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朗読会『金曜奇譚』を終えての振り返りをば。

ひとつ前の近況ノートの冒頭でも触れましたが、9月5日金曜日の夜、かねてより色々動いておりました朗読会『金曜奇譚~Reading of Strange Stories~』の公演が無事に終了しました。
配信時に生じていた映像と音の不具合も修正した状態で再度上げ直していただけたので、ここで一旦振り返りをしたいなと思います。
(事前にご購入いていただいていた方には、前編と後編の2本に分けた状態で新たにアップした配信先への招待コードURLがお手元に届いているかと思いますので、
そちらにてご鑑賞いただけましたら幸いです。不具合によりご迷惑をお掛けし、大変申し訳ありませんでした……!)

当日のレポについては出演者様のおひとりでいらっしゃるナレーターの桜井ういよさんがたくさん写真を交えながらブログにめちゃ詳細に書いてくださってまして、ご興味ある方はういよさんのブログを検索してお読みいただけたら……ということで、私は書き手の目線で振り返りたいなと。

実は、朗読会をやろうという話は2年ぐらい前にもちょこっとありまして。
今回演出を担当いただいた方から「楽しいことやりたいなぁ」ということで、朗読会いいよね……という話をしていたんです。
当時はまだカクヨムさんも始めておらず、ちまちま書いてはUSBに保存するという感じで、当初は江戸川乱歩作品など著作権の切れたモノを使う……という話でした。
とはいえ、乱歩作品の朗読などこれまで数多の方がされている訳で、それを『今』やるならそこに意味を持たせる必要があるしなぁと(例えば生誕〇年とか、没後〇年とか)。
更にいえば、乱歩作品だけですべての公演時間を埋めるなら私がいなくても余裕で成立する訳です。
なので、「大変おこがましいですが、乱歩先生へのオマージュのようなオリジナルとか書きましょうか……」みたいな話もしてたんですが、そこから色々忙しくなり一旦その話は流れまして。

そこから再び話が動き出したのが今年に入ってから間もなくぐらいでしょうか、演出担当さんと今回ご出演いただいたナレーターの竹房敦司さんのおふたりが「朗読会やりたい」という話になったそうで。
開催にあたってネックになりやすいのが著作権だったり使用料だったりするらしいのですが、演出担当さんには私が去年からカクヨムさんに物語を公開していることをお話ししていたんですよね。なので「あの子の作品、どうかな」ということでお声掛けをいただいた……というのが、私が関わることになったきっかけでした。

念のためカクヨムさんに公開している作品を朗読会で使ってもいいのか確認を取った後、いくつかの候補の中から演出担当さんが「これでいこう」と決めたのが次の4作でした。

▼Happy Ending
https://kakuyomu.jp/works/16818093075845938996

▼殺人女子会
https://kakuyomu.jp/works/16818093078128179547

▼歪み愛
https://kakuyomu.jp/works/16818093094625377990

▼金曜奇譚
https://kakuyomu.jp/works/16818093076058958732

全体尺を2時間ぐらいにして、前半に短編を3本、休憩挟んで長編1本という想定です。

「この4作かぁ、なるほど」と思いながらも、私は「この作品をやるとして、朗読会全体の縦軸は何だろな」と考えてしまって。

お読みくださった方はなんとなくご理解いただけるかなと思うのですが、短編は当然のことながらそれぞれ別の話なので、共通する登場人物はいません。
全部ホラーかと言われるとそうでもない。
だからといって単に「オリジナル作品やりますよ」「短編と長編やります」というのでは、聞き手は朗読会そのものをどう受け止めていいのか迷いながらずーっと聞くことになる訳です。

それは流石にパッケージとしてあまり親切じゃないなと感じたため、「どうやって一本の串に刺して、全体をまとめるか?」というのを考えた結果、「全ての話が作り物なのか本当のことなのか、どちらとも取れるように曖昧にする演出を加えてはどうか」と思い付きまして。

これから配信をご覧いただく方がもしいらっしゃったら少々ネタばらしになりますが、具体的には短編3本を始める前に”知り合いが関わっている朗読会に来た女子A”と”Aの親友の女子B”によるオープニング部分をまず加えました。
実際の会場の雰囲気について言及するセリフや、朗読会の楽しみ方、Aの知り合いという人物についてのやりとりなどをしてから短編に入る……という流れです。
この際、当日の公演プログラムにも触れるのですが、プログラム自体にもささやかながら仕掛けを施しています。
公演プログラムを添付しましたが、気付いていただけるかな……?
(ちなみに各作品のイメージ写真も私、撮りました。世界観を具現化するの、ムズイ……!)

