一号店が「郷倉四季」店なんです。

 あくまで元祖があっての第一号店なんだ、とだけ理解していただければ幸いです。

 僕は「隙間産業課」と基本呼んでいるんですが、今ラーメンが食べたいので、そんな説明をしてみました。
 伝わっていれば良いのですが……。
 これを書いたらラーメンを作るつもりなんですが、「とんこつ」と「しお」のどっちが良いですかね?
 やっぱ夏だし「しお」?


 おっと、お腹は空いていますが続けます。
「情熱乃風R」についてですね。
 と言っても、まだ連載はじまったばかりなので、別の角度から紹介したと思っています。

 さきほど僕が十八歳の頃に倉木さとしと出会ったと書きましたので、第一印象とかいきましょうか。
 僕らは同じ学科で、同じ教室にいた訳ですが、そこで最初におこなわれるのが自己紹介でした。
 内容としては名前とは別に「自分の嫌いなもの」を言うくだりがありました。

 僕が何を言ったのか覚えていませんが、
 倉木さとしは「ヤクザが嫌いです」と答えたのは明確に覚えています。

 いや、好きな人はいないでしょ?
 と僕は思いましたよ、ええ、はい。

 その数年後に、倉木さとしから「やくざの息子をひいた」とメールがきた時は、
 人は嫌いなものから逃げられないんだな、と哲学的なものを考えた次第です。


 さてさて、長くなりましたが「情熱乃風R」の冒頭を今回、引用させてください。

 ――ヤクザの息子を車ではねた。

 実話かな?
 と当時の僕は思いました。

 ついでに言えば、情熱乃風を書いた頃の倉木さとしは就職活動をしていたとも記憶していますし、恋人もいました(後に結婚しました)。
 もちろん創作ですので、実話では決してないのですが。
 端々に倉木さとしの人生が散りばめられた作品であることは間違いありません。

 僕が最初に「情熱乃風」を読んだのは多分、二十一か二十二歳の頃でした。
 ざっと六年から七年前ですかね?

 それを今更、僕はネットに掲載したいですと提案した訳ですね。

 よくオッケーしてくれたなぁと今になってしみじみ思います。
 僕の六、七年前の作品と言うと……。
 あー、無理だなぁ。
 

 一応、誤解ないよう書かせていただきますと六、七年前の作品ですが、手直しはされています。
 その為「R」とタイトルには入っています。
 Rの意味については、僕は一発で当てることができました。
 本編を読まなくても分かるやつでした(←失礼)。


 近況ノートなのに、やたら長くなって申し訳ないです。
 ひとまず「情熱乃風」は岩田屋町の最初の物語に位置付けられます。
 全ての始まりだと言われて渡されましたし(いや、プロローグって言ったんだっけ?笑)、今振り返っても始まりは「情熱乃風」です。
 アベンジャーズで言う「アイアンマン」です。


 ただ、「情熱乃風」は2013年の物語です。
 第一号店のくせに僕は「眠る少女」とかで2013年以前(2011年)を舞台に書いたりしちゃっているので、そちらから読んでも問題ない作りにはなっています。

 ややこしくて申し訳ありませんが、「倉木さとし」が描く岩田屋町の最初の物語「情熱乃風R」をよろしくお願い致します。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890751199

↑一応、URLも貼らせていただきます。

あと、こちらも倉木さとしの作品です。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887384148

↑「はつこいクレイジー」
 2012年の物語です。
 群像劇で四つの視点で進むのですが、その中の一人が「情熱乃風R」の主人公、川島疾風です。
 あと、その中の一人に僕が書いた「眠る少女」に登場した空野有も視点人物となっています。



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