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【マニアの暗い情熱シリーズ⑬~革小物づくり~】講師 関川

〇はじめに

 皮革に関しては正直敷居が高い印象だと思います。
 プロの作品がそこら中にあふれていますからね。
 しかしプロでなくとも、経験値が少なくとも、このくらいのものは作れますよ、というのが今回のテーマです。
 
 ということでより詳しい方がいましたら、ぜひ記事にしたいのでお寄せください!

〇革製品の良さと難しさ

 布地と比較すると分かりますが、とにかく素材が厚くて硬い。
 これに尽きます。
 裁つのは基本ナイフだし、針を通す穴をあける必要があるし、糸も太い。
 これがまぁ難しさに直結してますね。

 しかしそれだけに丈夫さだったり、革独特の味わいなんかが良さになりますね。

〇必要な道具

 カッター……専用のものもありますが、小物ならカッターナイフで十分。
       ただし、刃は新しくしましょう。
       切るのが楽だし、仕上がりがいいです。
       カッターマットはぜひ欲しいところ。百均で売ってますよ。

 菱目打ち……これで縫い目の穴をあけていきます。
       1目用と3目用、これだけあればとりあえずオーケーかと。
       トンカチがいりますが、これはまぁなんでもいいのではと。

 縫い糸 ……本来は革用の糸にワックスを付けたりするのですが、最初からついてるものがあります。500円くらい。

 縫い針 ……革を縫うには同じ針が二本必要です。糸の両端に針をつけて交互に糸を通していきます。

 トコノール…切り口とか裏面に塗って毛羽を押さえるものです。
       値段は忘れました。
       なくてもいいけど、あると仕上がりがいいです。

 とまぁこんなところです。ネットなんかでもセットが安く入ると思います。

〇なにを作りたいか? 作れるのか?

 ここですよ。ハードルが高いのは。
 ということで簡単にする方法。

 例えばカードケースが作りたいとしましょう。
 中に入れるプラスチックのスリットとかポケット部分とかいろいろ考えるでしょう?
 百均で一個買って来ましょう。

 デザインよりも大きさと目的重視です。大抵は合成皮革でちょっと物足りない感じだと思います。
 スマホケースなんかもそうですね。いろいろと種類があるので大きさと機能で選びましょう。

 で、買ってきたら表の部分を取り外しましょう。
 縫ってあったらほどいてしまいましょう。

 で、取った表側がそのまま型になります。ココ大事。
 で、表以外はそのままそっくり使います。

 つまりは表側だけ本革に交換するというわけです。
 見えるところが変わるだけで、かなり高級感が出るものです。

〇さっそく製作

①さきほど取った表側の部分を型紙にして、革にボールペンなどで形を書き写します。
 ナイフで寸法通りに切り出します。

②革の裏面に木工ボンドをつけ、本体部分に接着します。

③乾いたら菱目打ちで縫うための穴をあけていきます。

④糸に針を通し(ちょっと特殊な感じですが、簡単です)、縫っていきます。
 結構硬いです。指先が痛くなりますが、頑張りましょう。
 慣れてくると糸目が揃ってきれいに出来るようになります。

〇基本的にはこれで完成です。

 思った以上にいいものが出来ると思いますよ。
 糸の通し方、縫い方のコツ、糸始末などは説明を飛ばしましたが、一冊そう言う本を買えばすぐにわかります。

〇最後に

 とまぁこんな感じで適当に作っても自己満足できるくらいのものは作れますよ!
 少なくとも私はそうです。

 まずはなによりも一度やってみること。
 そうすることで見えるものがあると思います。

※刃物の扱いにだけは十分注意しましょう!
 怪我したら楽しいことが台無しですからね。



ということで参考に最近作ったスマホケースなど。
上気の方法で作ったシロモノです。

https://note.com/runner_garden/n/nad0319d91fac

25件のコメント

  • 二尋さん、こんばんは。

    二尋さんの守備範囲の広さに、そろそろ雲の上の人感が出てきたような……
    革小物まで! noteのスマホケース拝見しました。縫い目キレ〜

    厚みのある皮の扱いや素材に敷居の高さを感じますが、こうしてまた百均の懐の広さなどを教えて貰うとちょっと身近に思えますね。
  • いつのまにか関川ワールドが凄い事に!?
    ジオラマ楽しそうですな。

    スマホケースも良い出来栄えみたい。カッコいい!

