日本における国の外貨準備はドルを利用できる海外の投資先でのインフラ収益としてドル証券に還流される場合にしか「日本の」貿易収支にならない。つまり貿易収支が黒字で財政的に健全であり日本の総所得の貯蓄の割合に加算されていてもまったく国内経済にならない。それが成立するのは賃上げの場合だけだが、もし企業が日本の海外貿易収支関係の人材の賃金を上げるとしたらドル証券を与えた方がどんな意味でもコストカットにならないだろうか。逆にそうでない日本の労働者の賃上げをいくら要請しても物価と連動した金利に関するドル建ての値上げにしかならないのだから、需要喚起と言っても結局は消費は輸出入の物価の変動分でしか行われない。つまり物価に対する賃上げが反映されるのも貿易収支関係の人間に対してしか意味がないのだ。だからこそアメリカの金融商品を買い続けることだけが日本の借金を健全な貯蓄として維持するループを財政健全化の増税で社会保障費として賄っているのだ。そして日銀はこの状態で信用創造を行えないので国債を買い続けて円のドルに対する購入しやすさを増大させることで「日本人」に対して「国内還流」を提起するしかないのだ。もちろんアメリカの戦争費用を受け持つことは日本人に対する「需要」であるわけだ。アメリカの投資を引き受け続けることしか日本の借金が維持できないから黒字化する。これが海外の「自由化」に対する障壁である。ある意味では日本人にとっての最大の障壁でしかない基軸通貨の。