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魔導少女ぷりん 第21話

 いつもと違う雰囲気を感じたぷりんは真宙と目を合わせる。

「魔導少女についいて知りたい?」
「そりゃそうじゃない。いつも大事な事は言わないし」
「じゃあ、私の目を見て」

 彼女に言われるままに真宙はじいっと目の前の少女の目を見つめる。すると、ぷりんの目に魔法陣が浮かび上がった。その魔法陣を確認した途端にぐにゃあっと時空が歪んでいく。その違和感に気付いた時、真宙は異世界っぽい世界にいた。それと、何故だかさっきまで目の前にいたぷりんの姿がない。
 この突然の変化に真宙は顔を左右に振る。すると、そこで脳内に直接声が響いてきた。

(今真宙がいるのは私の記憶の世界だよ。大丈夫、夢みたいなものだから)
「え? つまりここがぷりんの元の世界って事?」
(そうだよ、まぁ適当に歩いてみてよ。聞きたい事は何でも答えるから)

 どうやら、あの目の魔法陣によって真宙はぷりんの記憶の中に精神だけが取り込まれてしまったらしい。何となく事情を察した彼女はとりあえず目の前にある城塞都市に足を向ける。その世界はラノベアニメで見るような典型的な都合の良い中世ヨーロッパっぽい感じだった。

「勝手に入って大丈夫なのここ。入るのに許可とかいるんじゃ……」
(私の記憶の中だからへーきへーき。真宙は私の事を知りたいんでしょ)
「わ、分かったよ」

 その言葉の通りに街の入口の門は顔パスで入る事が出来た。とは言え、きっちり門番がいる事からやはり治安はそれなりなのだと言う事が分かる。入ってみると目の前に広がるのは、やはり異世界モノのアニメとかで目にするお約束の光景。

「うわあ……こう言う世界が本当にあるんだぁ」
(ふふん。私の街を存分に楽しんでね)

 と言う訳で、真宙はそう言うテーマパーク感覚でぷりんの記憶の世界を楽しむ事にしたのだった。

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