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海が太陽のきらり、あとがきっぽいもの

 ゆあん様の自主企画「筆致は物語を超えるか【海が太陽のきらり】」に参加した作品です。これは与えられたプロットを、作者独自の展開やフレーズで飾り立て、ひとつの作品として完成させる企画です。

 今回、ストーリーを考える上で『書かない事』を試してみました。
 書いてある事から読み取れるように気を使ってはいるつもりです。
 ここから先はネタバレになるので、読んでいない方はブラウザバックしてください(笑

 ゆあん様のプロットは、死や別れを連想させるプロットでした。先日エッセイで書いた事もあり、絶対にそっち方面へ寄せたくありませんでした。
 なので、海斗を好きな女の子が陽子となって現れる展開を選びました。
 さて、そうすると困るのが理由と整合性です。
 海斗は海に行くことが決まっています。ならば女の子だって追いかけなければ陽子として登場しません。
 どうやって追いかけさせるか? しかも、追いかけるほどの強い理由は何か? に焦点を絞りました。
 だからナンパなんです。
 女の子は危機感を持ったんですね。好きな男の子が海でナンパなんてけしから~ん! といった感じで。

 その他、理由はついて回ります。これがしっかりしていないと、ブレブレの物語になってしまいますからね。
 泳がせる理由→海斗本人に教わった事を思い出させたい。
 秘密の場所(本作では景色のいい場所ですが)に誘った理由→もちろん写真の為。
 しかしこれには追随する整合性というものがあります。
 何で帰る前日なのか?
 これは噂を紐解けばわかると思うのですが、ウソの噂『別れる』、本当の噂『愛を誓うと永遠に結ばれる』のどちらも、祥子からすると現実離れした噂なんですね。だって、自分を偽っているのですから。けど、いい景色を海斗に見せたかった。これが帰る前日になった訳です。
 海斗が飛び込む理由→これは悩みました。最初は陽子のコンタクトが落ちてなんて考えましたが、海の底で見つかるか―! となってボツになりました。
 キスの後の涙の理由→海斗がキスをしたのは陽子であって祥子ではない。
 一年後、現れた理由→海斗に全部話して想いを伝える為。

 とにかく理由と整合性に細心の注意を払って書き上げた作品です。
 プロットを知らない人が読めば、ありそうな王道青春ドラマかもしれません。しかし、あのプロットで王道青春ドラマに落とし込む事が私の挑戦だったような気がします。

 陽子(祥子)の行動は書かれていない事が多いですが、整合性を保つためにほぼストーリーは考えてあります。
 もし、疑問がありましたら何でも聞いて下さい。
 あ、陽子(祥子)のスリーサイズは考えていませんよ(笑

9件のコメント

  • はーい、えーきち先生、質問でーす。

    ①高校生にとって1年は、かなり長いと思うのですが、祥子ちゃんは自分が『陽子』であることを明かして告白しようとは思わなかったのですか?

    ②普段の祥子ちゃんと比べて、陽子ちゃんはあまりにも違いすぎませんか?
    祥子ちゃんは、人見知りでほとんどしゃべらない子だったような。

    ③①とも重複しますが、高校3年生の夏休みは受験勉強などが忙しくて、海に行かないという可能性も考えられたはずです。
    もし、海斗君が海へ行けなかったら祥子ちゃんは、どうしたのでしょう?

    ④②とは矛盾するかもしれませんが。
    海斗君、好きな女の子が身近にいるんだから、気付け〜っ!

    ⑤質問というか、要望に近いかもしれませんが、ものすごく魅力的なキャラクターが出来てしまいましたよね?
    今回の話の前日譚や後日譚、あるいは間隙譚(海斗君が海から帰って翌年の海で再会するまでの物語)は書かれないのですか?

    前日譚
    海斗君の指導する様子や、祥子ちゃんが惹かれていく様子が描かれる。

    間隙譚
    祥子ちゃん目線で、海斗君とのなにげない接触にも、心臓ドキドキで乙女ハート爆発寸前な様子💣
    とか、
    祥子ちゃん、やっぱり(自分が陽子である旨を)告白して(愛の)告白をしようと思って書いたラブレターが300通を突破💌(ほぼ毎日やん)
    など

    後日譚
    直後(海にいる間)に、
    『海斗に女の子の一番大切なモノをあげる』という一夏の経験みたいな展開はないの?(海斗君、避妊はちゃんとしよう!)
    なお、別バージン……じゃなくて、別バージョンとして、『卒業して離れ離れになる前に、私の大切なモノをあげます』パターンもあるよ。
    前者は勢い重視、後者は大切に愛を育んだのちに、という展開だね。

    学校での付き合いはどうするの?隠すの?公表しちゃう?