    そして先程は私のネタに書き込んでいただきありがとうございました。アトランティスの設計に関してはやっぱりそうですよね。

    ところで最近、ガラナを見かけませんな。ヤツは自らの企画を投げ出し、カクヨム禁忌『エタった』を犯した重犯罪人なので正直顔も見たくないのですが、今頃どこでどうしているのやら。

    まさか自分のノートも更新せずにゆうけんさんのところにちょっかいを出していたり……そんなわけないか、ハハハ。
  • こんばんは!
    革のハギレは持ってますよ、たくさん、たくさん、作品になってないものが……。ダメやん!
    私の場合、縫い糸は刺繍糸を使ったりしますね。ワックスコードは色が少ないので。
    あと、薄いものはミシンで縫ったり。
    免許証のケースは銀色のレザーです。
    詳しい知識がないので、ほぼ我流です😆
  • こんにちは~。お邪魔いたします☆

    まさかの手縫い!
    そして、手縫いとは思わせない綺麗な縫い目。器用ですなぁ~。
    皮革製品は敷居が高かったので手を付けたことがありませんが、手の痛みを克服すれば何か作れそうですね。小銭入れが欲しいんですよ。なかなか巷では売ってないような「ごっそり」小銭が入るタイプ。やっぱ自分で作るしかないかなぁ。

    お見事です☆
  • こんにちは。
    昨日はありがとうございました✨
    今、館に行ってきたら、あちらにも説明して下さっていて、嬉し泣き……、
    と思ったら主様こっちにも来てるwww
    主様にも色々とないしょ話(というか何というか笑)、思い出話をしてもらって、夜中にひとり大爆笑でした。

    皮は薄手のモノをミシンですね。私の場合。
    昔、作るのに凝っていた時は、蔵前とか浅草橋とか西日暮里とか、友人たちと行きましたけれど、今はもうさすがに。
    百均、便利ですし。メルカリでも買えちゃいますし。
    っていうか、カクヨムしてたら時間がなくて。
    でも、関川さんをはじめ、皆さん、凄いですね。
    見習いたいけど、あはは、ハードル高いなあ。
    お礼に伺って長々と(汗) 失礼しました~♡
  • 琥珀さん、コメントありがとうございます!
    革製品をチクチク縫うのは楽しいですよ。無心になれます。
    ちなみにこれは全部合わせても半日くらいで完成しました。休みの日にのんびりやっていた感じですね。
    百均にはこの手の趣味を助けてくれるヒントがいっぱいあります。
    そう言うつもりで探すといろいろ見つかるものです。
  • 叶さん、こんばんは!
    いや、意外なところで叶さんのコメントから円/縁がつながりました。
    やっぱりエクセルは便利ですよね。プロットにとどまらず、メモ帳的に使うのに便利な機能がいっぱいですよね。

    そうそう。
    私もガラナさんのノートは定期的に見に行ってるんですよ。でもまだ戻ってきてないみたいですね。近況ノートの更新もされないまま、ぺんぺん草が風に吹かれているような光景です。
    ちょっと心配してるんですけどねぇ。

    なんか大炎上した芸能人とかユーチューバーみたいな気持ちでいるのではと。
    活動を再開した時の最初のコメントを楽しみに待っているところです。

    ゆうけんさんの所に出没? そんなわけないですよ、ハハハ。
  • 奥森さん、こんばんは!
    奥森さんもレザークラフトやるんですね!
    刺繍糸で縫うというのは知りませんでした。が、確かに太さも似てるし、色もたくさんあっていいですよね。
    なんか新しいアイデアを仕入れた気分です!
    うん。このノートをやってて楽しいのはこう言う時なんですよね。
  • 愛宕さん、こんばんは!

