沙漠未来です。

読者の皆様には作品を読んでいただき、また応援や評価していただきありがとうございます。


異世界ぼっちの短編をちまちま書いております。
知り合いに「3万字超えたらもう短編じゃない」とご指摘を頂きました。
現在23000字なのでまだ短編です。が、ここまできてまだメインの舞台にたどりつけていない事実。
オウカが冒険する場合、描くことが想像以上に多かったです。あれこれ書き加えていたら進まないんだなやばいね。

もし異世界ぼっちを面白い・面白かったと思ってくれている方で、最後まで読んでくれている方であれば、もう少しで投稿できるだろうオウカの大冒険のためにまた全話読んでいただきたいなと思います。
あちこちに散らかったままだった話が集約しているので、覚えていないような設定とか背景がでてくるので、あんま覚えてねえなって感じで読むとわけわかめ。
コアなファン向けみたいな感じになっちゃってます。

でも、桜の話なので、4月中に投稿したいものですね……。



とりあえず申し訳なさのついでに一場面を切り抜いて置いておきます。(物語の主要部分は取り除いてあります)








 何かを追いかけるように伸ばした右腕。
 しかしその先にあるのは、見慣れた宿の天井だった。

「ベッドの、上……」

 変な夢を見たような気がする。
 記憶は曖昧だが、どこか現実的で、どこか異様で。

 ただ、夢というのは、目が覚めた途端に忘れるものだ。
 印象的なはずだったそれが思い出せないのも、夢のせいか。

 ふと窓際を見ると、王都に並ぶ家々の上空は僅かに水色の光を帯びている。その色は早朝を示していて、俺がいつもより早く起きてしまった証明だった。

 同時に、違和感。

「オウカ……?」

 俺が起きる時、隣にはいつもオウカが丸くなって眠っていた。頭に蓋でもするかのように耳を折り、大きな尾っぽを抱き枕代わりに両手で抱きしめる姿は愛くるしいものだ。小さな寝息と、それに合わせて少しだけ動く小さな身体を眺めるのは嫌いじゃない。

 その姿が、いまはなかった。

 トイレの可能性を一番に考えたが、俺の心の中には妙な不安が渦巻いていた。

 つい数日前までオウカは邪視の影響で記憶を失っていた。レイミアから伝授してもらった精神魔法を駆使して記憶は取り戻すことができたが、また俺の知らないところで邪視に侵されていたらたまったものじゃない。

 俺はベットから降りて部屋を出る。元々宿泊客の少ない宿屋で、しかも朝方。当然他の人の気配なんて感じない。それが逆に不気味さを増していた。
 俺は一階まで降りてトイレを確かめる。残念なことに宿のトイレは男女共用だ。鍵は掛けられるので心配はないが。
 ただ俺がドアをノックしても、誰からの返事もなかった。
 では庭の方だろうかと、そのまま足を運んだが、オウカはいなかった。

 出掛けた? 俺に何も言わず?
 いままでそんなことはなかったはずだ。

 嫌な予感を背中に感じながら、二階へ戻ると、俺はある部屋の前で足を止めた。

 俺が使っている部屋の隣。シオンの使っていた部屋だ。
 王都に来た三人で学院に入ったまではいいものの、学生寮での生活が嫌だったために今の宿を借りている。ベリルを倒しオウカの記憶を取り戻している間にシオンは学生寮へと移っているが、部屋は一応借りたままだ。そのうちオウカに使ってもらおうと思っている。
 だから、オウカが寝ぼけてトイレの帰りにこの部屋に入った……なんてのが一番有り得そうだった。

 俺は部屋のドアノブを回して入る。