    学校での部活動では、部長さん始め多くの部員を絡めたお話作りも出来ますよね。

    海斗君と祥子ちゃんの物語を、もう書かないなんてもったいない。
    もったいないお化けが出るぞ〜👻

    出来れば中長期連載、無理なら短期連載や読みきりなど。
    もし1話だけしか書かないんだったら、
    第一希望『2人の初めて❤』
    海斗君、避妊はしっかりね〜🏩
    第二希望『2人の甘々ラブラブデート』
    お砂糖だばだば大量投入の某綾束 乙様風味が良いです♪

    『海が太陽のきらり』の別作品もお待ち致しております。
    それでは失礼致します。それでは良いお年を〜🎍
  •  いつもしっかりと読み込んで頂いて感謝しております。

     さて、質問にお答えしますね。
     ①ですが、祥子は告白を考えていません。告白する勇気がなかったんですね。海斗の中の陽子は自分であって自分ではないですから、突然夏の事をバラして告白なんて考えられなかったと思います。結果的にダマしている訳ですし。怖かった。なので③で海斗が今年も海に行くと聞いた時、スイッチが入ったんだと思います。行かなかったらこの話はなかったです。多分、告白していません。
     家でお姉ちゃんにいつも海斗の話をしていて、お姉ちゃんが背中を押してくれたって感じになります。
     きっと、部活動が夢心地だったでしょうね。海斗に色々教えて貰えるので。

     ②ですが、コスプレ心理があります。普段大人しくぱっとしない人が、かなり大胆なコスプレを人前で披露する事に快感を覚えるアレですね。
     陽子は祥子にとっても別人です。自分の憧れが現れた形でもあります。
     そして何より恋が彼女に勢いをつけています。
     恋って女の子にもの凄いパワーを与えると思うんですね。気持ちが大きすぎてトンデモナイ行動に出たり。それは実際にある話だと思います。
     民宿で水着に着替え、お姉ちゃんに髪をまとめてもらったりしながら、何度も「本当に可愛い?」なんて聞いている姿を想像して書いていました。あ、そこは書いていないですけど。

     ③は上で書いたので④ですが、男は鈍感な生き物です。学校での祥子は相変わらず小さい声で碌にしゃべらなかったので。しかも、格好だってアレでしょ? まさか陽子だなんて頭の片隅にもなかったと思います。実際一年後に目の前に現れてもわかっていなかったですし。
     キスまでして気づかないなんて、アホですね。おっぱいばかり見ているからです(オイッ

     ⑤は、いいですね。書いてみたいです。しかし公募やコンテストでなかなか時間が取れなくて。この話を中長編にして公募に出してみてもいいかも(笑
     ラブレターの件は面白いですね。もやは呪いですね。
     ひと夏の経験まで書いたら別の話になってしまいそう(笑

     しかし、そこまで絶賛されるなんてとても嬉しいです。本当にありがとうございます。
     それでは、よいお年……早ッ!
  • えーきちさん、ご連絡ありがとうございます。
    読んでいる時も思いましたが、実に緻密な作品ですね。皮ジャン先輩もそうですけど、明るく元気な青春ものであっても、その裏には緻密さが隠れているのがえーきちさんの作風でしょうか。

    上記でやり取りされている②については、私もちょっと思ったんです。なるほど、「コスプレ心理」ですか! 納得しました。
    そして海斗の鈍さの説明が微笑ましい。
    男は鈍感&おっぱいばかり見ているからですね(笑)
    男の人も色々考えて生きていると思いますが、こういうちょっとアホっぽい描写、好感が持てます。
  •  書かないこと。
     これ、書く方としてはつらいことです。つい、書きたくなっちゃう。
     でもそこを見せないことが、小説としての効果を生むわけですよね。
  •  オレンジ11様
     そう言って頂けると幸いです。
     今回はこのストーリーに落とし込むために、徹底的にすり合わせしてみました。
     コスプレ心理とか変身願望とかって、今現在の自分とは正反対の格好や性格が出たりするものです。特にコンプレックスがある人は。
     海斗は鈍いですねぇ。そして、やっぱり見てしまうものです(笑


     油布さん
     そうなんですよ。書きたくなりました。けど、我慢しました(笑
     今回、身に沁みてわかりましたね。書かない事の大切さ。そして書かなくても書けるくらいのストーリー構成が必要だという事も。
     どんなキャラクターだって書いてある所だけで生活している訳じゃあないですからね。
  • えーきちさん、こんにちは。
    なるほど、練り込んでますねこれは!
    なるほどなるほど、コスプレ心理……
    あれですね、旅の恥はかき捨て、的な。笑

    しかし学校に帰って来て気付けよ海斗くん!
    このニブチンがぁぁ!笑
  •  薮坂様
     コメントありがとうございます。
     練り込むと言うか、不自然じゃあないように必死に考えました(笑
     旅の恥は~、そんな感じですね。
     誰も、海斗ですら陽子を知らない土地で、自分ではない自分が出たんですね。
     海斗のナンパを阻止するという目的もありますし。

     気づかないですねぇ。
     まるで気にも留めてなかったんだと思いますよ。
     祥子が少しでも勇気を出して、変わろうとしていればともかく。
     自分は陽子に夢中でしたしねぇ。
     ニブチンと言うより、女々しいでしょうか(笑
  • えーきちさま
    ああ、私とほぼ同じ思考をたどってらっしゃったんですね。
    私もせつない別れ系のお話は断固拒否しようと思って話組み立てました。
    いろいろ整合取るのに苦労しましたが、えーきち様の方がより現実感に即した落とし込みになっていますよね。
    勉強になります。
  •  ゆうすけ様
     やっぱり、そっち方面位は寄せたくないですよねぇ。
     最初はそっち方面しか頭に浮かばなかったんですけど。
     ゆうすけ様の物語はファンタジーですからね。それに整合性は問題なかったと思いますよ。物語の始まり(友だちとの行動)、最後(会話劇)をシェイプしてもいいかなぁと思いましたけど、とても面白かったです。
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