    縫い目は順番を守るだけでキレイに揃うようになります。
    が、実際のところ出来上がったら縫い目はあんまり気にならないものです。丈夫だから長く使うことになりますしね。細かいことは気にしないのがポイントですね!
    ごっそり小銭が入るもの……バネ口金というのを使った四角い袋型のものであれば、いいかもしれないですね。とにかく取り出すのが簡単。
    私は布で作ったやつを使ってますが、柔らかいレザーで作ればいいかも!
  • 満つるさん、こんばんは!

    あの館に行ったんですね。深いんですよねいつも(笑)

    満つるさんもレザークラフト経験者でしたか。浅草橋とか日暮里も行きましたね。もうお金がいくらあっても足りない感じでしたが(笑)
    薄手の革はミシンでも縫えるみたいですね。合成皮革であればむしろミシンですしね。まぁ言う通り、モノがいろいろと安く買えるようになりましたからね。しかもクオリティは高いし。

    まぁとにかく家でのんびり楽しめる趣味っていいものです。
    物語を書くこと、とかもね!

    ということでコメントありがとうございました!
  • 関川 二尋様

     関川さん、なんて素敵なレビューを! ありがとうございました(*´▽`*)
     何度も読み返させていただきました。
     とても深く読んでくださった上に、とても丁寧なレビューを書いてくださって、感謝の気持ちでいっぱいです!
     特に、滝川が助けた陽人に助けられるところに触れてくださったこと。
     ここはもう、心が伝わった、通じたと思って感無量でした(#^^#) 
     この物語の中で意識していたことが、「情けは人のためならず、巡り巡っておのが身のため」でした。なるべくお互いに助け合う、あるいは誰かにもらった親切を別の誰かにする……そんな形で巡っていって、誰か一人の犠牲とか、貰いっぱなしで辛くなるようなことの無い、お互い様な形になれたらいいなと思っていましたので、そこのところを読み解いていただけたこと、何よりも嬉しかったです。
     本当にありがとうございました(*´▽`*)

     近況ノートが製作講座になっていて、ただで受講できてしまうの申し訳ないくらいですね(^_-)-☆
     でも、関川さんが器用だからこそのあの仕上がりだと思います。私はおおざっぱな性格なので、なんか微妙に曲がるとか、微妙にずれるとか日常茶飯事です(^^;
     なので、滝川木工店の滝川の修復物、考えたり描写したりするのがものすごく難しかったです( 一一) 関川さんだったら、もっと色々思いつくんだろうなー♡ 素晴らしいです。また作品を楽しみにしておりますね。
     改めまして、素敵な応援のお言葉、ありがとうございました。
  • 涼月さん、こんばんは!
    ノートにコメントありがとうございます。

    レビュー喜んでいただけて良かったです。
    せっかくの良い物語、自分が楽しめたところを書き綴ってみました。
    これを機にもっと沢山の人に読んでもらえるといいな、と願いつつですね。

    情けは人の為ならず、やがては自分の身にもいいことがかえってくる。そんな風に優しい方向で世の中が回っていくといいですよね。ちょっと損得勘定にも見えるけど、善意ってのはやっぱり大事だと思います。
    私の作品作りのテーマもそのあたりにあるので、同じ方向を向いている方だななんて思いました。

    ノートの方も楽しんでいただけると嬉しいですね。
    秘かな趣味などありましたら、ぜひお寄せください。

    ということでまた!


  • パタッ。

    「ふう、今回もノートの反響は上々だな」

    トランシルヴァニアの古城、その一室でダークフタヒロは静かにノートパソコンを閉じた。ジオラマやブロックは目くらまし。実は近況ノートこそ、彼が最も情熱を注いでいる箱庭だった。

    「しかしヤバいな。何となく革製品の記事を書いてしまったが、グルーピーの食いつきが今までと違う。奴ら、無能のくせに何かを感じ取っているのか……」

    そう考えるに足りる秘密が彼にはあった。今回の企画で「あえて」詳細を明記しなかった素材である「革」。実はこれも彼自身が作っている。

    「いや、まさかな。だが一応、洩れがないか確認しておくか」

    アーサー王が座っていた的な豪奢な純金製椅子から立ち上がり、ゆっくりと秘密部屋へと向かうダークフタヒロ。装着している革製尻尾が、歩くたび右へ左へと可愛く揺れる。彼の装備品はこれだけだが、誰はばかることなく毅然とした態度で歩を進める。その姿には一周回って新しいと感じさせる何かがあった。

