おはようございます。武蔵純平です。
◆近況
コロナの濃厚接触者だったのですが、期間を過ぎましてやっと自由に移動できます。
自由に買い物に行けるだけで、ストレスが減りますね。
感染した母は元気です。元気すぎます。
◆謎の赤米、黒米
さて、ご好評をいただいております連載中の小説
『武田信玄Reローデッド~転生したら戦国武将武田信玄でした。』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917381972ですが、戦国時代をモデルにしているので、色々と調べる機会が多いです。
また、他の先生方が書いた戦国時代転生小説や転移小説も、よく読みます。
そこで、『あれ?』と思うのが、表題にある『赤米、黒米の設定』です。
◆戦国時代に白米はなかった???
最近、ちょこちょこ見かける小説の設定が、
『戦国時代に白米はなかった。赤米や黒米という不味いお米を食べていた。転生(転移)した主人公が、白米を持ち込み、戦国時代の人がオイシイオイシイと食す』
みたいな設定です。
これ……本当なのか?
ちょっと疑問に感じました。
◆白米自体は、かなり昔から食べられていた
私の調べた限りだと、白米自体はかなり昔、平安自体あたりから食べられていたようです。
ただし、貴族の上流階級に限られたようで、庶民はいわゆる玄米(精米していないお米)を食べていたようです。
精米して『ぬか』を剥離するよりも、そのまま食べた方が量が多いし、精米するのに手間がかかったのが理由みたいです。
この精米していないお米を『黒米』と呼んでいたようです。
(精米していない状態なので、色が白くない)
※『黒米』と呼ばれる品種のお米もあるので、紛らわしい。
◆江戸時代には庶民も白米を食べるようになった
そして、江戸時代の中期になると、新田開発や水利の改善などで、お米の生産量が上がります。
庶民も毎日ではないですが、時々は贅沢して白米を食べられるようになったそうです。
◆じゃあ、赤米は?
赤米と呼ばれる品種があって、日本でも江戸時代中頃まで作付けされていたようです。
赤米は手間がかからない品種(病気に強いなど)なので、古くから生産をされていました。
ただし、白米の品種に比べると収穫量が少ないので、次第に廃れていって、農業生産力が上がった江戸中期になると白米の品種に完全に切り替わっていた……ようです。
◆赤米は、古代米?
これは、ちょっと違うみたいです。
そもそも、赤米品種の稲と白米品種の稲と両方が、日本にはあったそうです。
(古代の話で、アジアから渡ってきたらしい)
ただ、古代米(古代に食べられていたとされるお米)=赤米で語られることが多く、古代米=赤米だけ、のイメージがついてしまったのかもしれません。
古代に白米品種がなかった訳ではないっぽいです。
◆さらに、赤米は時代違いの品種がある
さらに、細かく調べると、赤米は古代からあった品種と平安時代あたりに東南アジア・インド方面から入ってきた品種があるそうです。
◆結論は、小説やマンガの設定っぽい
そんな訳で、どうやら、
『戦国時代は赤米や黒米ばかりを食べていて、お米が不味い。白米は存在しない』
というのは、小説やマンガ独自の設定のようで事実ではないっぽいです。
もちろん、現代の品種改良されたお米(あきたこまち、コシヒカリ、ゆめぴりかなど)と比べれば、味は落ちると思います。
ですが、我々現代人が食べているお米と大きく乖離している訳ではなさそうです。