で、短編3本をやった後に長編に繋げるための幕間部分も書きました。
とはいえ、ただのブリッジにならないよう、そこでもきっちりぞわっとさせたいなと思い、ちゃんとオチるようにしています。
このオープニングと幕間についてはこの公演のためだけに書いたものなので、もし気になってくださった方がいたら、アーカイブ配信にて楽しんでいただけたらと!
(9月19日まではいけたハズ)

で、後半の『金曜奇譚』についてですが、これ、元々の小説は3万字ちょいありまして、これを全部やろうと思ったらとてもじゃないですが尺がとんでもないことになる……ということで、演出担当さんが1万8000字ぐらいにまで凝縮した脚本を作ってくださいました。
削った部分がどこなのかここでは言いませんが、「なるほど、これを削るとこんなテイストになるのかー!」と書いた本人が「ほえー!」となりました。

ちなみに、他の短編3本も耳で1回だけ聞いて伝わるよう、加筆修正を加えています。

文字だと会話とモノローグはかぎかっこで切り離されているので視覚的に理解できても、声だとその差をつけることにあまり意味をなさない場合もあったりしたので、セリフに入れ込んだりカットしたり表現を変えたりしました。
元の小説からどう変わったのか、比較するのも楽しいかもです!

読み合わせにも出来得る限り立ち会わせていただきましたが、私は演出についてはほとんど口を出してないです。
なぜなら演出担当さんがビビるぐらい話を読み込んでくださり、それをどう表すのがベストかをたくさんキャストの皆さんに伝えてくださっていたから。
私は会話文と地の文の分量とか何を描写するかとかについては、「こうきたらこれ入れたい」みたいな感じで直感的にだかだか打ってるところがあるので、「なんでここでこの描写が入るんですか?」と聞かれてもおそらく答えられない(笑)。

そんなこんなで、数回読み合わせを重ねたところで本番当日。

実際に会場にお客様が座られている状態を客席の横で見ながらキャストの方々が自作を読んでいる光景を見て、「これは物凄い経験だな」と感じました。

いやだって、別にがっつり賞をとった訳でもなく、商業出版もしてないので書評家や売上などの客観的な面白さ保証みたいなものはどこにもなく、ウェブ上で小説をただただ書いて公開している「お前誰やねん」状態の人間が書いた作品に対してチケット代という対価を払ってくださる方がいるって、とんでもない話です。
しかも、今回私のカクヨムさんのページをリンクで貼ってくださったキャストさんもいらっしゃったのですが、事前情報としてイベントタイトルになっている『金曜奇譚』以外はどんな作品をするのか一切言わないことになっていたため、「違和感をテーマにしてるとはいえ、どんな朗読会なのか全然分からへん」と思っている方がほとんどだったのではないかと思うのです。

しかも、今回来てくださったお客様はキャストの方のファンやお知り合いというケースが多くて、「この方の読みや声が好きだから」と仰る方もたくさんいらっしゃったと思いますので、下手すると「こんな素敵なナレーター陣にしょうもない話読ませやがって」となりかねない訳です。

もう怖い怖い。
本当にプレッシャーでした。

基本的に自己評価の低い人間ですし、自虐&ネガティブ思考の持ち主なので、「面白いと言ってくださるのはありがたいけど、それは知り合い故じゃないだろうか」とどこかで思ってる自分も常にいましたしね。

なので、『金曜奇譚』の終盤で客席から鼻をすする音だったり、目元を拭う仕草が伺えた時、「あー、良かった……」となりましたし、記入いただいたアンケートの感想欄を拝読して嬉しいお言葉を目にした時に「あぁぁぁ、私の偏った癖(へき)を楽しんでもらえて本当に良かったぁぁぁぁ!」とホッとしました。

こんな反応をいただけたのは、キャストの方々が作品に対して本当に真摯に向き合ってくださり、本番にMAXいい状態のモノを提供しようと照準を合わせてたくさん練り練りしてくださったこと、演出担当さんが本当に自作を気に入ってくれて愛情を持って育ててくださったこと、そしてお聴きいただいた方々がじっと耳を傾けてくださり、作品の世界観を受け入れてくださったこと、それらのお陰だなと。