    秘密部屋の扉を開けた途端、膠の臭いが押し寄せてきた。

    「この臭さは、いつになっても慣れんな。まあ今となっては、これが奴の臭いなのか革の匂いなのか分からなくなってしまったが」

    手を後ろに組み、尻尾を弄りながら正面を見据えるダークフタヒロ。そこには背中の革を剥がされて、天井から吊るされたかつてのライバルがいた。

    「うむ、大丈夫だ。誰も侵入した形跡はない」

    消えただのエタっただの噂になっている、植物的でチョコレート的な名前の奴。その消息が明かされる時は永遠(とわ)に来ない。
  • 関川 二尋様

     近況ノートにお越しくださいましてありがとうございます!
     しかも、「同じ方向を向いている方」なんてありがたいお言葉、とても嬉しいです。実は私もそう感じております(#^.^#) うわ、身の程知らずですみません(^^;
     善意が優しく巡っていくと言うテーマだけでなく、今読ませていただいている『アトランティスのつまようじ』の中で描かれている、なぜ戦争が無くならないのかや、知識を正しく使うなどのテーマも、私の中の永遠のテーマです。
     以前関川さんが読んでくださった、『水底の国』の時にも、幼いながら戦争がなぜ無くならないのかを考えていました。今も考えているけれど、でも私では何の解決も導き出せない。多分、一人で考えても無理で、みんなが同じ方向を向かないと無理なのだとは思いますが。
     ですから、今回同じアトランティスで、戦争に関するテーマが扱われているのを見て、とても嬉しかったです。
     これからもお伺いさせていただきます!
     秘かな趣味……うーん、今はカクヨムですね~他に何か見つけたらお知らせしますね(^_-)-☆
     では、お体お大事に今日も頑張ってください!
  • 「……いや、もう一人、ネズミが紛れ込んでいたな」

     ダークフタヒロは吊り下げられた男に背を向けると、もう一つの扉の前に立った。鍵はかかっていない。ただ大きな閂(かんぬき)が渡してあるだけだ。ダークフタヒロは人差し指でその閂を外し、「オープンセサミ」とダークな声で呟きながら巨大な扉を引き開けた。

    その扉の向こう、蒸気となった熱気が立ちこめる空気の向こうには、やはり貼り付けになった人の姿がある。

    「さて、ユウキ、いや、サツキ……それとも貴様の真名『さつきまる』と呼ぶべきかな?」

     ダークフタヒロは牙を剥きだすようにしてニヤリと笑いながら続ける。

    「今日こそは吐いてもらうぞ、貴様の秘密を……どうしてパブリックイメージを上げかけた時に限って的確にくさびを打ち込んでくるのか? だとか、消えたとかエタっているという噂のこととか、そもそもなんで特別賞ばかりを狙ったように受賞するのか? とか、どうしたらそんなに楽しい語り口で物語がかけるのかだとか、あの昆虫学者の話の続きは書かないの? だとか」

     蒸気のベールを抜けると、目の前にはメガネをかけた女性の姿があった。

    「……そろそろ教えてもらおうか」

     ペッ

     といきなり唾を吐かれた。
     それからニンマリと挑戦的な笑顔を浮かべてくる。

    「やだね、アンタにはなにも教えないよ。たとえ死んだっていうもんか」
    「その虚勢がいつまで持つか、試させてもらおう」

     ダークフタヒロの長い尻尾がサッと女の脇を撫でた。

    「くっ……」
    「くすぐったいか? くすぐったいだろう? 私の目はごまかせんぞ」

    「くっ、くすぐったくなんかない!」
    「ではこれはどうだ?」

     尻尾がさらっと足の裏をかすめる。
     女は再び苦悶の表情を浮かべたものの、その表情をすぐに押し殺した。

    「ふむ、そう言う表情もそそるじゃないか……いいだろう、これからキサマを爆笑の渦に叩きこんでやる!」

     ダークフタヒロの尻尾が高く持ち上がった……
  • と、書いた後に涼月さんへのコメントです。

    きっと同じ方向を向いてるなと思いました。
    楽しい話もいいけれど、ちょっと真面目な話、考えさせるような話、大事な話、そんなものが含まれている物語はいいなと思うし、書いていきたいな、と思います。

