https://kakuyomu.jp/works/1177354054894317692/episodes/1177354054894317797 自分は、何者だろうか。
自分の持つ特別な力のことも、なぜ研究所で暮らしていたのかも、疑問に思ったことは今までなかった。
超能力旅人ユウ
怪物......
後ろを向くと、そこにはネズミのような怪物が二匹いた。大きさは自分の膝ほどまである。
自分がサカノさんにもらった木製バットを構えると、ネズミの怪物の一匹が飛び上がって襲いかかった。
旅人......
「あの子......ユウの力になりたいんです! ユウは私の命を救ってくれた! この恩は一生忘れられないのです!!」
「俺は旅人になりたかった。旅人になって、これまでのことを忘れたかったんだ」
「......実はあたし、殺しの仕事を持ちかけられたことがありますよ。人の姿をした、特別な力を持つ実験体を始末しろって......」
「わしにもそこに待つ人がいるのじゃ。急ぐこともないのじゃが、できれば誰かと共に帰りたいところじゃった」
街......
何も解らずに、自分はビルの立ち並ぶ街の前に立っていた。街の前に門のようなものがあり、その前に人が二人立っていた。
自分は門をくくったが、二人は何も言わなかった。
街はビルが立ち並んでおり、たくさんの人が歩いていた。自分はあちこちと意味もなく歩き続けた。
命を狙う者......
「本当に申し訳ありません......実は私は、あるお方からの依頼で実験体と呼ばれているあなた様の殺害をすることになりました、殺し屋でございます」
「さて、また真正面からナイフを降り下ろしても、この実験体は触れずに弾くでしょうね......でも、真正面以外からも防ぐのかしら......?」
力......
自分は心を落ち着かせ、目の前まで来ている大蛇の怪物を睨んだ。
すると、大蛇の怪物の体が急に燃えだして、やがてぐったりと倒れ、びくとも動かなくなった。
そう思った瞬間、自分の頭に痛みが走った。
......
二人の前についた時、手を繋いでいた大人は二人に何かを伝えてから自分の顔を見た。
『聞いて、ユウ、お母さん、必ず戻って来るから、この小父さん達と一緒にいるのよ』
再び、女性の声が響くと、手を繋いでいた大人は手を離し、去っていった。
自分はその大人を追いかけようとしたが、二人の大人に捕まれた。
手を伸ばしても、去って行く大人はこっちを見てくれなかった。
こんにちは、オロボ46です。
今回は「小説家になろう」で連載していた「超能力旅人ユウ」の転載となります。
この小説は漫画家の相原コージさんが制作総指揮された「イデアの日」という
SFCのゲームの影響を強く受けています。実際にプレイしたことはありませんが、
プレイ日記や動画などですごく面白そうだと思ったのが、この小説を書き始めるきっかけとなりました。
なろうでは74話まで更新しており、現在は休止しています。カクヨムの方は、本日15時に3話、夜間の時間帯に一~二話、その後は一日一~二話と転載する予定です。
75話以降に、なろうとカクヨムで重複更新していくことを目標としております。
ぜひ見てくださいね!