「0から1を作ること、それ自体が凄いことで自分には出来ない」とか今回の公演を通して何度か言われました。

私自身も「1を100にするのは頑張ればなんとかできるけど、0を1にするのは相当しんどい」と、色んな方が創作した漫画や小説、絵画、建築物などを見て思いますし、何もないところから形あるものを作る人たちは凄いと心から尊敬していますが、なぜかそれを自分に対しては思えないんですよね。
自己評価のベースが低いということも影響しているんだと思いますが、私自身は楽しいからやっているだけで、凄いことをしている自覚もないし、世の中にはこれだけ書いてる人がいるんだから小説を書くことは特別なことでも何でもないという考えがあって。

自分以外の書き手さんは全員凄いと思えるのに、自分に対しては全く思ってない。
矛盾してるなぁと感じます。

なので、「原作者のももさんです」と終演後にご紹介いただきましたが、まぁ何というか「裏の人間が出てきてすみません」という感覚になってました(笑)。
どんな顔でいたらいいのかさっぱり分からず、配信されているのを忘れて顔が素になっている私を見たいという奇特な方は、カクヨムさんの私のプロフィールページに表示されているXのアカウントにて、アーカイブ配信に関するご案内を辿っていただけましたら幸いです。
いや、幸いではないな笑。
私の顔はどうでもいいので、キャスト陣のええ声を聞いてもらえたらそれが幸せです。

多分ですが、2回目もやります。
また計画練り練りしつつ、私はただただ自分が好きなものを楽しく書こうと思いますので、引き続きよろしくお願い致します!

以上、大変長くなりましたが振り返りでした!
ここまでお付き合いくださりありがとうございました!
明日からは気持ちを文学フリマ大阪に切り替えますが、これはこれで準備が大変すぎてえらいこっちゃ祭になってるので、まずは頑張ります……!








2件のコメント

  • 配信、拝見(拝聴?)しました!
    ももさんが、メガネをクイっとあげるところまでも ( ̄▽ ̄)

    いや、非公開となった作品たちにコメントしたときには、すでに〜だったのですけれども。
    この曜日のこの時刻にコメントするのがおもしろそうだと、伏せておりました。

    直前に読んだ作品の影響で、あの作品のコメントがあんなことに。
    みたいなことを書きましたが、直前というほどではないにしても、同日に視聴していて、ももワールドにどっぷり浸かっていた影響という意味で書いていたのです。

    ちなみに非公開に伴い、カクヨムではコメントを確認できなくなりました。
    ももさんからの返信は、メールによる通知があるおかげでいつでも読めますけれどね。

    朗読されると、あんな感じになるんですねぇ。
    楽しく、素晴らしい時間を過ごすことができました。
    ありがとうございます。

    次回は、あの作品にワードが出てきた〇〇耳が伏線ですね。
    分かっておりますとも(分かっていない)。ふふふ。
  • >成野淳司さま

    わー!
    まさかの金曜夜7時きっかりに感想をいただけるなんて、何という演出……!
    私の『眼鏡クイッ』はさておいて、配信ご覧くださりありがとうございます!
    嬉しい……!
    一日どっぷり浸かってしまったがために、気分悪くなったりしてなければ良いのですが(笑)。

    きのうからきょうに日付が変わるぐらいのタイミングで非公開にしたのですが、なるほど、コメント確認が出来なくなるのですね……!
    こちらのワークスペースからは非公開の注釈が付いていますが、すべてのいただいたコメントは拝読出来ていますので、私からの返信を読んでいただける状態なのでしたら良かったです。

    小説だと「ここは平仮名にしよう」とか「ここはこっちの漢字を使おう」とか「読んでもらう時に間を取ってもらいたいから一行空けよう」とか、視覚的な印象を考えながら言葉や行間をチョイスしているのですが、声に出すとそっち方向の工夫ではない部分の工夫が必要になってくる(一度で聞いて伝わりやすい表現に変える、読み手が読みにくそうにしているワードは言い換える、とか)ので、脚本ではそのあたりのことに出来るだけ注意を払うようにしてました。

    小説は視覚のエンタメ、朗読は聴覚のエンタメというのを改めて実感したなぁと……!

    こちらこそ、少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。
    2回目も来年やると思うのですが、その時はお面付けて出ようかな……。裏の人間が表で顔出しするのはなんともいたたまれない……。

    演目はまだ確定していないですが、ナレーターの皆さんは変態キャラをやりたいそうですので、そういう話も放り込むかもしれませんし、書き下ろしをやるかも……?
    また話がまとまりましたら近況ノートでもちょこちょこ呟かせてくださいませ!
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