生津直

　赤面症に上がり症、女の子のような見た目で「さくらんぼちゃん」とからかわれ続けてきた主人公。 　彼は中学二年生の夏、パルクールと出会った。 ※小説家になろう様にも『もしも男の娘…

クラスメイトの菊池くんが逮捕された。 容疑は一家殺害。 学校の周りにはマスコミが溢れ、登下校は憂鬱だった。 そんな僕の前に一人の記者が現れて――。 知っている人間が容疑者に…

扉の向こう側って、分かっているから安心なんです。 もしも、全ての扉の向こう側が想像してない場所だったらどうします？

土属性の四天王として魔王軍に長年勤めてきたドルマ。 ある日彼は地味である事を理由に四天王からの左遷を言い渡される。 哀れなドルマの明日はどっちだ！？

黒童様の呪いは、誰にも止められない。

レンタルビデオ屋でバイトしている僕は気になっている女性がいる。 それは毎週金曜日に来る通称「金曜ロードショーの女」 ある日、彼女が土曜日にやってきて――。 一人の男の心の動…

「大体のもんは、腐りかけが一番美味いんだよ」 　近未来、巨大生物が地上を占拠した世界。 　地下シェルターのトイレで、その医師はそんなことをのたまった。

すみと七歳上のおねえは幼なじみ。ずっと一緒だと思っていたのに。「結婚するの」というおねえの報告にすみはいいようのない寂しさを感じていた。

僕の記憶は二十五歳の夏で止まっている。いわゆる前向性健忘というやつらしい。 事故で損なわれた脳味噌は十時間より長くものを覚えていてくれない。 僕は覚えていない。家の場所も、昨日や…

この国には7年間総理大臣として汗水垂らしてきた男がいる。 しかしその男は既存メディアとの関係を好まず、マスコミの要望はなかなか通らなかった。 その上 もはや第4の権力と化した既得…

「どうして──みんな脚光を浴びたら、評価されたら、自分の作品が生計を立てることに繋がったら、それは嬉しいことに違いないという宗教を信じているのでしょう」

それは、病というには美しすぎた。 幼くして日本舞踊の華と称えられた娘・雛牡丹は病に倒れ、日舞の道を閉ざされる。 それは、才能があるものだけが罹患する《才咲き》という奇病であった…

どうしても一緒にご飯を食べたい餃子短編。

大学生の俺は同じバイト先の黒木沙織のことが気になっている。 地味で真面目なこの女を気になるきっかけは手首に残った傷痕だった。 これは一人の男の、情けなくて独りよがりな恋の物語だ…

平穏な家族の食卓をテレビから流れるスピーチが凍りつかせる。新たな文学賞受賞のそれは、いきなり「読者にはブタか芸術家しかいない」と切り出された。それを見ていた舞子。スピーチはどこに…

透明の耐熱カップの中で、ベトナムコーヒーが抽出されてゆく。 「コーヒーが落ちきるまでに、決めて」 遠距離恋愛中のほとんど会えない先輩か、近くで寄り添ってくれる今里くんか。 １杯の…

京王線は私を連れてゆく。 あなたのいない、東京の中心へ。

《作成する人格のSEXを入力してください》 　SEXもないだろう、と思いながら、私は女性、と入力する。 《作成する人格のGENDERを入力してください》 　やはり女性、と入力した。

満員電車、目の前で痴漢されていた女は天使だった。 世界をハッピーにするために「しあわせの種」を撒くのが使命だという。 「幸せパンデミック計画」を手伝い、世界を幸福に導け！！ …

毎日雪が降り続く世界に「破滅」がやってきた。変化は人に、そして雪に何をもたらすのか。 終わりゆく世界に降る雪を描いたSF風の短編です。

あの作家と同姓同名を持つ男の苦悩の日々

「くっそ、もう一回！」僕ら二人は市街地を疾走するタイムマシンと、三十分の時間ループを繰り返していた。脱出に向けたこの冒険に関して、僕は真に驚くべき顛末を述べたいのだが、この余白は…

結婚する女性と約束をしたのは、“閏年の2月29日は俺を自由にする事”だけだった

夏生は陸上部の女子高生。 幼馴染みの春行とはチームメイトだったが、春行が突然、部活をやめたことで関係がギクシャクしていた。 2020年の夏、少女と少年の関係性はもつれて、ほどけて…

実世界からの現実逃避として、異世界に転生して勇者になるのを夢見る三十二歳妻子持ちの男「まさる」に異世界転生へのチャンスが訪れる。 まさるはこのチャンスを手にすることができるのか…

【あらすじ】 　事故で右足が不自由なマリーが、王子様を手に入れる物語。 【第１話】ハッピーエンド 　……可愛らしい話。ほのぼの。 【第２話】ハッピーエンド？ 　……１話が…

