ハロリン深川です(*´ω`*)
カクヨムコンに向けてSFボーイミーツガール……ホラーを書き始めた深川ですが、
なんというか……
これ無駄撃ちしたくないな……(´・ω・`)
となってきております😂
良い話になりそうなんよ。・゚・(ノ∀`)・゚・。
でも、これってカクヨムコンかな……?
「違うんじゃなーい?」
と頭の中の堕天使ギャルが欠伸しながら囁いてます😅
同時に頭の中の悪魔王が別のカタログを持ってきてこう言います。
「吾輩のオススメはこちらでゲス。ふしゅしゅ」
なるほど。
流石は悪魔王。
なかなかに地獄の物語ですな(´・ω・`)
うーん、小松菜奈…じゃなくて困った。
その時です。
小判鮫先輩「深川くん。失ったものではなく持っているものを考えろ……」
深川「ひい、ふう、みい……仲間がい゙る゙よ゙……(´;ω;`)」
とりあえず皆にちょっと見てもらおう。・゚・(ノ∀`)・゚・。
困った時は仲間を頼る。
おだっちの教えに従っとけば海賊王間違いナシ(´・ω・`)
以下本編
タイトル【宇宙猫は今日も宇宙(そら)に向かってアンテナを伸ばす】
鬱陶しい……
熱気と湿気が充満する教室も、そこに木霊する姦しい女子たちの声も、下品な男子たちの笑い声も、何もかもが鬱陶しい。
|空野悠太《そらのゆうた》は小さなため息をつくと頬杖をついたまま窓の外に視線を移した。
もう下校時間を二十分も過ぎている。
それだというのに担任は遅々としてやって来ない。
子どもの時間を軽んじているのではないかと思い腹が立ったが、考えてみれば帰ってしたいことが特段あるわけでもない
仕事以外に趣味もなく、社畜として会社に縛られる自分の姿を想像して僕は再びため息をついた。
この世界は全くもって無意味な世界だ……
確かソロモンもそんなことを言っていた気がする。
そう。伝道者の書だ。
『人には食べたり飲んだりし、自分の労苦に満足を見出すよりほかに何も良いことがない。これもまた神の御手によることがわかった』
くだらない。
もし仮に神がいて、人の運命をあらかじめ決めているとしたら、いったい人生に何の意味があるというのだろう?
全くもってくだらない。
僕はどうでもよくなって一人席から立ち上がったが、誰もそんなことに目をとめる者はいなかった。
学生カバンを担いで後ろの扉から教室を出る。
家に帰るか悩んだ挙げ句、僕は何のためにあるのかもわからない《《第二図書室》》の方に足を向けた。
古い資料ばかりでかび臭く、自習スペースもほとんどない。
そのうえそこは口うるさい司書の爺さんが管理していて生徒たちは誰も寄り付かない。
そんな第二図書室は僕にとって格好の秘密基地だった。
聖書も、古事記も、スッタニパータもこの場所で読破した。
本を読んでさえいれば、爺さんは何も言わない。
剥げかけた緑のペンキで塗られた建付けの悪い扉をキィィ……と開くと、いつものように爺さんはチラとこちらを一瞥しただけでやはり挨拶も何も言わなかった。
部屋に一つしかない四人がけのテーブルに鞄を置き、めぼしい本を探しに本棚の峡谷に体を滑り込ませる。
なんとなくコーランには惹かれない。日本史か風土記あたりに範囲を広げてみようか?
そんなことを考えながら背表紙を睨んでいると、入口の方からキィィ……と扉の開く音がした。
誰か来た? それとも爺さんが出ていった?