    宣伝ではないので気にしないで欲しいのですが、ボーイズダイアリーという作品では善意とか思いやり、みたいなものをメインテーマにして書いてました。

    また涼月さんの作品を読みに行きますね!
    ということでまた。

    うん。前のコメントの後では説得力が半減か(笑)

  • 関川 二尋様

     近況ノートにコメントありがとうございます!
     気づいておりませんでした(*'▽')
     うわーい!♡
     関川さんのお陰です~(*´▽`*)
     ありがとうございます! 嬉しいです。とっても!
     もう、今心臓がバクバクしてます。舞い上がってしまって(#^.^#)
     本当に、ありがとうございました。

     後、コメントの返信もありがとうございます。
     ボーイズダイアリーですね! 頭にインプットいたしました(^_-)-☆
     また読みに来てくださるなんて嬉しいお言葉もありがとうございます。
     前のコメント、コント風で面白い!
     いやん、ドキドキしちゃいましたよ。なんかちょっぴりセクシーな拷問ですね(^_-)-☆
     
     
  • 関川 二尋さま

    こんにちは。昨日は、涼月さまの滝川木工店へのレビューをカクヨム通信で拝見して嬉しくなりました。いつも、レビューを丁寧に書いてくださっていたからですね。また、作品の魅力も強いのですね。お二人ともおめでとうございます。💐。
    いすみ 静江🌷
  • その頃、アジア大陸の秘境『崑崙(こんろん)』では、オッパイ柔軟体操を極めんとする影があった。周囲にはどこから集まったのか熊や鹿や虎が、静かにその動きを見つめている。年齢不詳の妖艶な風貌は、近所の野生動物たちを虜にしてやまない。

    「押して・上げて・ぐるんと回す! ……ふぅ、まだまだ境地には立てないわね」

    その女は手ブラをしながら額の汗を拭った。侘助ヒマリ、またの名を「ひまわりちゃん」。かつてカクヨム大陸で消息不明になった彼女は、この天外魔境で技を磨いていたのだ。

    「私がオッパイブリザードを完成させるまで生きていてね、ガラ……!」

    何かを感じハッと空を見上げるも、そこには何もなく、瞳には澄んだ青色が映るのみ。

    「何だったのかしら、今のゾクゾク感は……。まさか……フタヒロ、いいえ、ダークフタヒロがまた動き出したというの!?」

    フタヒロ。その昔、数々の秀作魔法を世界に広め、幾人もの魔導作家を「俺って才能なかったんだ」とエタらせた超越者。その卓越した魔法構築能力は、さながら一人オーケストラのようだった。しかし天才であるがゆえに当時の政権者から疎まれ、国を追われてしまったのだ。その後、闇堕ちした彼の天才は、超越者に至らんとする者達を次々に殺害し始める。それもなぜか新月の晩に。

    これが現在、世界中を恐怖のどん底に落としている『新月の全裸恐慌』だ。

    「次の新月にはまだ早いわ。もしかしてフル……いいえ、ルーチンが変わった……?」

    そうだとして、彼女ができることはオッパイブリザードを完成させることのみ。歯痒い想いを飲み込み、ひまわりちゃんは再び柔軟体操を始めるのだった。

    今まさに光と闇の全面衝突が起ころうとしている。
    ネオジャパンの上空には、いつの間にかそれっぽい暗雲が立ち込めていた。
  • 涼月さん、コメントありがとうございます!
    いや、ホント良かったですよね。
    なかなかああいう形の露出ってないですからね。
    なににせよ、ああいうモノがきっかけで作品との出会いがあればいいなと思います。『滝川木工店』のますますのご発展を祈りつつ!
  • いすみさん、コメントありがとうございます!

