お待たせしました。2週間ぶりの更新でございます……(白目)
前回で展開した決闘審判、その根幹にあるものは「差別」、言い方を変えれば「格差」でした。
この話、うまく取り扱おうとすればするほど難しい問題なのだと思うのです。
格差という問題を扱った上での落としどころ、どう決着をつけるか、と言いますか。
少なくとも、元凶の上層部が「格差をなくす」と言っただけですぐ解決していいような、なまっちょろい問題ではありません。
今回の落としどころですが、「主人公たちではすぐ解決できない」という形です。
というか元々、時間をかけなければ解決できない問題ですし、涼がやることはあくまで「場当たり的な対処」だけで、最悪の事態を避ける役割は果たすものの、そこからすべてを解決するような展開は全く考えていませんでした。
その「場当たり的な対処」もできない状態をどうにかするのが、広瀬涼とフランベルジュという組み合わせでして。元々エルヴィンという都市に対しての涼のスタンスは、9話の
「賽が投げられた以上、私はもう止まれない。止まる気もない。守れる人がいたら全力で守る。もし、負けたら世界が変わってしまうような戦いになったとしても、私ができることはひとつだ」
「私が、負けなければいい」
という台詞に集約されています。
ですが、今回はひとつ、こういった問題に対する自分なりの答えを明示しています。
1話冒頭のシーンにもある、人との間に生まれる「温もり」。
言い換えれば、他人に「歩み寄る」心。
頭ごなしに言って変えても、制度自体を先に変えようとしても駄目で。本当に必要なのは、あの日の由希子のような、困っている人を助けるような、本来当たり前のはずの感情。
それ自体に意味はないかもしれませんが、逆にそれがなければ何も変われない。きっと想いが伝われば、少しずつエルヴィンも変わっていくのかもしれません。