なんとなく緊張しながら気配を伺っていると、パタ……パタ……と上履きの足音が近づいてくる。
音の主はどうやら今見ている棚の向こう側の通路に入ったらしい。
馬鹿馬鹿しい……どうして僕が緊張する必要があるんだ……
僕は再び背表紙に意識を集中した。
本を手に取り、パラパラと中をめくる。
文語体で書かれたその本は流石に苦労しそうだった。
本を元の場所に戻し奥へと進む。
ぱた……ぱた……
パタ……パタ……
自分の足音に重なって、向こう側から足音がした。
なぜか再び緊張が走った。
夕刻の西日が図書室の物品に長い影をつくっている。
そこかしこに生まれた明暗が、こちら側とあちら側を隔てているような気がした。
しかしそれも、やがてすべて闇に呑まれて、蛍光灯が作り出す人工の頼りない光だけが闇に抗う時刻になるだろう。
そうなれば、ここはきっと、あちら側の|領域《テリトリー》になってしまう。
僕はいつしかゴクリと唾を呑んでいた。
不吉な妄想を振り払うように、あるいは確かめるように、ゆっくりと一歩足を踏み出す。
ぱた……
パタ……
悲鳴が出そうになるのをなんとか堪えて固まっていると、ゆっくり……ゆっくりと、目線の先にあった分厚い本がぎこちなく動くのが目にとまった。
背表紙には『秘密教義』と書かれている。その本が突然、ヒュッ……っと向こう側に吸い込まれた。
思わずそこに出来上がった空白を覗き込むと、そこにはジロリとこちらを睨む、一つの目玉が浮かんでいた。
「ひっ……」
「静かに……」
目玉はこちらを睨んだまま囁くように言った。
「誰……? 人間?」
間抜けな質問をする僕を無視して目玉は左右を確認するような素振りを見せてから、押し殺した真剣そのものな声でこう言った。
「ねえ知ってる……? 宇宙猫は今日も地球の平和を守ってるんだよ?」
「は……?」
これが、僕と電波少女、|綾瀬《あやせ》の初めて交わした言葉だった。
僕は訳のわからない発言に思考が追いつかずに固まってしまった。
なんだコイツ?
なんでいきなり僕にそんなこと言うんだ?
そこで一つの考えが頭に浮かび、すぅ……と気持ちが冷めていくのがわかった。
僕は小さなため息をついてから本の隙間に向かって言う。
「これって罰ゲームか何か……? 悪いけどそういうの興味ないから」
できるだけ相手を喜ばせないように無感情を装い素っ気ない言葉を選んだ。
しかしそんな僕のことなどお構いなしに、向こうは周囲を警戒しながら一枚の紙切れを差し出してきた。
「これはワシントンDCの航空写真」
「はあ?」
「ちゃんと見て。ほら。ホワイトハウスを頂点に五芒星が出来上がってる。道路の建設計画時点からデザインされた、明らかに意図的なものだよ。こっちは《《定規とコンパス》》。フリーメーソンのシンボルなのは知ってるよね? 細かい話は端折るけど、世界のトップはレプティリアンと呼ばれる宇宙人に掌握されてるの」
いやいやいや……こいつ電波かよ……
いきなり|捲《まく》し立てられた言葉が荒唐無稽な陰謀論って、どういう状況だよ。これ。
僕は特大のため息をついてからあからさまに面倒くさそうな声を出して言った。
「それは凄いですね……でもどうせならさっさと地球を滅亡させて欲しいくらいだよ。悪魔崇拝の連中は神が作った運命に反抗してるんだろ? 決められたクソみたいな運命をぶち壊したいなら、さっさとその《《レプナントカ》》に頼んで地球を滅ぼせばいいんじゃないかな?」
本棚の向こうからじっとりとした視線を感じて目をやると、相手は少し怒ったような低い声でこう答えた。
「それは空野が“死ぬ”ってことの恐ろしさを理解してないから言える言葉だよ。それにレプナントカじゃなくてレプティリアン。奴らは人類奴隷化計画を進行中で、地球滅亡が目的なわけじゃない」
「はいはいそうですか。ていうかお前、何で僕の名前を?」
「お前じゃない。同じクラス。三年三組の綾瀬。クラスメイトの名前くらい知ってる」
いや知らない……
そんなことより同じクラスならまだホームルームの真っ最中のはずだった。
それなのになんでこいつはこんな場所に?
考えられるのは、僕が教室を抜け出したのを見て後を|尾行《つけ》てきたということ。
いやいや何のために?
訳が分からないことが多すぎる。
僕は考えるの諦め、手に持っていた紙を本の隙間から突き返しながら尋ねた。
「それで……僕に何か用なの?」
「うん」
綾瀬はそう言って静かに頷くと、紙ではなく僕の手を掴んだ。
驚いて咄嗟に覗いた先にあった綾瀬の瞳は、イタズラや罰ゲームとは到底思えない真剣な光に満ちている。
「力を貸してほしいの。すごく良くないことが、起こり始めてる気がするから」
柔らかく冷たい綾瀬の手から、なぜかその時、僕は熱を受け取ってしまった。