    そうなんですよ。カクヨムのメルマガに出てたんですよ。
    レビュー書いたものが、ああしてピックアップに載るというのは、なんとも嬉しいものです。

    実際、滝川木工店、すごく優しくて面白い作品でした。
    より多くの人に見てもらえると嬉しいですね!
  • ……その暗雲を睨むように見上げる人影がある。

     ここは東北地方のとある僻地。
     小高い丘の上にポツンと建つ一見の小屋。その庭で後ろ手に手を組み、男は空を見上げていた。
     おりしも雷鳴がとどろき、男の姿をフラッシュのように照らし出す。
     顔中に深く刻まれた皺、鼻の下に蓄えられたドジョウひげ。かなりの高齢だが、背筋はピンと伸び、全身には鎧のように筋肉がついている。
     ちなみに全身の様子が分かるのは彼が全裸だからである。

    「叩いて・伸ばして・ぐるんと回す……いよいよ最終奥義をあの男に伝える時が来たようじゃな」

     その老人は手パンツをしながら額の汗をぬぐう。鍛えられた彼の肉体をもってしても、その最終奥義は肉体に過度の負担を強いる。
     だがそれも愛する愛弟子のため。世紀末救世主伝説が始まる前にどうしても弟子にこの奥義を伝えねばならない。

    「叩いて・伸ばして・ぐるんと回す……完成させてみせるぞぃ、東北神拳の最終奥義」

     その老人の名はユウケン。東北神拳の正統後継者。齢88歳にして現役の最強の格闘家である。そして彼の弟子の名はガ……

     と、老人を呼ぶ声が響く。
    「おじいちゃーん、また裸んぼで外に出たりして、ダメじゃない!」
    「なんじゃ、今、修行中じゃ」

    「ハイハイ。それより服だけは着てね、ご近所さんに通報されちゃう」
    「今は時間がないんじゃ、一刻も早く奥義を思い出さねば」

    「ハイハイ。服着てからにしましょうねぇ。そしたらバスに乗ってみんなのとこに行きましょう。話しているうちに思い出すかもよ」
    「分かった、分かった。デイサービスの時間だったな……」


     ユウケンを乗せたデイサービス『華光園』のハイエースが走り出した。
     地獄へ向かって……
  • 関川 二尋様

     度々すみません。
     関川さんのレビューのお陰で、読んでくださる方が一気に増えて、本当にありがとうございました(*´▽`*) もう感謝の気持ちでいっぱいです!
     普段、あまり近況ノートで宣伝しないのですが、今回はとても嬉しかったので、ちょっぴり宣伝しちゃおうと思いました(#^^#) 
     関川さんのお名前、近況ノートにも書いてしまうこと、お許しいただけたらと思います。
     レビューの力を改めて感じております。
     私はまだまだレビューが難しくて、みなさんなんであんなに上手に書けるのだろうと羨ましいのですが、これもチャレンジあるのみですよね。少しずつ書いていきたいと思っております。
     本当に、素敵なレビューをありがとうございました。
  • 涼月さん、いらっしゃいませ!
    いつでも大歓迎です。

    カクヨムの楽しさの一つはこういう交流が出来ることですからね!
    読み手の方が増えたとのこと、ホント良かったです。
    まぁレビューを書いたことで読者が減ることはないはずですが、増えたと聞くと書いたこちらとしてもうれしいのです。

    ましてこんな風に丁寧にお礼のお言葉をいただけるとなおさらです。
    カクヨムって楽しいですよね!
    ここにいるたくさんの人たちが同じように楽しみを見出せればいいのにとしみじみ思います。
  • 関川 二尋様

     温かい返信のお言葉に近況ノートまでお越しくださいまして、ありがとうございました。
     本当に、素敵な体験をさせていただきました。
     ありがとうございました。

     関川さん、バリバリの文系なんですか! 
     私、『アトランティスのつまようじ』を読ませていただいて、関川さん実は物理学者さんだったのでは疑惑を持っていたのですが(#^.^#) 違ったのですね!
     でも、とても分かりやすい説明でしたし、物語の中にリアリティが生まれるから、こういう設定大好きです(#^.^#)
     楽しみに読み進めさせていただきますね!
     本当に、こんな交流をさせていただけること、ありがたいです。
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