【カクヨムコン５特別賞受賞＆2021/03/18書籍発売！】 【2023年５月、創元文芸文庫より刊行！】 軽度潔癖症を自覚するわたしはある日、アパートの鍵を出先に置き忘れ、隣人男…

　待望の新作ゲームの発売日。ゲーム実況１年目の青年はこの時をずっと待っていた。 　予約していたが朝イチから並び、そうして手に入れたソフト。店の前で１枚。早速ＳＮＳで宣伝。さあ帰ろ…

無駄が嫌いな不登校のぼくと巨乳の義姉が、なぜか一緒に月に行くことになった。月での三日間をここに記す。

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短編たちのごった煮です。作品順にも意味はありますが、各作品に繋がりはないのでお好きなのからどうぞ。 たまに作品順を変えます。 「鈴森ほてりは困っていた ～割れ窓理論～」「仲良…

入学式から長い間休んでいた極道の息子の杉崎くん。声をかけられて振り返ると、そこにはよく知らない男がいた。後ろにはいつも鈴木がいたはずなのになぜ――？ 鈴木くんのいない全校集会で巻…

革命軍に捕まった政府軍の捕虜と、その捕虜を見張る兵士のある夜のお話です。

少女は突然現れた。 勇者と暗黒竜の雌雄が決するその時に。 聖剣でしか倒せないはずの暗黒竜にトドメを刺して、彼女はにっこりと笑った。 「トドメ、刺しちゃった～☆」 色んな場所に…

あらゆる面で完璧な妹に、劣等感を抱き続けてきた姉。 溜まりに溜まった鬱屈が限界点を超えた時、彼女達の関係も大きく変わる。 歪んだ愛憎の果てにあるのは、破滅か――――それとも？…

接点なんてないはずだった。あたしは地味な漫研部員、そいつはステージに上がるたび黄色い歓声を受ける軽音部員。 で、その手にあるのはうちの部誌だろう。なんであたしのページを的確に開い…

とある交通事故から起こった物語。最後にゾクッとしてくだされば嬉しいです

【短編】 Ａ合衆国の総合軍司令官である男、ジェームズ・T・カミングスII世。彼の軍隊はまもなく総力を上げて敵国「Ｒ連邦」へと攻め込もうとしていた。 彼はそこでまさかの軍隊に遭遇す…

【あらすじ】 「しんちゃん、私サンタのおじさまに会いたいのです」 そんなことを言い出す空園女史は、大マジだった。 ”何でも解決するマン”である鴨宮は、何とか空園のお願いを解決す…

1600文字ちょうどで書けちゃったけどフォロワーさん1600人記念ではありません。記念がこれだとさすがに申し訳ないので。 心が壊れそうなので書いたエッセイです。明日も私は私で生…

　吉田兼好が書いた日本三大随筆の一つである徒然草。 　皆さんは読んだ事があるでしょうか？ 　お堅いイメージ？　難しそう？　とんでもない！ 　下ネタ満載、愚痴一杯。今の時代の人でも…

5分で読めるホラー。第２弾は少しグロめ、閲覧注意……。 トイレのドアを見上げると誰かが覗いてた。 見られた部長は見られたその事実より、一体どこから見られたのかが気になって仕方な…

二年前にアーリーリタイアして以降、不労所得で生活しているおれは、たまたま立ち寄った居酒屋で知人の山田に遭遇した。いつものように仕事の愚痴をこぼす山田に、おれは退職を勧めるのだが……

ショートショート。SFであり、ミステリであり、ホラーです。

「私は──ひとりの人間に、恋をした」 ここは、とある海沿いの美術館。そこには"至高なる宝石"が展示されていた。 その名は〈アレキサンドライト〉。 彼の美しさに人々は魅了さ…

　職を失った僕は平日昼間の住宅街で、かつて憧れた先輩の姿を見る。彼女、坂島栞は“物語を書き続けなければ頭蓋骨のなかを花に支配されて死ぬ”病を抱えているという。 　生きているうちに…

あいつが教室で読んでいた本だ。駅の本屋の棚の中にあった、分厚い本を手に取ってページを捲った。自身の背丈を超える水位の活字の海に溺れそうになった私は、ページを閉じた。

【第36回織田作之助青春賞第三次審査通過作品】 大学生サギとトキの、ジェンダーを巡るすれ違いの物語。

よくある。 ありふれた。 あまり見ない風景。 だったらいいのにな。

精密義肢師のフィリップとその弟子のクリフは、元ピアニストのジャクリーンを訪れる。事故で片腕を失った彼女は、義肢によって復帰したものの、生身と機械の演奏を比べて取り沙汰する世間の噂…