⚠️ 注意:この記事は『天使創造』の物語構造に深く関わる内容を含みます。
未読の方はご注意ください。
番外シナリオ公開のお知らせ
End If:「既定路線(Default)」 を公開しました。
これは CHAPTER Ⅴ でレイヤがトーカに勝利していた場合のエンディング に相当します。
このルートでは 第XX話「新世界より(New Order)」 は CHAPTER Ⅴ の冒頭ではなく、“トーカ撃破後” の情景として読み替えられます。
そして、そのまま 最終話「終着点(End point)」 に接続して読むことが可能です。
ラストで飛び去った一機のユニット――その姿は巨大な空の要塞へと姿を変えたのではないでしょうか。
1. レイヤという特異点
レイヤは、「物語の外側」から侵入してきた唯一のキャラクターです。
この世界を「自分の遊び場」として塗り替えようとし、キャラクターでありながら同時に“読者的存在”という二重性を持っています。
現実と作品の垣根を超えた存在であり、読者の没入感をさらに高める装置として働いてもらいました。
2. 物語を脅かす者
トーカや他の登場人物が「世界の内側で抗う者」だったのに対し、レイヤは「外から書き換える者」でした。
言い換えれば、作品世界を壊そうとする“現実の手”の象徴です。
「自分に都合の良い物語しか認めない」
「気に入らない世界は壊す」
その姿勢は、神の視座に立つ高圧的な消費者像にも重なります。
だからこそ最終的に物語の自己防衛機能に弾かれ、ナンバリングすら与えられずに消える。
――これは必然であり、レイヤの特異な役割を際立たせる結末でした。
3. 作者にとってのレイヤ
実は、私が最も愛着を抱くキャラクターがレイヤです。
「レイヤを動かしたい」――その衝動が、この物語の出発点にありました。
作品世界とは異なる時空を生きた規格外の英雄達の物語を描き、その四英雄を丸ごと手中に収める――そんなギミックは、かなり早い段階から構想していました。
そしてレイヤは、それらを “改造せず”/“ありのまま” の姿で駒として扱うことにこだわりがありました。
それは レイヤなりのキャラクターへの愛着と敬意 でもあります。
レイヤは私にとって“熱心な読者”であり、物語を共に形作った同志でもあります。
レイヤがいたからこそ、『天使創造』は一段階上の次元へ押し上げられたと確信しています。
4. 終わりに:帰還ルートとしての「Default」
End If:「既定路線(Default)」 は、私なりの弔いであり、
修正力に抗ってレイヤが何度でも舞台へカムバックするための、**“帰還ルート”**です。
