新作の進行に合わせて近況ノートを書き綴っていこうと思いましたが、そう都合良く執筆を進められるはずもなく、現実の執筆との隔たりが激しくなりつつあります。
仕方ないので、私の小説の書き方、のような形で定期的に更新していきます。

さて前回に続きまして、テーマとストーリーが決まったので、次は登場人物を作ることにします。
みんな大好きキャラメイクの時間です。
作家様によっては順番が逆で、まず登場人物ありきでストーリーを考える人も多いかもしれません。
私も特に順番を決めているわけではなく、ストーリーを活かせる登場人物、登場人物を活かせるストーリー、と同時進行で考えています。

ただ、これは好みの問題ですが、登場人物を先に作ると、それらを活かすために都合の良いストーリーを考えるようになって、世界観が小さくなってしまう気がします。
登場人物はあくまで壮大なストーリーの中に存在していることを意識したほうが面白くなると思います。

「天空の城ラピュタ」は、パズーを先に作ってもラピュタは現れません。
まずラピュタという空に浮かぶ謎の城とそれを取り巻く世界があってから、伝説の古代人やロボットや悪い大人や運命的な姫様やパズーが生まれると思います。
実際のところは知りませんけど。

でも、ストーリーのレイアウトを作った上で、登場人物に合わせて都合良くストーリーを書き換えるのはアリだと思います。
また、ストーリーを壮大にしておけば、登場人物を変えてお話を作ることもできてお得です。
みんな大好きスピンオフもやり放題です。

それで、登場人物の作り方ですが、私は「役割」と「過去」が大切だと思います。
登場人物がストーリーの中でどんな役割を担うのか、主人公とどう絡んでいくか。
どれだけ格好いいキャラクターを作っても、役割がなければ手持ち無沙汰になります。
全ての登場人物には存在意義があるはずです。
小説の中では、誰一人として無意味な人間なんていないのです!
現実とは大違いです!
そういう点で見ても、やっぱりストーリーありきで登場人物を作るほうが収まりやすいと思います。

そして、全ての登場人物には過去があります。
「はじめまして!」と登場した人物にも過去があります。
どこで生まれて、どんな生い立ちを送って、これまでどんな人生を送ってきたのか。
詳細に設定しておくほど、登場人物の描写や発言に深みが出てきます。
ただし重要なのは、それらを一切語らせないこと。
せっかく作った過去設定は自分の中に留めておいて、その上で登場人物を動かすのが理想です。

「天空の城ラピュタ」に登場する海賊ドーラなんてその最たるものだと思います。
彼女の過去は話の端々に覗く含蓄ある言葉と、若い男どもを従えている手腕と、さらっと暗号を解読する能力と、壁に掛けられていた若い頃の意外な容姿くらいしかありません。
でもそれだけで、彼女が過去に何度も大冒険を送ってきた百戦錬磨の肝っ玉母ちゃんだと想像できます。
何でしたら彼女を主人公にしたアニメだって作れそうです。
でも宮崎駿はスピンオフなんて作りません。
彼女、というか登場人物全員が「天空の城ラピュタ」の一作品にしか出演していません。
たった2時間の使い捨て、されど決して使い捨てとは思えない登場人物たち。
駿、恐るべし!
でも役割と過去を作り込む大切さってそういうことだと思います。

ということで、登場人物の制作には手間暇かけて熟考してもいいと思います。
でも主人公についてはそこまで深く悩まないかもしれません。
主人公はストーリーと密接に絡んでいますので、過去も役割も性格も能力も決まってくるからです。
パズーも、お父さんが若干ラピュタと関係していましたが、明るく元気な男の子ってくらいの設定だったのではないでしょうか。
彼は視聴者の代弁者、アバターだったのでしょう。
だから観た人みんなが空を見上げて彼を羨ましがるのです。
親方!空から女の子が!
古代人の末裔で、空飛ぶ青い宝石を持った、薄幸そうなおさげの美少女が!