世間はなんとも大変なことになっていますね。
普段の生活がガラリと変わり、ご苦労されている方も多いと思います。
私も苦労してるグループの一員ですね……もう色々と大変です。
ただ今のところ感染せずに健康を保っているのが救いです。
ということで久しぶりの自作宣伝です。
今宵は『ボーイズダイアリー』です。
わたしはカート・ヴォネガットというアメリカの作家が大好きでして、作風に多大な影響を受けております。というか、あんな作品を書けるようになりたいと、カートに寄せていってるというのが正確ですね。もちろん道はまだまだ遠いし、ちっとも追いつける気はしませんが……。
で、このボーイズダイアリー、そんな目標に一歩だけ近づけたかな、と思えた作品なんです。という所で、自分的にはすごく思い出深く、印象に残っている作品ということになります。
この物語は主人公のレンジが、日記という形で半生を振り返る、という物語になっています。ということで、一人称でありながら、すべてを知りうる三人称的な視点を持たせています。これはカートも得意にしていた手法かと思います。
物語はダーウィンの進化論、突然変異と自然淘汰、をキーにして主人公を取り巻く社会を描いています。何のことやら？ かもしれませんが、かなり平易に書いてあるので分かりやすいかと思います。
そしてこの『分かりやすさ』というのがこの物語の最大のポイントでして、たぶん中学生くらいから読めるような感じになっていると思います。
しかしそれだけではどうしても足りない。同時に大人が読むに耐えるものでなければならない、というのももう一つのポイントでした。そのために主人公が経験する様々なドラマを放り込んであります。
さらにいうと、これにどうしてもSF要素を入れたかった。なので謎の病気の流行というSF要素も放り込みました。
ちなみにこの謎の病気『ノック』は世界中で大流行し、世界の在り方そのものを変える猛威をふるいます。
この辺りはちょっと現在の状況にも似ていますね。
SFというのは世界をシミュレートするという機能があるんだよな、と改めて思いました。
で、とにかくいろんな要素を詰め込み(謎のBL要素までありました……)、喜怒哀楽を感じてもらえるようなドラマを盛り込み、でもラストはなんだか不思議な読後感があるような、そんなちょっと変わった物語に仕上がってます。
さて、長々と書きましたが、まぁ気軽に読める物語であることは間違いありません。お時間できたらぜひ読んでみてくださいね！
追伸
誰にとっても苦難の日々が長々と続きますが、わずかでも楽しい瞬間を積み重ねて乗り越えていきたいものですね！