秋田ノ介です。
「爺さんの異世界建国記」について、ちょっと解説します。
舞台ですが、戦乱続きで荒廃が進んでしまった世界です。食料の自給率が極めて低い状況下で皆が暮らしています。戦乱前には、王国という統治機構があり、それなりに高い水準の暮らしが実現できていました。それが、一転して世界の様相が変わるのです。
王国は、皆を束ねるだけの力を失い、巨大な一諸侯という位置づけになってしまいます。王国に見放された土地では、次々と諸侯が逃げ出し、残るのは差別階層の亜人と人間の老人や子どもたちです。
それでもなんとか明日の糧を求めて、山に入ったりほそぼそと農業をしたりして餓えを凌いでいます。
一方、一諸侯のようになってしまった王国では、差別階級の亜人に対して、ますます強い差別が生まれていきます。それは、食料生産効率が低い土地では、とにかく労働力を投入しなければ、生産量を確保できないからです。その労働力として亜人が使われるのです。
被差別階級である人間は、戦乱を引き起こした責任が伴うはずですが、差別階級があると責任逃れをしてしまう。暮らしを維持するためにも、とにかく亜人をこき使います。
実はこの状況下でもまだ亜人の待遇は良かったのです。この先がもっとひどいことになります。なぜか、王国の領土が一気に荒廃を始めます。この荒廃は戦乱によるものではありません。
戦乱の荒廃は、農業の従事者の不足により開墾がされなくなり、いわゆる農地が荒れるという状況です。この状態では、しっかりとした農業をすれば数年で元に戻ることが出来るでしょう。
しかし、突如として襲いかかった荒廃は全くの別物です。土壌が完全に変異し、農作物を作れないほどになってしまったのです。荒廃は、場所によって速度がまちまちですが、確実に範囲を広げていきます。
王国の首都である王都も例外ではありません。しかし、王都ではとある出来事により生産性のある土地に蘇ることになったのです。それでも王都周辺に限定されます。他の王国に属する諸侯の領土は荒廃が続いていきます。
王国では、それらの諸侯に食料支援をしていきます。理由は政治的なものです。戦乱により王が隠れてしまったことにより、王位争いが勃発。時の利を得て、王弟が実質的な王として君臨します。一応は第四王子を擁立していますが、王弟の傀儡ですね。
王弟は実権を握ったはしたが、権力的に脆弱です。いまだに強大な諸侯がいますし、王国という力もかなり弱っている状態です。諸侯が動き出せば、簡単に権力の座から引きずり降ろされてしまいます。
そこで王弟は王都で生産された食料を諸侯に配ることにします。まぁ、貢物ですね。それによって諸侯からの支持を得て、王都での権力を盤石にしていきます。
その影で、苦しい思いをするのは亜人たちです。王都の食料生産は、すぐに向上するものではありません。しかし、諸侯に配るための食料がどうしても必要となります。そこで、王弟はそれまで亜人に配給されていた食料をかなり減らすように指示を出します。
ここまでが王国サイドの話を要約したものです。本編では、点々と出る情報をかき集めていくとこのような話になっていきます。
ここからは私なりの考えですが、王弟は人間の領民にはかなりの支持があるとおもいます。この世界では、食料の安定供給というのは最大の命題なのです。それを王弟はなんとか達成していると思います。もちろん、割りを食う人もいますが。
これが、王弟が君臨する王国の強さの秘訣だと思います。といっても公国は対王国戦では無敗です。王国って弱いんじゃないの? って思われますが、公国からのダメージはほぼありません。王弟がちょっとイラッとするくらいで、権力はかなり盤石となっていますから、謀反を企てるものなどいません。
王弟って王としてある意味、優秀なのかな? しかし、王弟は気にしていることがあるのです。それは、亜人達の存在です。亜人達ははっきりいって、反抗する力はありません。人数では圧倒的に多くてもです。
じゃあ、何を気にしているかと言うと、脱走が増加していることです。言いましたが、王弟の権力の基盤は食料です。そして、食料を生産しているのは大量の亜人達の存在なのです。その数が少しずつですが目減りし始めているのです。これは由々しきことです。
王弟は一旦、領民である人間を補填に当てようとしました。しかし、人間たちがそれを納得するわけがありません。それが王弟の政策である差別階級をさらに貶めたことの弊害なのです。亜人と仕事をしたがらない領民。領民の篤い支持が王弟を支えています。
そうなると王弟はどのような手を打つのか・・・。それは今後の話となります。
ちなみに、公国の戦力と王国の戦力を比較をよくしますが、数字にすれば圧倒的です。実は、王国は全兵力を動員すれば、公国なんて簡単に粉砕できる力があると思っています。でも、出来ません。亜人の脱走を止めることが出来ないからです。これが、王国が公国に対して小出しに兵を送り込む理由です。
ちょっと話にまとまりが無くなってきましたね。これが最後です。王弟の公国への評価です。食料が大量にある不思議な国。もしかして、帝国が背後にいるのかも!? です。帝国とは王国と泥仕合をした相手国です。公国を見て、帝国を見ている状態。王弟としてもなかなか本気でぶつかるのを躊躇しちゃいますよね。
簡単に書くつもりでしたが、文量が結構多くなってしまいました。王国目線って常に頭で描いてたりするんですよ。でも、こうやって文章にするとちょっと新鮮な映像を描くことができますね。でも、王弟を主人公で書くのは嫌だな。
ちなみに文中にあった、とある出来事、についてはいつか書きたいと思います。一応、本編でも関わってくる話になると思いますから。
とりあえず、以上です。
「爺さんの異世界建国記」をよろしくお願いします。