活動部員数3人、幽霊部員多数。 全部足しても20人に届かない・・・
小説『 萌黄色の五線譜 』は、そんな廃部寸前の部活を舞台に描いています。

 整った環境、多い部員、組織だった活動、演奏水準の高い合奏練習・・・

私も、そんな状況に憧れた、元 吹奏楽部員でした。
だけど、近隣の中学校や高校へ、指導に出掛けるようになって知りました。

 実際には、想像もつかないくらい悲惨な学校が、実に多数、存在する事を・・・!

 スネアが、無い学校。
 チューバが、無い学校。
 パーカッションパートが、2人しかいない学校( しかも、鍵盤オンリー )。
 ティンパニが、2台( 手締め式 )しか無い学校。
 メロフォンを、ホルンだと思って使用していた学校。
 アメリカン・カットのリードを使用していた学校。
 何と、スティックが、1組も無い学校・・・

どうやって合奏していたの・・・? えっ? この状態で、コンクールに出場していたって・・・!?
メロフォンはE♭ですよ? ホルンの楽譜は、Fなんですケド・・・?


極論的に言えば、上手な学校は、誰が指導しても上手です。

 音の出し方が分からない。
 アーティキュレーションの問題以前に、譜面が読めない。
 運指が分からない。

 ・・でも、音楽はスキ。

『 好き 』だけではなく、更に、『 楽しさ 』をレクチャーする。

今の私は、上手な学校・楽団には、全く興味がありません。 指導している立場にありますが、上手なバンドにしようとする、キモチすらありません。
合奏する楽しさを知る者は、誰でも、ある程度の演奏技術を持っています。 それでいいじゃないですか。

たった数年間の、スクールバンドだけで終わりじゃないんです。 一生の趣味として、音楽を続けていって欲しい・・・
そんな想いを込めて、この作品を創作しています。

演奏・部活動運営・環境などの設定に『 憧れ 』を追求するのも、ある意味、未来的思考で良いかと思います。

 だけど、しかし・・・

現実に存在する発展途上の学校を見据えた、実践的な視野に立つ作品を創作する事の方が、これから音楽に親しんでいこうとする人たちにとって、非常に有益なひと時を提供する事が出来るのではないか、と私は考えます。
この作品の創作原点は、そんなキモチから生まれました。

『 憧れ 』の状況を設定した作品も、それはそれで良いかと思います。
でも、部員間の心理などを題材にするとか・・ 吹奏楽本来の話しからは、どうしても逸脱してしまう事が多くなります。
更に言えば、ストーリーが進んで行くだけで、テーマは希薄になりがち・・・

それよりは、誰一人として同じ性格の者がいない、現実的な設定の基で、1人1人のキャラクターを前面に出した作品の創作を心掛けていこうと思っています。
おそらく、かなり現実に近い状況となりますので、物語的にはドラマチックではないかもしれません・・・

この作品、『 萌黄色の五線譜 』は、最終回のエピローグにも書く予定ですが、ほとんどの出来事が実際にあった事で、ノンフィクションで構成されています。
吹奏楽を嗜好とされる全ての方に・・ 演奏・団体運営における、1つの指標となれば幸いです。

6件のコメント

  • 夏川さま、はじめまして。

    この度は拙作『だからいつか、僕の隣に手を置いて』に、評価とレビューをいただきまして、ありがとうございました。とても嬉しかったです。
    ご助言も、ありがとうございました。

    吹奏楽部の顧問をされているのでしょうか?
    私も中学の時に吹奏楽部でフルートをやっていましたので、夏川さまの作品、楽しみに読ませていただきますね!

  • >平原佑記 様

    作品のフォロー、ありがとうございます。
    『 物書き 』ではなく、原作者志望ですので『 創作者 』でありたい私です。
    なので、文才はゼロです。

    顧問ではなく、完全ボランティアの外部指導者です。
    もう、20年以上、やっていますね・・・
    ( 一時、7年ほど、非常勤講師として中学校に行っていました )

    この作品に登場するキャラクターには、全て、実在のモデル( 吹奏楽部員 )がいます。

    またレビューや感想など頂けたら幸いです。

  • 夏川さま、こんばんは(*^^*)

    『だからいつか』に続きまして『春の足音』にまで素敵なレビューをいただきまして、ありがとうございました。
    とっても嬉しいお言葉に、恐縮してしまうくらいでした。
    これからも書き続ける励みになりました。

    20年以上もボランティアでやられているなんて、凄いですね!
    指揮者ってすべての音をとてもよく聞いてらして、本当に凄いと思います。

  • >平原佑記 様

    本当に凄いのは、無限に成長して行く生徒たちです。
    間違ったコトを教えると、そのまま成長して行ってしまいますからね。(笑)

    指導者も、親も同じ。
    子と共に、大人も成長するんですよ。

  • 夏川さん

    拙作にレビューをありがとうございました!
    おかげさまで昨日完結しました。

    廃部寸前の吹奏楽部が舞台といえば、初野晴さんのハルチカシリーズのファンなので、夏川さんの長年の経験に基づく作品を読ませていただくのがとても楽しみです。

  • >来冬 邦子 様

    お久しぶりです!

    ドラマ・アニメ等、時々、吹奏楽を含む、音楽を題材・舞台設定とした創作モノが反響を呼んでいますね。
    音楽は、情操教育の一環でもあり、喜ばしい事です。

    私は今でも、趣味として一般バンドを続けています。
    楽団は、『 小さな社会 』と同じ。 40年以上、続けていますが、今でも学ぶ事が多々ありますね。

    またご感想・レビューなど頂けたら幸いです。

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