悪魔の方が、人生は楽しい。
自由奔放で、下らないルールに縛られない。
けど、ほとんどの人が、そんな生き方を拒否するだろう。
みんな善でありたい、天使でありたい、正義でありたい。
そう願うだろう。
けど残念ながら、それは叶わない望みだ。
なぜなら、そもそも、僕ら人間は、生まれながらにして悪魔である。
この地球上で最も嫌われる存在だ。
多くの生物の命を奪い、食らい、生きながらえている。
動物は生きるのに必要な分しか食べない。
しかし、人は『食』を娯楽としているから。
必要以上に食べて、ブクブクと太る。
さぞかし、醜く映っているだろう。
無闇に殺している訳ではない。
生きるための、食事だから。
そんなのは、人の勝手な言い分。
食べられる側にとっては、知ったことではない。
むしろ、お前らを食ってやろうと、いつも目をギラつかせている。
人は生まれながらにして、醜く、薄汚れた、悪魔である。
良い人、なんて言うけど。
それも、最悪の中の最高にすぎない。
バカの中の賢い。
ウンチの中のカレー(それは違うか)。
その程度にすぎない。
だから、無理して、肩ひじを張って、良い人である必要はない。
しかし、人は生きて行く上で、優しさを失ってはいけない。
悪魔である僕らは、地球上の全生命体に嫌われている。
僕らは、この美しい地球(ほし)を汚す存在である。
そんな僕らが他のみんなに好いてもらうためには。
優しくするしかない。
ギャップ萌えを狙う。
その結果、一部の子たちは、僕らと仲良くしてくれる。
犬とか猫とか、ペットちゃんたち。
けど、野生の奴らには、まだまだ嫌われている。
うかつに近付くと、脆弱な僕らはたちまち食われてしまう。
僕らはみな、等しく、弱い生き物である。
だから、謙虚な悪魔として生きて行こう。
そうやって修行すれば。
死ぬ頃には、憧れの天使になれているかもしれない。